表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祐兵さんと豊久くん ――日向の空の下で――  作者: Gさん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

95/136

第九十三話 新年の朝

祐兵さんと豊久くん 登場人物紹介


祐兵(すけたか)さん…伊東祐兵いとう すけたか。紆余曲折を経て、飫肥藩初代藩主になった。知略に優れ、学問を愛する。

豊久(とよひさ)くん…島津豊久しまづ とよひさ。島津氏家臣で、島津家久しまづ いえひさの息子。武芸一筋で、まっすぐな心を持つ。

夜明け前、空は淡い藍にほどけていた。


新しい年の最初の朝は、音が少ない。


伊東祐兵いとう すけたかは戸を開け


冷えた空気を胸いっぱいに吸い込む。


霜を踏む足音が、きしりと静かに鳴った。


「年が、変わりましたな」


背後から、島津豊久しまづ とよひさの声。


肩に羽織をかけ、同じ空を見上げている。


「ああ。だが、空は昨日と変わらぬ」


「それが、よろしいのです」


二人は並んで井戸の水で手を清め


簡素な膳に向かう。


炊き立ての飯


塩だけの汁。


余計な飾りはない。


足元では小春こはるが背を伸ばし


黒猫は窓辺で朝の光を受けていた。


「今年も、こうして始まったな」


祐兵(すけたか)が申す。


「ええ。騒がず、慌てず」


盃には酒ではなく、湯。


口に含むと、身体の芯が静かに温まる。


「今年は、何を望まれますか」


豊久(とよひさ)が尋ねた。


祐兵は少し考え


囲炉裏の灰をならしながら答えた。


「同じ日が、同じように続くことだ」


豊久(とよひさ)は微笑み、深く頷く。


「それ以上は、贅沢ですな」


外では、町のどこかで人の声が上がり


新年の気配がゆっくりと広がっていく。


小春たちは揃って欠伸をし


まるで「いつも通りだ」と言うように


また丸くなった。


新しい年は


大きな音もなく


静かに始まっていた。

新年あけましておめでとうございます!

楽しいお正月をお迎えでしょうか。2025年は大変お世話になりました。

本年もどうぞよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ