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第66話 朝ごはん。

 

 姫が高城学園に入ってくる入学式

 俺は姫の家にいた


「智ちゃん、これとこれどっちがいいかしら?」

「いいかしら?って早苗さんは養護教諭なんですからいつもみたいに白衣っぽいの着てれば良いんじゃないですか?」

「向こうに着くまではお姫の母親なのよ?私も」

「…それもそうですね。んじゃこっちで良いんじゃないですか?」

「そう。智ちゃんが言うならこっちにしましょ」


 早苗さんは俺が適当に選んだ服を嬉しそうに持って部屋へと入っていく

 そうなると俺はリビングに1人だけになってしまい、やることが無い。

 そもそも在学生は今日の入学式には参加しなくてもいい

 今日の入学式に行く在学生は普通科の生徒を部活勧誘する生徒・新入生の可愛い子をいち早く情報を仕入れてバカどもに売る奴・そして、あわよくば新入生と恋愛しようとする奴だ


「はぁぁ…せっかくの休みなのになぁ…」

「だったら来なければいいでしょ」

「わっ、おはよう。姫」


 後ろを見るとパジャマ姿の姫が立っていて大きな欠伸をしていた

 まだ朝の6時半なら寝てても良い時間帯なんだけど、ちょっと騒がしかったから起きてしまったんだろう


「ふぁぁぁ~…早いね、智ちゃん」

「馴れてるからね。それより姫、まだ寝てていいんだよ?」

「いい。寝たら起きれないから」

「そっか。んじゃ朝ごはん食べる?何か適当に作るけど」

「うん。もらう」


 姫をテーブルに座らせてからキッチンで適当にスクランブルエッグを作ってパンを焼いて姫の前に出す


「はい、どうぞ」

「うん」

「あら?お姫もう起きたの?それも朝ごはんまで」

「早苗さんも食べますか?」

「ええ。もらうわ」

「それじゃどうぞ」


 余分に作っておいてよかった。

 早苗さんの分も出して、俺も朝ごはんを食べる

 今頃俺の家では隼人が1人でご飯を食べているか、千鶴が勝手に上がり込んでいるかのどっちかだろう


「智ちゃん智ちゃん」

「なんですか?」

「今からでも私たちの家に住まない?」

「はい?」

「こんなにおいしい料理が毎日食べられると思うともう住んでほしいわ」

「…めんどくさいので嫌ですよ」

「欲しいモノを1つ買ってあげるわ」

「物で釣られるほど困ってませんので」

「お姫の身体でもいいわよ」

「まだ命を捨てる気には…」


 実際に今、姫の目から身体全体から殺気が湧きでている感じで包丁を持たせたら刺されかねない


「うふふ、お姫は本当に智ちゃんのことが好きなのね」

「全っ然!智ちゃんなんてどうでもいいし、これっぽっちも気にならない!!」


 姫は親指と人差し指の間をくっつけた状態で言ってくる

 どれだけ気にならないんだ…俺の事

 姫は「ふん」っと言ってパンをかじる

 相変わらず姫は姫らしい


 姫は食べ終わると制服に着替えてくるといって部屋へと入っていく

 俺は姫の食べ終わった食器を台所へ持っていく


「お姫は相変わらずね。さて、智ちゃんも準備してね。そろそろ行くから」

「わかりました。んじゃその食器も洗いますからこっちに持ってきてください」

「ありがとう。それじゃ、お姫の制服を見てこようかしら」

「まだ着替えてる途中だと……」


 言っても無駄だ…

 すでに早苗さんは姫の部屋の方へ歩いて行き、少しすると姫の大きな叫び声が聞こえた



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