火種
グランバルさんから渡された報告をまとめた書類に目を通します。
「グランバルさん、このパルン王国で民衆の反乱が起きてるって、何で反乱なんか起きてるんですか?」
「その辺は今詳細を調べさせているが、どうやら日本人が反乱の首魁らしい」
「それにしても反乱って、そんなに治安が悪かったり、反王国勢力が跋扈している国なんですか?」
「いや、今までそう言う話は聞いた事は無いが、貧富の格差はあるな、だが、どちらかと言うと海洋国家で交易が盛んだから、荷運びなど仕事はいくらでもあるし、生活に困るような国じゃないはずだ」
そう言ってそれ以上は分からないとグランバルさんは言ってますが、パルン王国って確か野田課長達が向かった国だよな…。
引き抜かれて向かった国で反乱が起きるってあの人達どんだけ負のスパイラルに陥ってるんだか。
そう思いながら、グランバルさんには追加情報が来たら教えて欲しい旨を伝え領主館を後にして自宅に帰ります。
うん、タロイマンさんや兵士の皆さんとゾルス達は明日迎えに行くとして、今日は風呂入って寝よ。
196日目
昨日グランバルさんに兵士の帰還させるように依頼をされたのでべロイニレスの町まで転移魔法でゲートを開きお迎えに向かいます。
昨晩は町をあげての宴会だったのか道にはゴミが散乱し、所々に酔っ払て道端で寝込んだ人達が散見されます。
領主館に向かい、明らかに二日酔いで顔色の悪い領主のタステイさんにタロイマンさんや兵士を迎えに来たと伝えて、兵士が駐屯する所に向かいます。
「マサト殿、帰還のゲートを開いてくれに来てくれたのか?」
「そうですけど、どう見ても皆さん二日酔いですね…。 まあゲートを通ればすぐにプレモーネですからとりあえずプレモーネに戻って二度寝してください」
「いや、兵たちはそうだが私はそうもいかんだろう、グランバル様に報告もあるしな。 とりあえず顔を洗って目を覚ましてくるから暫く待ってくれ」
そうタロイマンさんは言うと、井戸の所に行き顔を洗い支度を整える始めます。
暫くして、兵士達も帰還の準備を整え始めますが、なんか勝利者なのに元気がないですね。
うん。
皆さん調子に乗って飲み過ぎですよ。
そして準備が完了したのでゲートを開き兵士さん達をプレモーネに移動させます。
見送りは無い寂しい帰還ですが、被害も出ていないので皆さん心なしか足取りも軽いようです。
プレモーネに戻ると兵士さん達は解散し、一部の指揮官クラスとタロイマンさんは領主館に向かいます。
さて、自分はゾルス達の所に行こうかな。
そう思いながら、転移魔法でゲートを開きゾルス達が野営している所に向かいます。
「おはよう、魔物の様子はどんな感じだった?」
そうゾルスに確認をすると、昨晩から今朝にかけては特に問題も無く、アルチ達の報告でも街道周辺にもウェアウルフの残党は見当たらないとのことでした。
「じゃあとりあえず往来の安全は守れそうだし、二ホン砦に戻ろうか」
「かしこまりました。では準備をさせます。」
ゾルスがそう言ってゴブリン軍団に指示を出すと、ゴブリン達がキビキビ動き帰還の支度をしていきます。
ていうかどっかの二日酔い部隊に比べてなんか練度が全然ちがうような…。
そんな事を思っていると、帰還の準備を整えたゴブリン達が整然と隊列を作り整列をしています。
「じゃあゲートを開くから順番に移動をしてね」
そう言うとゴブリン達が整然とゲートをくぐり二ホン砦に戻っていきます。
さて、ホブゴブリンに進化したのが多いから武器や防具も量産しないといけないし、やる事多いな。
そして砦に戻り、先に帰ったバルタに騎馬軍団の進化状況を確認すると、ゴブリン達は全員ホブゴブリンに進化したようですが、グリーンフォースは魔石が足りず半数程しか進化をしていないとの事です。
「まあ1か所魔石が余ってそうな場所に心当たりがあるから今度仕入れて来るよ」
その後ゾルス、バルタ、ロゼフ、ハンゾウに再度の編成と今後、今回のようにゴブリン達より強力な魔物が相手の場合に対抗する為の戦術研究を指示ててプレモーネに戻ります。
プレモーネに戻り、月山部長に今回の報告をしておきます。
「それにしても、そんなに強力な魔物の大群が襲って来るとは…。 城壁が無ければひとたまりも無いな」
そう言って月山部長は腕を組んで天井を見上げます。
「そうですね、今回は城壁をよじ登れない魔物でしたんで良かったですが、バイルエ王国のように芋虫とかだと城壁を登ってきますから厄介ですよね。 数が多いと気持ち悪いですし」
「まあ気持ち悪いのは確かだが、城壁を登る魔物は脅威だな。 何か対策を立てないと、このプレモーネの問題と言うよりも日本人の安全に関わって来るからな」
どうやら月山部長の心配は日本人の安全の為のようですが、まあその辺は気にしないでおきましょう。
「それで話は変わりますけど、グランバルさんから聞いた話ですが、野田課長が向かったパルン王国で民衆の反乱が起きているようです。 まああの人達の事ですから巻き込まれていないと思いますが、一応報告までに」
「反乱? それは穏やかじゃないな。 そのパルン王国と言うのはそんなに治安が悪い国なのか?」
「グランバルさんの話では海洋国家で交易で栄えているとの事です。 ただ貧富の差はあるみたいですが、働き口は沢山あるようですので生活に困る人は少ないようですけど」
「では何でそんな国で反乱が起きるんだ?」
「まあ不確定情報ですが、どうやら反乱の首謀者が日本人との噂があるようです。 一応グランバルさんには情報収集をお願いしてるので今後詳細情報が入って来るとは思いますが」
「そうか、情報が入ったら私にも教えてくれ」
そう月山部長は頭痛の種が増えたと言わんばかりの様子でコーヒーを口に運び気分を落ち着けている感じです。
「それで武内君は次に日本政府と接触するのはいつ頃にするつもりなんだ?」
「そうですね、まあ明後日ぐらいに一度接触してみようかと思います。 多分ダメと言われるでしょうけど、欲しい自衛隊装備があるんで」
「欲しい自衛隊装備?それはなんだ?」
「まあ火力支援車両的な? よくテレビとかで見る装甲車に機関銃が搭載されているやつですね」
「そうか、確実に断られると思うが…。 確かに大量の魔物には有効かもしれんな」
「やっぱりダメですかね?」
「そうだな、日本じゃなければ可能だろうけど日本はその辺の管理が厳しいだろうし、我々自体が警戒対象のような感じだからなおさら無理だろう」
そう月山部長が即答しましたので恐らく無理なんでしょう。
その後は雑談をしながらのんびりとした時間を過ごし相談所を後にします。
じゃあ次はバイルエ王国に行こう。
そいてゲートを開き首都ドイルズに行きロ二ストさんに面会を申し出ます。
もはや顔パス状態と言うのでしょうか、警備の兵士さんに声をかけると、即王城の応接室に案内されます。
「これはマサト殿、今日はどの様なご用件ですか?」
「それなんですけど、この前の芋虫の大量発生で魔石が溢れて値崩れを起こしてるだろうと思って買いに来たんですけど、売って貰えますか?」
「魔石ですか? 確かに値崩れを起こすので現在は国が保管していますが、いかほど購入を希望されるので?」
「そうですね1万個でも2万個でも買いますけど、反対にどのぐらい売ってくれますか?」
「ははは、マサト殿に反対に質問で返されるとは。 まあさして魔石も大きくなく利用価値も低いですから買い取っていただけるのは大変助かりますな」
そう言ってロ二ストさんと魔石の売買に関して話を詰めて最終的に1万5千個程を購入する事になりました。
既に1000個単位で纏めて保管されていたようで引き渡しはスムーズに終わったので、土田の近況とパルン王国の情報を収集します。
「ツチダ殿は今ロニーニャ領との国境の警備に向かっておりますが、聖女ステレーネ殿との関係は進展なしですな。 私も見ていてもどかしいぐらいです」
「ああ~やっぱり、手を繋ぐのがやっととか言ってましたもんね」
「ええ、こちらで用意した同じ屋敷に住んでいるのに未だに手を繋ぐだけですからな…。 ステレーネ殿もまんざらでは無いようですので男なら寝所に行って押し倒すぐらいはして貰いたいものです」
「確かに。あんななりで意外と奥手とか笑えますよね。 それに今後ウェース聖教国を併呑する際にステレーネさんが重要になるんでそれまでに土田の女になっててもらいたいもんですが」
そう言ってウェース聖教国を併呑する計画を話しながらしばらく雑談をしつつ、パルン王国の情報も聞いてみますが、国境を接していない分、情報があまり入ってきておらずグランバルさんの所の来た情報と同等の無いようでしたので、ロ二ストさんには情報収集をお願いした後にプレモーネ戻ります。
パルン王国の反乱の件がすごく気になるんだよね。
反乱の首謀者が日本人とか噂あるし、未だに自分の順位は2位だし。
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拙い文章・誤字脱字が多く読みづらく申し訳ございません。
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