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第555話「神の技術」

 テオ=キラの銅像を持ち帰った俺は、一階の広間を抜けてガレージへと向かった。


「ちょっと見て欲しい物があるんだよな」


 コイス村の奥地で見つけた謎のコンテナ……の中に入っていた謎の白い箱。

 回収した白い箱は全て家の裏に放置しているが、上蓋を壊して開封した箱はガレージの中で保管している。


 目の前に並んでいる箱は三つ──。


 まずは棺桶のような形をした箱。中身は顔のないマネキンが入っている。

 いや、マネキンではないと思うが、正体がわからないのでマネキンと言うほかない。

 次に大きな箱と小さな箱。

 大きな箱の方には3Dプリンターのような形をした装置らしき物が入っていて、小さな箱の方にはガラスのように透き通ったコースターがびっしりと詰まっている。

 正確には3Dプリンターでもガラスでもコースターでもないと思うが、他に例えようがない。


「魔力を感じないから魔道具じゃないのは確かなんだ。こうなると誰にもわからん」

「………………」


 ここに来るまでぎゃあぎゃあと抗議の声を上げていたテオ=キラが無言になる。


「これだけかや?」

「現地には大きなコンテナが三つ転がっていて、中身は全部回収したぞ。未開封の白い箱は家の裏に置いてある」

「うーむ……」


 本来のテオ=キラは知識を司る邪神なのだが、ここにいるテオ=キラは、いわば存在の残り香のようなものだ。

 テオ=キラ自身はとうの昔に滅んでいるので、本来あったはずの膨大な知識はすでに失われている。

 断片的にでも情報が得られれば良いのだが……。


「これはのー。天界から落ちて来た物資の一部だろうにゃあ。結構派手に四散しょうたけん、よー覚えちょるよ」

「神の世界の物か? 地上が滅茶無茶になるようなシロモノじゃないだろうな?」

「その辺は心配なか。熱や雷や魔力では動きゃせん。まっさらな羊皮紙みたぁなもんよ」


 それなら大丈夫か?

 というか、これら全部が本当に使い道のないシロモノなら、結構な量の粗大ゴミをお持ち帰りしただけじゃないか。


「どうせ地上の人間が見た所で何もわからにゃあ。泥人形はゴーレム好きのお嬢ちゃんにやればよかたい。端末は学院にでも寄付すればよかと。魔術師と賢者どもに無駄な時間をつかわせりゃ良かろうて。一万年くりゃ研究したら何かわかるんでね? ウシャシャシャシャーッ!!」


 テオ=キラの性格は最悪だった。


「大量のコースターはどうするんだ? バカみたいにあるぞ」

「ぬしの知らん素材だぎゃあ。試しに一枚割ってみ」


 ガラスみたいな破片が飛び散ったら嫌だと思ったが、テオ=キラが大丈夫だと言うので、俺はガレージの棚にあったハンドアックスの斧頭ふとうでコースターを叩く。


「おお……」


 叩いた瞬間、コースターは光の粒のように泡立ちながら消えてしまった。


「ガラスでも水晶でもないのか? なんだこれ? 神の力か?」

「光の結晶だにゃあ」


 面白いから何枚か壊してみたが、謎のコースターはチリ一つ残さずに全て消えた。


「光の結晶ってなんだ? 魔力みたいなものか?」

「光は光じゃき。光を物質化させとるんじゃ。人間の力じゃとこの領域には到達できんけえ。これらはただの粗大ゴミだにゃあ」


 単なる光を凝縮して固形物にするような技術は聞いたことがない。

 これはもうお手上げか?

 考えても仕方がない。次に行くか……。





 続いて俺は、広間でテレパシーの護符を作っていたティナに頼んで斜塔の場所までテレポートした。


「この斜塔もたまたま見付けたんだが、この素材、コイス村のコンテナと同じ素材だと思うんだよな」

「同じばい。ええ具合に刺さっとるにゃあ。筒の中はどんな具合かや?」

「仕切りは全部崩れて殆ど瓦礫だったけど見る?」

「んにゃ。これはオブジェクト以上の価値は無かたい。……うしのうたはずの記憶と知識にゃのに妙に堪えたっちゃ。今日はもう家に帰してくりゃれ」


 俺が無言で頷くと、ティナはテレポートの魔法で俺たちを家の中に移動させた。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 世界の秘密に迫るような回ですね。 でもミナトたちの日常には何も影響をあたえないんだろうなあ・・・。
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