表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/85

第36話 襲うとか襲わないとか…。

 

 目を開けるとそこは知らない天井だった

 俺は慌てて起き上がり、辺りを見回す

 全く知らない天井に、全く知らない部屋、俺の物だとは思えない可愛げな掛け布団

 ここがどこか分からずキョロキョロしていると、部屋に置かれているベッドの上でモゾモゾと何かが動く

 俺はようやくここが姫の部屋だと気が付き、安心しようとすると全身に嫌な汗がぶわっっと吹き出て、俺は慌てて姫が寝ているベッドの方へ行く


「すぅ…すぅ…んん…すぅ…」


 姫は少し寒そうに抱き枕に抱きつきながら寝ていた

 俺が覚えている限りではちゃんと掛け布団を持っていたはずなのに…

 おそらく掛け布団は1枚しか無くて、仕方なく自分のを俺に掛けたんだろう。身体が弱いのに

 俺は可愛い掛け布団を姫に掛けて、頭を撫でる


「ありがとうな、姫」


 俺は姫の寝顔を見ながら言って、時間を見る

 朝の7時

 ぐっすり寝ている姫を寝かせたまま、部屋を出てリビングの方へ向かうと早苗さんがパジャマのままTVを見ていた


「おはようございます」

「あら、おはよう。襲えた?」

「襲いません」

「そう。私なら襲うわ」

「実の娘に何しようとしてんですか…」

「娘だけど、あの子可愛いじゃない?かなり」

「それは認めますけど、自分の娘はやめてあげてください」

「そうね。嫌われたらショックだし手は出さないわ」

「嫌われるどころじゃ済まない気がしますけど…」


 俺はソファに座り、TVを見ると、天気予報で今日はものすごく暑いことを言っている


「今日も暑くなるのねぇ…」

「仕事がんばってくださいね」

「なんでこんな暑いのに仕事しないといけないのかしら…」

「暮らすためじゃないですか?」

「智ちゃんが働いてくれたら私は助かるわ」

「俺が働いてもここにはお金は入れませんよ?」

「3年近くも育ててあげたのに?」

「それ言いますか…」

「冗談よ。もっと智ちゃんが私に敬意を払ってくれればいいわ。身体でもOK」

「あの時の早苗さんには色々お世話になったので尊敬はしてますし、感謝もしてます」

「そっ。身体はスルーなのね」


 俺は早苗さんの甘え顔をスルーする

 この人の甘え顔は歳相応じゃないから怖い…こんな人が近くにいるから姫が姫らしくなった一因だろう

 俺は横で甘え顔をする早苗さんを無視して携帯を開く

 すると画面には30件以上の着信とメールが来たことを知らせていた


「あら、ストーカーでもいるの?」

「そっちの方がまだ安心です」

「まさか智ちゃんにM属性があるなんて…」

「いや、どっちかって言うとSです」


 俺は携帯のメールを全部見ながら適当に答えて、帰らないと隼人の命が危ういことが分かった


「…そろそろ帰ろうかと思います」

「あら、そうなの?」

「はい。んじゃ姫によろしく言っておいてください」


 俺は玄関の方へ歩こうとすると早苗さんが玄関前まで付いてきた

 靴を履いて、荷物を確認してから俺は早苗さんに頭を下げて外に出ようとすると早苗さんがガシッと俺の腕を掴む


「忘れてた。これ、渡すの」


 一枚の紙を渡されて、中身をみるとメールアドレスっぽい


「これは?」

「メルアドよ」

「いや、わかりますけど誰のですか?」

「一応今は私の」

「2台目ですか」

「まぁね。登録しておいてね」

「わかりました。んじゃありがとうございました」

「いいえ~。いつでも」


 そう言って俺は人質が囚われている現場へと向かう

 今回の犯罪者はものすごく手ごわそうだ

 なんせ悪魔つきだから…



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ