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香ちゃんに連絡を取り、春人くんの状態を確かめてみた。
彼に口止めされて言わなかっただけでどうやら事実らしい。
周りからは穢らわしい物を見るような視線、陰口を叩かれることも頻繁になっている。
寝取った女に貢がせていい生活をしている糞男というレッテル。
これは私が彼に様々のブランド物を送った。
彼は喜んで普段から身につけてくれているからだけど。
プレゼントした私は嬉しいことだった。でも、今はそれが逆にその噂を真実味にあるものに変えてしまった。
なにより酷いと思ったのは、春人くんが学食でカレーを掛けられた。
あくまでも事故ということになっているが、傍から見ていた宮下君からは故意的だったらしい。
本人はまったく気にしてないらしいのだが、私のことを心配しているとのことだ。
まったく春人くんらしい。
だけど私は悔しさ自己嫌悪でその日は一日中泣いてしまった。
私が原因で彼に酷いことが起きている。けれど、私は男から逃げるばっかりで春人くんを慰めることも出来ずに謝罪すらできていない。
電話をしようと思った。
でも、何になるだろう? ただの自己満足にしかならいとわかっていた。
彼の返答も慰めと心配の声。
携帯に来るメッセージも怖くてみれていない。
しかし、どうしてこんな噂が広まったのが疑問だったのだけど、どうやら高橋遊という男は大病院の医者の息子で成績が良く外面だけは良いらしい。
ある意味ブランド力でまわりを信用させている。
ただ彼を良く知る人物はからすると医学部にもいけない落ちこぼれという評価だった。
さらに疑問が浮上する。
そんな男がどうして私を付け狙うのだろうかと。
私だから分かることだけどお金の魔力は強い。
医者の息子ということならばルックスを抜きにしても近寄る女の子は多いはずだ。
その答えを私はすぐ知ることになる。
「また……」
ため息がでる。
離れた地区のホテルに変えてもこの男はやってきた。
時間をずらして夕飯を食べにきたのにも関わらずだ。
ずっと待機してたのかな。
「待ってたよ冬乃」
「その行動力別のところに使ったらいかかですか?」
「自分の女のために動くのは当たり前じゃないか」
「それはそうですけど、私は貴方の物になった記憶はないのですが」
「何をいっているんだい? 僕と冬乃は愛し合ったなかじゃないか」
大丈夫だろうかこの人。
大丈夫じゃないからこうなってるのか……。
私は普段から人を悪く思うこともなければ言うこともない。
だけど流石に嫌悪感がすごい。
「仕事で抜いてあげただけです。本番行為もありません。どんなプレイをしたのか覚えていませんが、素股ぐらいなのでは?」
「でも僕のテクニックで気持ちよさそうにしてし、僕のこれを美味しそうに咥えてくれたじゃないか? 」
「そういう仕事です。好き好んでやりません」
「でもあの間男には」
「春人くんは大好きな彼氏です」
どこかで覗かれでもしたのかな……。
マンションまで付けてきたのだからあり得る……。
「聞きましたよ。貴方医者の息子さんなんだって、私に執着しなくて彼女の一人や二人つくれるんじゃないですか?」
「あぁ、僕はお金に寄ってくる女どもが嫌いなんだ。明るい髪に短い丈のスカート、見てくれは良くても性格がブサイクだ」
「私も似たようなもんですけど」
「冬乃は違う! 君はあの男にだまされてるんだよ。性格は最高だよ。ただ見た目が地味だけど輝く物をもっているよ。僕が変えてあげる」
この男は私の何を知っているのだろう。
性格の良さなど人と長いこと付き合ってきて知れるものだ。
私は酷い女だ。
大好きな彼氏をほっといてこんなところにいるのだから。
「結構です」
「綺麗なロングも黒髪じゃなくて明るい感じに染め上げてさ、おっぱいも大きいからもっと露出したほうが」
「結構です!」
「なんだよ彼氏の言うことが聞けないというのか」
言う事を聞かない、聞く理由がない私に激怒したのか男は私ににじり寄るとまた暴力を振ろうとしてくる。
右手をポケットにいれて防犯グッズの用意をしておく。
いっそここで殺せたら楽になる。
ドス黒い想いが膨れ上がるが、そんなことをしてしまえば迷惑になる人たちがいる。
「わかってますか? 繁華街でなくともそれなりに人がいますよ?」
「ちっ わかったよ。調教はそのうちな、僕の言う事を聞かなかったこと後悔させてやる」
男は苛立ちを隠さず去っていく。
少しあの男を甘くみていた。
ここまで話の通じない人間だとは思わなかった。




