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クレハの異世界冒険記  作者: ヴィヴィ
真紅の牙
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56話

 






 皇帝陛下と共に帝都周辺の草原へと大規模な軍を率いて向かい、そこで魔導戦艦を引き渡した。


「名前などはお好きにどうぞ」


「わかった。士官の育成は必要ないのだな?」


「音声応答システムがございますので、使用者は魔力さえあれば問題ありません。事前登録が必要ですが。もちろん、教育した士官が居ればより強力な物になります」


「では、士官の育成はそちらに任せる。そうだな、航空士官学校でも作るか。魔導戦艦の製造に関しては全て任せる。できれば輸送用の物も頼みたいがな」


「資材と時間、優秀な人材さえいただければ……」


「任せろ。勅令を出してやる。それと、これがレシピのコピーだ。悪いが、原本はもしもの時のために残さねばならん」


「分かりました。ありがとうございます。では、私達はこれで帰らせて貰います」


「いや、待て。基地の設計図も渡してくれ。格納場所も困るからな」


「そんな事もあろうかと、こちらにございます。それと、労働力は魔導戦艦に搭載されている魔導ゴーレムをお使いください」


「うむ」


 皇帝陛下との用事を全て終えた後、アタシはレティシアと猫ちゃんを連れて帝都から転移して帰還する。もちろん、ラセルナ領の正式な引渡し書類と俺が辺境伯になるという証明書を貰った。皇帝印つきで。




 ラセルナに到着した俺はさっそく真紅の牙を呼び出す。すると、本家の執務室に団長とヘイゼルがやって来た。


「何の用だ?」


「小娘、伯爵様はどうした」


「死んだよ」


「なんだと!!」


「帝都が族に襲われて、その時に死んだんだ」


「お前が、いや、お前達が殺したんだろ?」


「人聞きが悪いなー」


「そうやで、うちらは表向きには無実や」


 団長は無茶苦茶怒り出したが、無視する。はっきり言って、問題はヘイゼルだからだ。


「それで、アタシが正式にラセルナ領を預かる伯爵……いや、辺境伯になることが決まった。これが皇帝印の証明書だよ」


「た、確かに……」


「ほう、大出世じゃないか。おめでとう」


「ありがとう」


「んで、真紅の牙はクレハの物になるって事や。もともとラセルナ伯爵家と密約があるさかい、かまへんやろ」


「巫山戯るな。我々は勝手にさせてもらう!」


「と、言ってるけど、ヘイゼルはどうする?」


 俺はヘイゼルの無表情から情報を読み取ろうと見るが、何もわからない。


「契約は絶対だ。いいだろう、私はお前達に従ってやる。だが、ある程度は好きにさせてもらう」


「ヘイゼル、貴様っ!!」


「黙れ。私の契約は真紅の牙とだ。その真紅の牙が密約でラセルナに協力要請する事が決まっているのら、私は彼女に従うだけだ」


「っ!?」


「という事で、真紅の牙はヘイゼルが団長になって、そっちのはいらない」


「という事や。邪魔な人は退場してもらおうか」


「ごふっ!?」


 レティシアが瞬時に接近して、その胴体を貫いて殺す。これで問題無い。


「さて、ヘイゼルにやってもらいたい事があるんだけどさ……」


「なんだ?」


「レティシアを副団長にした後で、この材料を集めてきて」


「……なんだこの素材は……構わんが、面倒だな」


「よろしく。お金はとりあえず1億で」


「待て。そこまでいらんぞ」


「いや、経費もあるから食べ歩きでもしてきなよ。あ、お土産はよろしく」


「うちも欲しいわ」


 レティシアが死体を処理した後、手を拭きながら言ってくる。


「わかった。ジル」


「ここにいやがりますぜ」


「お前、これを探してもってこい」


「丸投げでやがりますか!」


「ああ。私は他に真紅の牙の関連組織を潰しに行くからな。お前らも手に入れば問題無いだろ」


「まあね。あっ、そうだ。じゃあ、孤児や奴隷の子供達を見つけたらこっちに送ってよ。奴隷は買取資金出すし、孤児は孤児院ごと買収していいから」


 ヘイゼルがこっちを見てくる。


「どうするつもりだ?」


「こっちで英才教育を施して育てあげる。まあ、わかりやすくいうと育成ゲームかな。アディールもそうだけど、住人が居ないしね」


「英才教育って、どこまでする気なん?」


「それはもちらん……アタシの技術力と薬を使い、レティシアとヘイゼルで肉体面を鍛え、知識面も強化する。目指すは富領強兵」


「帝国に反旗を翻すつもりか?」


「まさか……ただ、アタシ達……アディール村と同じような事を起こさない為だよ。その為にヘイゼルにも働いてもらう」


「まあ、好きにしろ。私は悪魔だ。貰う物を貰えば問題無い」


「うちもクレハと同じや。この時代はモラルなんてへったくれもないんや。なら、うちらで作ってしまえばええ。その為の武力やったら、うちらは用意できる」


「魔導戦艦を沢山作って、制空権を確保すれば容易いしね。まあ、後は皇帝陛下次第だけど、私達はやれる事をやるだけだ。んじゃ、解散。アタシは領内の制圧と不正の排除を行うから」


「了解。レティシア、行くぞ」


「ほな、行ってくるわ」


「いってらっしゃい」


 レティシア、ヘイゼルが出ていき、使い魔も消えた。アタシは執務室をあさって不正を探す。構造探知や魔法探知などありとあらゆる魔導機械などを使って探すと、出て来る出て来る。脱税や横流し、公金横領など様々だ。


「よーし、片っ端からぶち殺すか」


 先ずは領主館……もとい城から不正に関わった者達を処理する。その後、ラセルナ辺境伯の名前でパーティーを行うから来るようにと不正を行った者達を全員呼びつけてやる。家族と共に来たものには褒美を取らせると書いたし、新たに広大な領土を頂いた事も記してある。これにより、一週間後のパーティーには欲にくらんだ連中が押し寄せてきた。だから、目の前に居る連中には容赦をしない。


「早速ですが、皆さんには生贄になっていただきます。さようなら」


 召喚したクトゥグア達による一斉掃射で皆殺しにする。ただ、13歳以下の若い子供達だけは別室で待機させた。その子達は後で洗脳教育を施し、英才教育を施す予定だ。子供に罪はないからね。ただ、学習装置という名の洗脳装置で記憶を改ざんしたりするが、必要な処置だ。


「さて、粛清は完了。残る作業は……左遷されていた者達の呼び戻しと、被害にあっていた遺族への賠償か……よし、さっさとやろう!」


 それから、転移も使って3ヶ月で元ラセルナ領や貰った領地の不正や犯罪者の粛清などを行って、さらし首にしてやり、領民達に支配者が変わった事を教え込んだ。

 さらに2ヶ月後には呼び戻した官僚達をきっちりと教育して各町に配置。魔導ゴーレム100体を配備して、警備と開発に従事させる。魔導電話と転送装置も設置して、開発計画俺にちゃんと許可を取らせ、それを実行に移させる。送られてくる子供達も街から世話係を雇いれて世話をさせている。

 その後は段階的に魔導技術を導入して、改革を行っていく。13歳の子供達はさっさと教育を施して魔導技師として各町に配置させ、技術指導を行っていく。

 膨大な量の仕事をこなしつつ、パソコンとネットワークの導入により、格段に処理速度を向上させて領地を発展させる。それと同時進行で出来上がった魔導戦艦を納品する。こちらに作った訓練所と空軍基地にも魔導戦艦を配備する。ドックや飛行場も大量建設して、アディール村跡地の周辺は巨大な魔道都市となっていく。それに伴い、本館も移動し、魔導都市アディールがラセルナ辺境伯領の中心となった。










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