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憧れの彼女  作者: 「」
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ある日、ホテルから冬乃の位置情報が途切れた。

彼女の安全を願い、居ても立っても居られない状況で彼女の母親から連絡を貰った。

娘について話しがあると。

冬乃のことも気になるが、関係あることだろうとすぐに向かう。


彼女のアパートにいくと冬乃母が憔悴した姿。

眠れなかったようで目にしたに酷い隈がある。

だが俺を見つめる瞳には怒りが見え力強く感じる。



「とりあえず、上がりなさい」

「はい」



数週間振りだというのに、部屋の様子が変わっている。

ゴミがそのままにされており、食器も出しっぱなし。水に浸けてすらいない。

冬乃がバイトに風俗を掛け持ちで努めていた時のようだった。

小さなテーブルには人が生きていけるスペースが開けられている。

そこにたどり着き許可を得て座る。



「お話とは?」

「……冬乃、風俗で働いてるんだってね?」

「冬乃本人からは?」

「すぐに電話は切られて、それ以降繋がらない」



なんと答えればいいか見つからず口を噤む。

彼女が働き始めたきっかけは母親が倒れたことに起因する。

肯定するべきだろうか。

否定するべきだろうか。



「どこからその話しが?」

「知らない男が固定電話に、それとこれが郵便で」



投げ捨てるように差し出される写真たち。

テーブルに散らばった写真からは全て冬乃の姿が見える。

その中には冬乃が務めるお店と思われる場所に出入りしている瞬間の写真が数枚あった。

動画を一部分を切り抜いたような隠し撮りもあった。

男の顔はマジックで黒塗りされており確認出来ないが、冬乃が下着姿でその男の股の間に入り込み顔を埋めている。

アングル的にモノは見えないが咥えているところだろう。

捲っていくとより過激になった冬乃の痴態が晒されていく。

どういうことをしているのか理解していた。

大多数の男は性の目覚めから知識として知っていくことになる。

通うかどうかはそれぞれだが。

そういう仕事とは知っているが……。

胃からなにかこみ上げてくるものがあるが、浅い呼吸を繰り返し押し込んだ。

前にも冬乃と二人で話し合ったことでもあるが、それとは違う感情。


いや、今はよそう。

顔に出てないか心配になったが冬乃母はこちらを睨みつけたまま。

人を気にかける余裕すらないということなのだろうか。



「言ったわよね? 冬乃をよろしくって」

「あの」

「言い訳はいいわ。貴方が冬乃をしっかり見てないせいで、それとも貴方の差し金?」



勘違いされているが、聞く耳を持たない。

俺を攻めることで自我を保っている?

そりゃそうか……。

大事な一人娘が男に喰い物にされているのだ。

俺が思うよりも辛い境遇。

親にしかわからない悲痛。



「真面目で優しいあの娘が自分からそんなところで働くはずないもの」

「……」



誤解を解くつもりも現実を突きつけるのも、もう考えていなかった。

親子だからだろうか、危うさが目立つ。

唯一の心の支えが冬乃なのだろうということがわかる。



「どうしてくれるの?」



両手で胸ぐらを掴まれる。

簡単に振り払える力。

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