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不浄のアルバ  作者: 北郷 信羅
記録
104/106

舞台展開

 これまでに、何人もの英雄が純人王国の王都を旅立った。

 彼らは幾つもの町を経由して魔法王都へと至り、魔法王国の王を討った。


 ある者は、旧都で仲間を探した。

 ある者は、鍛冶町で新たな武器を手にした。

 ある者は、港町で旅の資金を稼いだ。

 そんな英雄を人々は歓迎し、支援した。


 しかし英雄の旅路も、時を経て変遷(へんせん)した。

 魔法を打ち消す力の副次的な作用を利用して人々を支配するようになった「偽英雄」は、魔法王を討ちに行くその旅路でも人々から「支援」を奪うようになった。

 それ故に人々の間にも不満が広がり、(かつ)て魔法人を排した純人至上主義者たちの(ほこ)先は今や偽英雄にも向いている。


 英雄の旅も、恐らくこれで最後だろう。

 だからこそ、失われる前に。

 最後の英雄の旅路をここに記しておく。


挿絵(By みてみん)

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