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第67話 新生徒会長。

 

 新生徒会長を初めて見た…


 普通、生徒会長は進学組から選ばれるのだが進学組が誰も立候補せず、普通組から立候補者が出たため普通組の人が生徒会長になった

 その生徒会長は嬉しそうに祝辞を読み、淡々と入学式が進んでいく

 俺もちょっと前まで前の新入生の席に座っていたと思うと時間の流れは早い


 横には入学生の親なのか、嬉しそうにしている

 早苗さんは端の教員の位置に立っていて俺が保護者席に座っていた


「それでは、新入生の皆さん、高城学園へようこそ!」


 最後に大きな声で歓迎して生徒会長は脇に下がる

 それからは面白くもなんともない普通の入学式が進んでいく

 そして、ようやく入学式も終わり新入生たちはまず教室の中へと入っていく

 俺は一応姫の保護者として来ているので一緒に教室の中に入ると姫の担任が古典の教師だった


 古典の先生はかなり良い先生だ。優しいし、若いから話しやすい

 内心、羨ましいなぁと思いながら他の保護者と一緒に後ろで見ていると古典の先生が俺を指差した


「すでに気になっている奴がいると思うが、あそこで凄い若い奴がいる。あいつは君たちの先輩だからちょっと質問タイムとしようか」

「ちょ、ちょっと何言ってるんですか」

「まぁ祠堂、後輩たちに進学組のめんどうさを教えてやれ」


 姫の方をチラっと見ると明らかに怒っている感じで、他の生徒たちは何を質問しようかと考えている感じだ

 それにしても、このクラスは見るからに勉強ができそうな人が多い。俺たちのクラスは一応勉強できるやつが集まっているけど見た目は普通と変わらない。髪を染めようと必死なやつもいればゲーム機を持ってきて楽しむ奴もいるんだけど…ここは勉強するためにここに入った!と言った感じだ


 俺は教壇の前へ行くと、教室の中に居る人全員が俺を見てくる


「え~っと、新入生の皆さんご入学おめでとうございます。さっきも紹介ありましたけど進学組の3年で祠堂って言います。宿題とか色々出されたりするのでめんどくさいし、テストも普通科よりは数段難しいし、めんどくさいことばっかりですけど、その中で楽しいことを見つけることが大切だと思うので精一杯楽しいことを見つけてください。そしたら学園生活も充実すると思います」


 我ながら良い感じだと思う

 教室の中にいる人は皆拍手をしていて、唯一姫だけがムッとした顔で俺の方を見てきていた

 そして、先生の言っていた通り、生徒たちの質問タイムが始まった


「進学組では過去にどんな大学へ行った方がいるんですか?」

「テストってどのぐらい難しいんですか?」

「先輩はどこの大学を目指しているんですか?」

 と様々な質問が次々とされていく


 正直、先輩達が東大とか京大とか入ったと知ってどうするんだ?と思うけど、ここは場の雰囲気を読んで、本当に受かったのか分からないが適当に有名な大学の名前を言っておく。

 しばらく色んな質問をされて疲れてきた所で後ろの席に座っていた男の子が手を上げた


「1つ良いですか?」

「なんでしょ」

「祠堂先輩はどうして在学生なのにここにいるんですか?」


 確かに疑問だろう。というか、今まで質問されなかったのがおかしいぐらいだ

 でも、ここで本当のことを言ったら姫にシャーペン刺されかねない

 少しだけ考えてこう答えた


「なんとなく後輩の顔が見たかったからですかね。どんな可愛い女の子が入ったとか見たかったですから」


 とりあえずニコッとしながら言うと教室は笑いが起き、温かな雰囲気が流れる

 ここまでできれば十分だろう

 俺はそのまま教室を出てジュースを買うために食堂へと向かう

 姫はあのクラスどんな風になるんだろう…

 中学の頃はまったく知らなかったけど卒業式の時に見た感じではかなり人気者だった


「ふぁぁ~…朝早かったから寝む…」


 食堂の椅子に座って腕を枕にする

 姫の説明が終わるまではあと少しあるし、早苗さんも時間がかかるだろう

 食堂は少し寒いけど寝れないことはない。静かな食堂の中、10分間だけ眠ることにした



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