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憧れの彼女  作者: 「」
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二人で入浴することになってしまった。

キスを拒絶してしまってからこういうことに消極的になっている。

数度断ったが、押し切れてしまってこの状況。

目の前には冬乃の後頭部。

いつもなら顎を乗せてしまうところだ、



「ちょ、やめい」

「なんで?」



向こうから密着して、柔らかいお尻で擦られる。

条件反射で下腹部に血が流れる。



「やめろって」

「気持ちよくなってほしい」

「嬉しいけど、やめろ」



暑くなる身体とは逆に心が冷えていく。

冬乃は密着したまま身体ごと振り返り、手をそっと俺のいきり立ったモノを掴み扱く。



「っ」

「ねぇ、気持ちいい? 気持ちよくなってくれたら嬉しいな」



彼女に悪意はない。

表情もにこやかで優しい微笑み。

当たり前だ。

恋人がやっていることをそのままやっているのだから。

ただ、何より手付きが厭らしく、的確に俺の弱いところを攻めてくる。

鍛えられた技術。

すぐに果てそうになるが、手を緩められた。



「?」



期待していたわけではなく、やめてくれてほっとしたのだと思う。

逃げようと湯船から身体を出すが。



「はぁ、はぁ……。はぁ、はぁ、はぁあ……かちかち」



逃げれなかった。

冬乃がバスタブの中で膝を付く、ちょうど視線の高さがそれと同じぐらいになる。



「えっちな匂いもしてる。むちゅ、じゅるる……れるる、ぴちゃ」



咥えられて口の中でしごかれる。

舌先でなぞられると腰が抜けるような脱力感が。

頭が冷静になる。

見下ろすと亜麻色の髪に隠れた彼女の顔。



「んむ。ん……れるる、びちゃびちゃ」



浴室で響く淫靡な音。

視線に気づいたのか冬乃がこちらを見上げる。

いつにも増して光悦な表情。

写真と似たような光景。

下腹部に流れた血は霧散して力をなくす。



「あ」



冬乃のきょとんとした顔に声。



「ごめんなさい。気持ちよくなかったかな……」



時間が経過したからか、それとも実物でみた濃厚なキスではなく写真だったからか、吐き気はなくただ気持ちも萎えているだけ。

幸い彼女に気取られた様子はないが、顔に薄い影が漂うのを感じる。



「大丈夫だよ。気分じゃなかっただけだから」



取り繕った言葉。

気分じゃないのは本当だ。

ただ自分で思っている以上に気持ちが萎えていくのだ。



「本当に? 私が下手だからとかじゃなくて?」

「比較対象がないからわかんないけど、気持ちいいのは本当だよ」



というより気持ち良すぎたのだ。

初めてしてもらったわけじゃない、でもあの時と比べれば表現のしようのないほど上達具合。

智明に言われた付き合い方を考えたほうがいいんじゃないかって言葉を思い出していた。

たとえ親友の俺を心配した言葉だからといって、やっぱり俺は冬乃が好きだ。

それに疑いはない。

けれど身体がついていかない。

時間が解決するのを待つしかないと思う。

こればっかりは気持ちの問題。

自分の中の整理がつけば自ずとキスも出来ると思う。

オーラルセックスはどうだろうか。

このままいけば更に技術力が上がって秒で果そうな気もする。



「春人くん、考え事?」

「ああ。よくわかるな? いつもなんか考えてる時言われてる気がするよ」

「まぁ彼女ですから!」



あまりにも大きい胸を張る。

多少動いただけなのにものすごい勢いで上下に揺れる。

見つめるつもりはなかったが自然と寄せられる。

誤魔化すように彼女の頬に触れて軽く撫でる。

冬乃は猫のように気持ちよさそう微笑み、彼女に触れている腕をそっと握り目を閉じる。

前髪をずらし形のいいおでこに口づけをする。

今はこれで勘弁して欲しい。



「いけず」

「そのうちな」




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