スケルトンの襲来
暫くすると森の中から火の明かりに照らされたスケルトンが溢れるように出てきます。
最初はカウア達ミノタウロスがバトルアックスで薙ぎ払うようにスケルトンを粉砕していきますが、現れる範囲が広い為、10匹のミノタウロスが暴れたところで多少数は減らせても多くのスケルトンがカウア達の間をすり抜けてこちらに向かって来ます。
どうやらスケルトンの動きは緩慢で近くに居る命ある者に襲い掛かる感じのようです。
予想ではカウア達がスケルトンに群がられると思っていたのですが、スケルトンはカウア達ミノタウロスが目に入らないような感じで布陣をしているこちらに向かって来ます。
「ゾルス、バルタ、どう思う?カウア達に群がるどころかむしろ無視してスケルトンがこっちに向かってくるんだけど・・・」
「そうですね、確証は無く可能性の話ではございますが、我々眷属は一度死んでおりますので命ある者とは認識していないのかもしれません」
「まあ確かに、その推測は正しそうだね、まあそれが分かった所でどうにかなる問題でもないんだけど、とりあえず、2つに分けた隊のうち一隊を、ドグレニム領の兵士が押し出したらそれに合わせるように押し出させて、一通りスケルトンを押し込んだら速やかに引いて再度引き付けてもう一隊が押し出す感じの繰り返しで数を削って」
「かしこまりました。では私とバルタで一隊ずつ率いて交互に押し出します。」
そう言ってゾルスとバルタはそれぞれが指揮する部隊の元に向かいます。
「ハンゾウは遊撃にあたって、ゴブリン、人間どちらでも危ない方を援護してあげて」
「かしこまりました」
そう言うとハンゾウは自分の部下のゴブリンを率いてゴブリン軍団とドグレニム領兵の間に陣取ります。
その間もスケルトンたちは歩みを止めず歯をカチカチ鳴らしながらこちらに向かって来ます。
最初に動いたのはタロイマンさんの指揮するドグレニム領の兵士です。
それに合わせるように冒険者も前進しスケルトンに向かっていきます。
ゴブリン軍団の1部隊を率いているゾルスも併せて前進し戦闘が開始されます。
とはいえ動きも緩慢なスケルトン相手の為、迎撃側の人間やゴブリンはスケルトンを粉砕して行きます。
森の近くまでスケルトンをなぎ倒し、粉砕をしながら前進をしたら一旦後退し森からスケルトンが一定数溢れてきたら再度押し出して粉砕するを繰り返します。
うん、このままこのペースを繰り返せれば大した被害も出さずに済みそうだな、そう思って観戦をしていて思ったのですが、うちのゴブリン軍団がスケルトンを倒したら魔石を拾い食いしているんですよね・・。
まあダメとは言わないけどさ、もう少しお行儀よくしようよ・・・。
そう思いながら5度目になるスケルトンへ向けての前進を眺めていると、ふとした違和感が出てきます。
中央に陣取るドグレニム領兵の前進が鈍っているように感じます。
その後も6回、7回と見ているとやはり、明らかにドグレニム領兵の前進が鈍り冒険者達の前進も鈍り始めています。
ゾルスの部隊の前進を見守るバルタの所に行き、人間がの前進が鈍っている理由を聞いてみましたがゴブリンの前方に居るスケルトンは特に変化が無く戦った手応えも変わりがないとの事なので、バルタには次の前進の際にドグレニム領兵の援護を指示します。
その後も押し出しては引いてを繰り返しますが目に見えて前進が鈍り出しています。
「マサト様、人間の前に現れているスケルトンですが、倒された者の魔石を摂取し強化されております」
「魔石を摂取?ゴブリン達みたいに拾い食いしてるって事?」
「はい、倒したスケルトンの骨は霧散しておりますが魔石が残り地面に転がっております、それを後続のスケルトン摂取し強化されているようです」
「ていう事は、これから時間が経てば経つほどスケルトンが強化され前進が鈍るどころか押される可能性があると?だとしたら森の入り口で暴れさせてるカウア達ミノタウロスが裏目に出てるってことだよね」
「その可能性がございますが、一定数のスケルトンを屠っておりますので一概にはそうとは・・・」
そう言うバルタですが、このままではいつ終わるとも知れないスケルトンの波を凌ぎ切るどころか飲み込まれる可能性が高くなってきます。
「バルタ、ゾルスと話して持ち場以外でも出来る限り広域でスケルトンを狩って、自分はタロイマンさんの所に行って話をしてくるから」
そう言ってバルタに指示を出した後、タロイマンさんの居る本陣に向かい今の現状説明し今後の方針転換を提案します。
「まさか・・スケルトンが魔石を摂取して強化されているとは・・」
「おそらく冒険者組は当初魔石を回収しながら戦っていたので問題は無かったのでしょうが、ドグレニム領兵は魔石の回収をせずに戦闘のみに専念した為、スケルトンが強化され前進が鈍っていると思われます」
「それならゴブリン達の所はなぜ前進が鈍らないのですか?」
「まあそれは、うちのゴブリン軍団が魔石を拾い食いしながら戦ってるようなので・・・どちらかと言うと冒険者が魔石を拾いながら戦っているのと同じ感じですかね」
「しかし、戦いながら魔石を拾うとなると現状厳しいですぞ」
「まあそうかもしれませんがそうしないとスケルトンがどんどん強化されてこちらが押し込まれるようになりますから出来る限り魔石を回収しながら戦うしかないとおもいます。幸いゴブリン軍団は余力があるんでドグレニム領兵の受け持ちをカバーして立て直す時間は稼げますからその間に・・」
そう言ってタロイマンさんを説得しドグレニム領兵にも倒したスケルトンの魔石の回収を依頼しましたが、カウア達ミノタウロス達からの伝令で更に深刻な事態が発生していることを知らされます。
「マサト様、一部のスケルトンが共食いを始めて上位化しております」
「ハンゾウ、それってスケルトンの上位種が出現してるって事?上位化したスケルトンの数は?普通のスケルトンを指揮したりはしてる?」
そう言って報告に来たハンゾウに質問を投げかけますが、カウア達から共食いと上位化のみを確認し報告に来たのでそこまでは確認をしていないようで、回答に困っているようです。
「ハンゾウ、とりあえず部下の安全を確保しながらでいいからスケルトンがあとどのくらいいるか、上位化したスケルトンがどのぐらい居るか調べてきてもらえる?」
「かしこまりました」
指示を受けたハンゾウは部下を連れて偵察に行きますが、上位種が現れているとなると、今後組織だった行動が考えられ、それはこちらが更に不利になる事を意味ます。
「タロイマンさん、作戦を変更しないとこのままではまずくないですか?」
「それはそうだが、ここでスケルトンを殲滅しておかないと領内に被害がでてしますだろう、作戦を変えると言ってもそう簡単にはいかんぞ」
そう言いながらタロイマンさんは幕僚達と作戦の検討を始めます。
うん、上位化は予想外だった、スケルトンだからただ歩く骨だと思ってたのに、後どの程度の数が居るかも分からない状況でこれはまずい・・・。
そう思っていると、伝令の兵士が本陣に駆け込んで来ます。
「伝令!!!押し出していた部隊がスケルトンと乱戦になりました!後退が出来ません!!」
伝令の言葉を聞きタロイマンさん達幕僚の顔が強張ります。
「タロイマンさん、うちのゴブリン1部隊を回しますんで一旦引いて立て直してください」
「だが一時的には何とかなるがその後はどうするんだ?」
「どうしようも無いですね、ただドグレニム領兵の被害を少しでも減らさないと、ゴブリンはいくらでも補充できますが人間は死んだら補充がすぐに出来ないんですよ」
「分かった、頼む、我々はその間に一旦立て直して仕切りなおさせてもらおう」
そう言うタロイマンさんへの挨拶もそこそこに自分は本陣に出てゾルスとバルタの所に向かいます。
「ゾルスとバルタ、とりあえず全軍出撃してスケルトンと乱戦になっているドグレニム領兵を救出して、その後は暫くの間、出来るだけスケルトンを押し込んで一旦引いて再度押し込むを繰り返して」
「かしこまりました」
そう返事をしゾルスとバルタは自分の率いる部隊の所に行き指示を出すと、ゴブリン部隊はスケルトンに向かって突撃を開始し、それと同時にドグレニム領兵は乱戦になって戦場に取り残されている部隊の救出にあたります。
そのころになると空が白みだし、辺りが明るくなってきだします。
ゴブリンの部隊はスケルトンを破壊しながら突き進みますが、森から溢れ出て来るスケルトンは一向に減る気配がありません。
「マサト様、スケルトンの数を見て参りました」
そう言いハンゾウが報告に来ましたが、どうやら森の中にはあと2万近いスケルトンが犇めいているようです。
「それで上位種はどのくらいいる?」
「それが森の奥に居るスケルトンの中には上位種はおらず、森の出口辺りに上位種が100程おりました」
そう聞いて今後の方針を考えますが、今のまま押しては引いてを繰り返し数を削るか、それともカウア達ミノタウロスを森に突入させ暴れさせ、上位種を発生させて共食いを誘発させ数を削るか、今の所考え付く作戦はこのぐらいです。
タロイマンさんの所に行き、残りのスケルトンが約2万との事を伝えて今後の戦いの方針を検討します。
「マサト殿の言うように、今のままではジリ貧になるとはいえ、上位種を増やすような事をして万が一打ち漏らした場合や、上位種によって被害が拡大する可能性もありますが・・」
「まあ確かに上位種によって被害が出る可能性はありますが今のままジリ貧になるよりはまだましかと思います。スケルトンは疲れませんが、こちらは戦い続けてますから疲労が出てきいずれ数に押される可能性が高いですから」
タロイマンさん達も兵の疲労は心配していたようで、少し強引でも数を減らす方を選ぶしか選択肢がないとの結論に至ったようです。
「ではマサト殿の策で行きましょう、冒険者達にも指示を出し少し後退し立て直した後に再度押し出して引くを繰り返します」
「わかりました、ただ引く前に魔石の回収は忘れないようにしてください、無駄にスケルトンを強化させる必要はありませんから」
そう言うと、ハンゾウにゾルスとバルタへ一旦引いて立て直した後にドグレニム領兵たちと足並みを揃えて戦うように伝令を頼み、自分はカウア達と森の中に入り戦う為に大剣をアイテムBOXから出してカウア達の所に向かいます。
当たるを幸いにバトルアックスを振り回しスケルトンを薙ぎ払っているカウアの所に行き、森の中でスケルトンの数を減らす旨を伝えると、カウア達ミノタウロスがバトルアックスを振り回しながら森の中に突き進んでいきます。
自分も大剣を振り回しながら森の中に入りますが、他の魔物と違い頭部を破壊しないと意味が無く結構戦いづらい相手だと感じます。
そのうえ、カウア達と違い生者である自分にはスケルトンが群がって来るので自分は森に入ったのは失敗な気がしてきましたが、森に入ってしまった以上は群がるスケルトンを片っ端から薙ぎ払って数を減らすことに専念します。
森の外でも喊声が聞こえスケルトンとの戦闘が再開されたようですが、大剣を振り回しながら森を突き進んでいる為、森の外の戦闘はタロイマンさん達を信じで前進を続けます。
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