第43話 死闘のあとは修学旅行。
体育祭
学生が汗を掻き、決められた競技でどれだけ醜く卑怯にポイントを稼げるかという死闘を行うイベントだ
そんなイベントも無事死者なく終わり、俺たち2年生には修学旅行という高校生の中で最大のイベントが訪れる
「いいよなぁ…沖縄…」
修学旅行のために準備をしていると横で羨ましそうな声で俺の方を見てくる隼人が言った
「俺の代わりに行くか?」
「マジっ!?」
「バカかお前」
「はぁ~…マジで行きたいなぁ…沖縄。俺も学生しとけばなぁ…」
「………」
隼人が高校に行けなくなったのは俺のせいだ…
俺があんな暴力をしなければ隼人は高校に行けたし、千鶴とも離れずに済んだ
だから、本当は俺は修学旅行に行く価値なんて無い
「おいおい…何黙ってんだよ」
「いや…」
「別に智を責めねぇよ。あれは俺がやりたくてやっただけ、智が悩むことじゃない。
それに今は今で結構楽しんでるし」
「でも、俺があんなことしなかったらお前は普通に高校行けただろ」
「バカだったし、智の行ってる学校には行けないだろ。てか、大丈夫なのか?お前」
「…何が」
「そんな怖い顔で見んなよ…怖い」
隼人は漫画を読み始め、俺は準備を進める
そして、必需品などをすべて確認し、準備完了してから適当にご飯を作って明日のために早めに寝ることにする
「んじゃ明日からしばらくいないから」
「あいよ」
「頼むから家だけは燃やすなよ」
「当り前だろ。それより早く寝ろよ~」
隼人はTVを見ながら言ってきて、俺は自分の部屋へ向かう
そして、目覚ましを早めにセットしてからベッドに潜ろうとするとメールが来た
メールの主は早苗さんだ
-明日から修学旅行だよね?お土産よろしく~
-早苗さんは仙台に研修でしたっけ?
-そそ。今研修が終わった所だから準備してそっちに帰るのよ、車で…ほんとしんどいよぅ
-お疲れ様です。姫は今どうしてるんですか?
-あの子は今、実家にいるわ
-そうですか。それじゃ気を付けて帰ってきてください
今終わったって車でこっちに向かうってことはこっちに着くのは明日の昼ごろだろうか?
どれだけ飛ばしても仙台からこっちになんて9時間少しはかかるはずだ
休憩せずに行けば昼までに着くかもしれないけど、休憩はするだろう
俺は少し心配しながらも再びベッドの中に潜り、明日のために体力を回復させた




