ウェース聖教国の混乱
163日目
昨晩は自宅から土田を追い出し宿にでも泊まらせようと思ったのですが、つい帰還について話合って遅くなったため、仕方なく空いてる部屋に泊めたのが失敗の始まりでした。
「おい、武内、マットレスとベッドまだあるんだろ?ワンセット売ってくれ、いやむしろ金が無いからくれ!!」
そう言って朝食を食べながら日本の寝具の寝心地を堪能した土田が頼み込んできます。
「まあいいけど、高いよ?金がないなら体で払って貰う事になるけど?」
「いや、俺は男とはちょっと・・・・・。ていうかそう言う趣味があったのか・・、いや今は多様性の時代だからな・・・。」
「おい!どうやら君は手ぶらでバイルエ王国まで歩いて帰りたいようだな・・・」
「いや、まて、いきなり体で払えってそうなるだろ!軽い冗談だって」
「まあいいけど、ていうか個人的には自分の為にプレモーネで大人のお店も運営したい所なんだが月山部長とか色んな人から絶対に反対されるだろうから諦めているぐらいなんだぞ、コッソリと計画は進めてるけど・・・・」
「大人のお店か・・・確かに、転移した人に自活をとか言っている人間が大人のお店運営とか言えないよな・・ていうか計画進めてるのかよ」
「まあそうなんよ、転移されたのが自分だけだったら真っ先にオープンさせてるんだけどね、とは言えエアーマットの代わりとかは何とかなるんだけどローションの在庫がね・・・この世界で代用品を見つけないといけないし現状ハードルがあるんよね・・・肌に良いローション的な物見つけたら教えてね?最悪人体に害がなければいいから」
「えっ?武内が考えてる大人のお店ってそう言うお店?お姉さんが横に座ってお酒を飲む店じゃないの?」
「いや、その程度ならたいして反対もされんだろう。てかそんなの大人のお店じゃないし、自分がやりたい店は大人のお風呂屋さんだぞ?それも0.00ミリ対応で・・・。だからローションが大量に必要なんだよ」
「うわぁ!ひくわ~、異世界に来てそんな事考えてたのかよ。俺はてっきりキャバぐらいだと思ってたのに・・・」
「土田は中州や熊本の中央街を経験していないから大人のお風呂屋さんの素晴らしさを知らんのだよ、日本帰ったら、大体6.7万あれば足りるから行ってくるべきだね。因みに熊本の方が安いよ」
「いや、そんなに金を使うなんて考えられんよ・・、ていうか金額とか無駄に詳しいな・・・・。それと話が全く持って逸れたんだが、ベッドとマットレスはくれるのか?」
「あげるけどさ、とりあえず今後こき使うよ?色々と国を跨いで活動できるレベルが高い人材が居ないし・・・」
「それは構わんぞ、どうせ帰還に関連する事や貿易関係だろうからな、ただし倫理に反する事はしないぞ?」
「まあそれはいいよ、ただ大人のお風呂屋さんには協力してもらうぞ。ていうかこの世界に来て土田も自分も人を殺してるんだから倫理も何もないだろう、まあ罪もない人を殺せとか村を焼き討ちしろとかは言わんよ」
「それならいいが、それとステレーネさんの事だが、本当にどうするんだ?バイルエ王国では来賓扱いの待遇をしてるがいつまでも来賓扱いも出来ないんじゃないか?」
「まあね、自分的には本気で土田と結婚でもすればいいと思ってるんだけど、ていうかウェース聖教国内のゴタゴタの詳細は聞いたの?」
「ああ、聞いた、かなり危険な状態だったらしいぞ?ステレーネさんを逃がすために何人も殺されたらしいし」
そう言って土田がウェース聖教国で起きた事を話します。
どうやら、発端は自分が自身の目と耳で見聞きして判断されるべきことだといった事に端を発しているようで、使節団が教国に戻った後、ステレーネさんは、今まで自分に自国の状況や隣国の情報を伝えていた人達ではなく、反対にそれらの人と仲の悪そうな人たちに話を聞いてまわり、それに加えて、癒しと施しの名目で町に出て町の人と交流を持ったそうです。
その中で自分が今まで聞かされていた事が全く事実と違う事に驚愕をし、そして自身の視野の狭さを恥じていたそうです。
ただ急にそんな事をしだしたステレーネさんの行動はすぐに教皇を始め教国の幹部の耳に届きそれに伴い監視も強化されていったようで、すぐに何をしているのかがばれたようです。
案の定、ステレーネさんは軟禁状態になり、一部の教国幹部と身の回りの世話をする人以外との接触するすべは絶たれ真実を聞く事も出来なくなったそうです。
ただそうなった事で、危機感を覚えたのが、今の教国幹部のやり方をよく思わない純粋にネレースを信仰する司教や司祭たちが、身の回りの世話をする侍女などを介して情報を流していたようですが、その動きもすぐに察知されそうになったようです。
そこで一部の強硬派がステレーネさんを軟禁状態から解放し現在の教国幹部を断罪するための旗頭にする為に動き出したのですが、教国幹部の予想通りだったのか、こうなる事を狙っていたのかは不明ですが即座に反乱分子は拘束されましたが、拘束を免れた一部の強硬派が強引にステレーネさんを大聖堂から連れ出して町に匿った事で騒ぎが大きくなったそうです。
その後、教国は町や村に兵を派遣して血眼になってステレーネさんを探し、疑わしい人は片っ端から拘束し拷問にかけるなりしている時に、魔物の大量発生が起きたそうで教国の混乱に拍車がかかったようです。
とはいえ、探索の手がかなり迫っていたそうで、強硬派の人が足止めをしているうちに何とか町を抜け出しバイルエ王国まで落ち延びて来たとの事です。
その後も追手が数回襲って来たそうでバイルエ王国の首都ドイルズに着いたときには侍女3人と護衛が2人だけだったとのことでした。
「やっぱりこうなったんだ・・・。それにしてもステレーネさんは猪突猛進タイプだね、もう少し慎重にすれば違う形になってたかもしれないのに」
「ていうか分かってたならその辺もステレーネさんにしっかりと伝えておけよ!一歩間違えたら殺されてたんだぞ!!どんだけ血が流れたと思ってるんだよ!」
「まあね、世間知らずのお嬢さんって事は分かってたけど、ここまで後先考えずに行動するとは思ってなかったし、まあ結果から考えれば悪い事ばかりではないし、ウェース聖教国をまともにする為の礎が出来たと思うしかないでしょ」
「礎?どういう事だよ、バイルエ王国にウェース聖教国を滅ぼさせるつもりか?」
「いや、確かにウェース聖教国は滅んでもらうけど、教会は存続してもいいと思うし、それに教国に住む人達の多くがそれを望むでしょ?だから結果として教会は存続するけど国土は譲渡してもらう形をとる訳よ、そのためにはステレーネさんの存在が必要不可欠」
「お前、ステレーネさんを道具にするのか?そんなの許されるわけないだろう!!」
「じゃあ土田はウェース聖教国がこのままで国民をろくに守らないで塗炭の苦しみを与え続けさせるのは問題ないって言うの?自分的にはバイルエ王国とドグレニム領で分割して治める方が国民も喜ぶでしょ」
「それはそうだけど・・・侵略には変わりないだろう、とはいえ確かに今のままじゃ国民は苦しむだけだしな・・。」
「まあその辺はどうせ自分達が計画を立てても実行するのは国だからね、悩むだけ無駄だよ、ただ実行に移した際迷わない様にしとけばいいんじゃない?」
「そうだな、考えておくよ」
「うん考えといて、ウェース聖教国の分割とステレーネさんとの結婚の話をね」
「分かった・・・ていうか結婚の話は関係なくない?ていうか結婚したら日本に帰れないじゃん!」
「まあその時はこの世界の住人になるか、ステレーネさんを日本に連れて帰れば?国籍とかその辺は日本政府が何とかしてくれるでしょ」
「そうか、確かに何とかしてくれそうだよな・・・・、って結婚前提かよ!」
そう言う土田ですが意外と満更でもなさそうなので今後も折を見てステレーネさんをおススメしときましょう。
うん、だって自分はあんな世間知らずなうえ猪突猛進タイプの人は嫌だもん・・・絶対愛情も重たいはずだよ・・・。
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