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集団転送で異世界へ。 ~神の気まぐれによって?異世界生活~  作者: 武雅
本編

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砂漠を越えるすべ、と防衛のすべ

250日目


偵察に出ていたイルチ達の報告を聞くと、このままでは防塁を突破される可能性が高いという危機感が高まってきます。


イルチ達が調べた結果、魔物が砂漠を越えるのを可能にしたのは単純におびただしい数の魔物が砂漠を進み、そして途中で力尽きた魔物を生きている魔物が喰らう、それの繰り返しで砂漠を越えて来ているとの事でした。

そしてそれに加え、生き物に絶対的に必要な水、それを生み出す魔物が居る事も判明しました。


食料は魔物の死骸、水分は水を生み出す魔物から、確かにこれなら砂漠を越えられるよね。


そして一番問題なのが、イルチ達が目にした大型の魔物、それも人型や獣型など複数の魔物が居たとの事で、その中には明らかに頭部が硬そうで突進力に優れていそうな魔物も多くいたとの事です。


う~ん、そんな魔物が突っ込んで来て防塁を崩した後、魔物が一気に押し寄せたら防ぎきれんよね。

他のも大型の魔物も居たって言うし…。


うん、ダダルインさん達に報告をしよう、そして対策を考えよう。


「それでマサト殿の報告によると、魔物が砂漠を越える事が出来るのは、共食いと水を生み出す魔物、その2つが原因であると、その上、砂漠には大型の魔物の存在も確認されそれが押し寄せてきた場合は防塁を守り切れる保証が無いという事だが、各々、なにか対応策などはあるか?」


そう指揮所に集まった指揮官クラスの人達を前にダダルインさんが口を開き、意見を求めます。


とは言え全員がこのような事態に直面するのが初めての上、いきなり対応策などを求められても意見など出る訳がありません。

指揮所には沈黙した時だけが流れます。


「マサト殿、大型の魔物が防塁に到達するのは何日後ぐらいになりそうなんだ?」

「偵察に出したサンダーウルフの報告だと、普通に歩いて丸1日の距離には居るそうですよ。 とは言え何か防塁に向かって進んで来ている訳でも無く、現時点で動きは止まっているようですが」


「動きが止まっている? それは様子を伺っているという事か?」

「それは分かりません、ただ報告によると防塁目指して歩を進めてる訳では無く、魔物が集まって来ている状態だそうです。 可能性としては指揮を執る魔物が居るのかもしれませんね」


「指揮を執る魔物だと? 確かに上位種が下位種を従える事はあるが、種族も違う魔物を、それも複数種を従えるなど聞いたことは無いぞ?」

「まあ、そのあたりの事は異世界人の自分には分かりませんね、なんせ日本には魔物が居ませんから。 ただ知性がある魔物がモンスターテイマー的なスキルを身に着けたとしたら可能性はあるかもしれませんよ」


「モンスターテイマー的なスキルか…。 確かにそれなら辻褄が合うが、目的が分からん、なぜ魔物は群れを成し砂漠を越えようとするのだ? 砂漠の向こうの大地は広大な土地が広がっていると言う話だぞ?」

「それは、魔物を纏めている魔物に聞かないと分からない事ですね、とは言えネレースに聞いた話ですけど魔物ははるか昔、人間に作られた存在らしいですし、人型の魔物は実験により人間を魔物にしたそうですから人間みたいに支配欲があってもおかしくないかと」


「ネレース様がそのような事を、俄かには信じられない話だが、それが本当なら人間と同じような欲望を持った魔物が居てもおかしくは無いか…」

「まあ、魔物を指揮する魔物が居ると言うのは推測ですから違う可能性はありますけど、現時点ではそう考えていた方が良いかもしれませんね、実際、統率が取れている感じですし」


そう自分が言うと、ダダルインさんをはじめ指揮所の人達が黙り込み、そして思案顔になります。


まあそうだよね、複数種の魔物を指揮する魔物って、自分も初めて聞くし、何より目的が分からない。

魔物が人間みたいに国を作る目的があるとも思えないし、人間を食料とみなしているにしても、砂漠の先にある大地にはほぼ人が足を踏み込まないから人の味を覚えるとは思えないし。


まあ目的が分かってもどうする事も出来ないし、とりあえずは現状どうやって防塁を死守するかだけど…。

さて、どうしたもんかな。

そう自分は思案をしていると、ダダルインさんが質問をしてきました。


「マサト殿、ゴブリンを率いて攻込んだら魔物を砂漠の向こうに押し返せますか?」

「う~ん、どうでしょう、数的には砂漠に居る魔物の方が多いですし大型の魔物の居るとなるとかなり厳しいと思いますね、それに足場が砂ですからその辺も考慮すると無駄に攻めかかっても大損害が出るとしか思えませんが…」


「数の問題に加え足場も考えないといけない訳ですな、確かに砂漠の砂に足を取られ慣れないと踏ん張りがききませんからな、そんな状態で攻めかかるのは難しいですな…」

「ええ、魔物に餌を与えるような物ですね、それよりも防衛線を下げて防塁の内側で殲滅を試みるとかは出来ないのですか?」


「それはかなり厳しいですな、この防塁を越えたらもはや魔物を遮る壁はありませんので」

「じゃあ作ったら? それなら突破された後内側で殲滅できますよね?」


「確かに理論上ではそうだが、今から防塁を作るなど不可能だぞ、魔物が待ってくれるとは思えんし」

「まあそうですよね、急造で防塁を作るのは良いとして、広い防塁の何処を目指して魔物が襲って来るかなんですよね」


「防塁を急造で作る! そんな事が出来るのか?」

「まあ自分の能力なら可能ですけど、長い防塁は作れませんから一部になります。 あとは魔物がその二重になっている防塁を襲ってくれれば防げる可能性はあるんですけどね」


「異世界人はそんな事も出来るのか、だが魔物を二重になった防塁に向かわせるのは至難の業だぞ」

「そうなんですよね、防塁のどの辺を襲うか、こればっかりは魔物に聞かないと分かりませんから、ただ確実ではありませんが少し気になったことがあるんでもしかしたら誘導できるかもしれませんよ?」


そう言って防塁の地図を眺めながらダダルインさんをはじめ指揮官クラスの人達に説明を始めます。


「自分がここに来てから何回か襲撃がありましたが、毎回魔物が押し寄せる防塁の場所はバラバラです、仮定としてですが、もしかしたら魔物が突破しやすい場所を探しているとしたら?」

「まさか、魔物がそのような事を考える訳ないだろう!」


「まあ普通に考えたらそうですが、現時点で魔物が1日の距離に集結しているのに日々数回襲って来る魔物は大体50匹程度、それも毎回襲う場所は違う、そうなると探っているとも考えられます」

「そう言う考え方も出来るか、だが襲ってきている魔物はすべて殲滅してるぞ、攻めやすい場所があったとしてその情報を誰が…」


「まあこれも調べないといけませんが偵察している魔物が居て報告をしていれば毎回の襲撃で守りの弱い部分を調べる価値はありますよね?」

「そういう事か、確かに筋は通っている、後は確証が欲しいとこだな」


「まあその辺は次に魔物が襲って来た時に注意して魔物の動向を探るしかないですね」

「だが、マサト殿が言っている通りだったら攻め込ませる防塁を絞る事は出来るぞ、魔物が偵察で襲ってきた際に防塁を一時的に突破させるなり、防塁を破損させればそこに向かって魔物の群れが来るだろう」


そう言って全員で防塁の地図を眺めながら、防衛に適した場所などを話し合います。


結果として防塁を増設する場所は、現在ある防塁の中間地点にある門を中心に作るカタカナのコの字のような防壁を作ります。

うん、二重の防塁と言うより、入り口しかない虎口を作る感じです。


「マサト殿、これでは人の出入りが出来なくなりますぞ?」

「まあ今回だけの為に作るんで、終わったら門を備え付けるなり破壊するなりすればいいと思います、あとは魔物にこの門が突破しやすいと思わせて襲い掛からせれば、門を抜けてこの中に入った魔物を四方の防塁の上から攻撃して殲滅するだけです」


「う~ん、確かに、このような造りの防塁は初めて見るが確かに門を突破し中に入ったら逃げ道が無いから一方的に攻撃が出来るか」


そう言ってダダルインさん達は地図を覗き込みなにやらシュミレーションをしています。


「それでマサト殿、この防塁はどのぐらいで完成するのだ?」

「まあ今から作り始めて、明日の夕方までには完成しますね、 あと外からの攻撃要因としてゴブリン軍団を出せる門でも作りたい所ですが」


「門か…。 一時的に使用するのであれば後で修復してくれれば構わないが、そこから魔物が入り込むと厄介だからな、その辺の注意が必要だぞ?」


ダダルインさんはそう言いながらも、魔物が攻め込んできた際にゴブリン軍団が出撃する為の門を作る事を認めてくれます。


うん、大体方針は決まったよね。

じゃあこれから石造りで出口の無い枡形虎口を作ってその後はゴブリン軍団出撃用の門作りだな…。


さて、ちゃっちゃと頑丈な枡形虎口を作りましょうかね。


そう呟きながら指揮所を出て予定の場所に向かいます。

うん、石材は沢山あるし、これが片付いたら戦利品として魔石を貰うって言っても文句言われなさそうだし。


まあ良いことづくめかな?



どなたかレビューを書いてくださる猛者は居ませんでしょうか?

と思う今日この頃…。 自分でもこの物語のレビューをうまく書ける自信がありません。


そんな中でも読んで頂き、ブックマーク・評価、また、感想を頂き誠にありがとうござます。

拙い文章・誤字脱字が多く読みづらく申し訳ございません。

あと、図々しいお願いではございますが、評価頂ければなお幸いでございます。


また、誤字、気になる点のご指摘等誠にありがとうございます。

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