表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
憧れの彼女  作者: 「」
35/53

最初は男から距離を起き、みんなの安全を確保することを優先。

風俗嬢に恋をするなんて馬鹿げた話を時間の経過とともに冷静になるかと思ったけど、どうやら本気のようでそれも無理だ。

どこに行ってもストーキングしてくる時点で破綻している。

次に考えたのは事実を突きつけて拒否すること。

普通の恋愛だって告白を通して想いを伝え恋人関係になる。

ならば断ってしまえば終わり。

初手から頭のおかしい人だったのだ。

人間のコミュニケーションができるとは思えない。もちろん失敗。

ストーカーに強姦未遂。

犯罪者の情に訴えかける、自分の考えが甘いとしか。

お金を渡してなかったことにも出来ない。

警察に相談するのが一番のやりかただ。

だけど私は母親に知られるのが一番怖い。

お金がないなか大事に育てられてきた、そんな母に恩を返したいし大事にしている。

だが途方にくれた。

どうするべきか考える。



風俗嬢として働いてるから、

他の人より稼いでいるから、

私は大人だと思っていた。

店に来る大人の男たちを手玉にとりお金を稼ぐ。


その実ただの子供だった。

お金を持っているだけの子供。

自分の力だけではなにも出来ない。



布団に包まり丸くなる。

春人くんに会いたいなぁー。

夢のでの私は彼に抱きしめられて、いつもようにやさしく頭を撫でてくれていた。




                ※




ぐっすり眠ってしまったみたいで翌朝になっていた。

髪もぼさぼさだが顔も酷い。

携帯が鳴っている。

耳障り。

春人くんなら嬉しいけど、会わせる顔も声もない。

香ちゃんなら新しい情報かもしれない。

宮下君は掛けてこなさそうだ。

職場からは別に携帯に掛かってくる。

這いずるようにスマホを手に取る。


『お母さん』


珍しい……。

高校生までなにかあれば電話くる。

けれど大学に入ってから一度もなかったし、休学してからはもちろん掛かってくることはなかった。

いつか感じた嫌な予感が蔓延る。



「もしもし、お母さん……?」

「冬乃、今いい?」

「うん」


「あなた風俗で働いてる本当?」



電源を切ってスマホを投げ捨てた。

取らなければよかった。

でも結局母が知ってしまった事実は変わらない。



あぁ。

神様。やっぱり嫌いです。


無駄な努力だと思う。

結局私一人じゃなにも出来ないことが明らかになっただけだ。

風俗嬢になった後でも前でもいい子であろうとはしてた。

もういい。

どうでもいい。



母とちゃんと話す道もあったのだろう。

私は選択を誤った。

思考と負の感情がごちゃまぜになった泥の中に沈む。

この泥の中で分解されて消えてなくなってしまったらどれだけ楽なのだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ