第63話 起きるとそこは…
目を覚ますと横に何故か姫が寝ていた
俺の覚えている限りじゃ佐藤さんから貰ったチョコが早苗さんにバレて、誰かを吐かせるために自白剤ならぬ、お酒を大量に飲まされた所までは覚えている
てか、頭がガンガンする…
重い頭を無理やり起こして辺りを見回すと姫の部屋のベッドの中だった
そして、何故か上半身が裸だ
「………」
別に熱いわけでも無く、どちらかというと寒い季節なのに嫌な汗が噴いてくる
嫌な予感を感じながらも横をコッソリ見てみると姫がスゥスゥと寝息を立てながら、ちゃんとパジャマを着て寝ている
最悪のパターンは避けれたみたいだ
静かに布団から出て近くに落ちていた俺のTシャツを着て部屋から出る
「あら?おはよう、智ちゃん。どうだった?姫との子作りは」
「………」
それが本当なら俺は今すぐ死にたい…というか、殺されるだろう…
早苗さんはコーヒーを飲みながら「冗談よ」と言って俺にコーヒーを進めてきた
「変な冗談はやめてください」
「でも、一緒に寝てたのは真実よ?」
「早苗さんでしょう?俺の服を脱がしたの」
「寒い時は人の体温で温めるのが良いのよ」
「極寒の地にいるわけじゃないんですから…」
早苗さんか淹れてくれたコーヒーはかなり美味しく怒る気にもなれない
近くに置いてあるリモコンでTVを付けてニュースを見ていく
すると「中学生を売春させた容疑で逮捕」というニュースが流れた
「智ちゃんもある意味中学生を売春したわよね」
「やってません。てか、姫相手にそんな勇気出ません」
「あら?可愛いから高く売れるわよ?」
「それ、姫の前で言ったら嫌われますよ?」
「言うわけ無いじゃない。あの子を売るのは智ちゃんだけよ」
「お金無いので買わないです」
なんてことを言う親なんだ…
ニコニコしながら早苗さんは話していてご機嫌が良いみたいだ
それから早苗さんは姫のアレの行動が可愛いとか、もう少し素直になったらいいとか親バカ全開トークを繰り広げる
「そういえば姫の卒業式っていつ頃なんですか?」
「確か~…今週の土曜日じゃなかったかしら?」
「すぐじゃないですか…」
「智ちゃんも来る?お姫の最後の中学制服姿よ」
「ん~…姫が来てもいいって言うなら行きますけど」
「あの子は来てほしいと思うわよ」
「そうだと良いんですけどね。それじゃ俺は一旦家に帰ってから学校行きます」
「車で送りましょうか?」
「ん~一回家でシャワー浴びたいんですよね」
「ここでいいんじゃない?」
「あ~確かに…んじゃシャワー借りていいですか?」
「ええ。それじゃ出てきてから智ちゃんの家に行くって事で」
俺はお風呂場まで行って、早めにシャワーを浴び、すぐに出る
そして、早苗さんの言葉に甘えて車で家に向かってもらい、学校に行く準備をしてから学校へ向かった




