40.【番外編】節分イベント1
4話ほど番外編になります。
番外編は、本編のどこか隙間に潜り込んでる感じで考えてもらえると嬉しいです。
一応それまでに出ている情報を元に書いています。
「さあ、これが祝福を受けた弾です。開いたゲートは始まりの平原を西へ行った場所。恐ろしい魔物がその姿を現しているので、すぐにわかるでしょう。来訪者の皆さんの手を煩わせて申し訳ございませんが、是非力を貸してください」
ソーダは神官たちの言葉が終わるとすぐに立ち上がる。
ソーダ:
おしゃ、豆ゲット。でも絶対これ俺らだけじゃダメなので、アライアンス組むことになりましたー。
ピロリ:
了解。どこと?
ソーダ:
蒼炎さんとこと、ロジックさんとこと、深淵さんところ。他にもあるならとりあえず話は聞いておいて。
八海山:
あーロジックちょっと面倒だな。
ピロリ:
ストーカー女かあ。他の人たちは悪くないんだけどね。
半蔵門線:
まあ、次やったらハラスメントで通報って言ったでござるから、やっちまえばいいでござる!
八海山:
それでロジックのところと揉めたらいやなんだよな。あいつ、あそこの唯一のヒーラーだろ?
ソーダ:
先にぶっとい釘打っておくわ。
半蔵門線:
せっかくのイベントはみんなで楽しみたいでござるからね~
ピロリ:
私が彼女ってことにしておけばいいのよー♪
半蔵門線:
ピロリの中身がおっさんはもうばれてるでござるから……
ピロリ:
はっ!? 誰よばらしたの!?
八海山:
自分だろ。皆知ってるだろうよ。
ピロリ:
はぁぁぁぁ!?
新しいイベントが公式より発表された。しかも前日に。まあ、ここの運営は昔からサプライズ大好きだ。わりとイベント発表は突然なのだ。しかも今回のイベント、リアルで2日で終わる。その代わり何をやればいいかはかなりわかりやすい。
節分イベントは、新しいゲートが繋がったことから始まる。我々のような共存できるタイプでなく、かなり危険な種族が住む場所だったらしい。ラングドラシルの住人と協力してゲートの中へ追い返し、封印しよう! というものだった。
「とりま武器の豆は手に入れた。あとは、封印用のアイテムか」
「そっちがちょっとまだはっきりしていないらしいでござるよー。拙者も掲示板チェックしてるけれど」
「んー、シルエットクイズみたいになってるからなぁ」
クランハウスに一度戻って、相談中。ピロリと八海山も帰ってきた。
『マスターさん、今お時間大丈夫ですか?』
蒼炎のキャラバンのリーダー黒豆だ。クラン名のせいか、ソーダはみんなにマスターと呼ばれるのだ。
『こんばんは!』
『封印材料、ヒイラギとイワシの頭らしいです』
『あー、家の先に吊るしておくっていう?』
『はい。それで、イワシは手に入りそうなんですけど、ヒイラギがけっこう厳しそうで。氷系魔法が必要な、第3のダンジョン奥らしいんですよ』
『柚子ですね。もう少ししたらインするんで、そしたらヒイラギ集めをうちがしますね』
『お願いします。参加人数どうなってます?』
『うちと蒼炎さんと、ロジックさんと深淵さんが決まってます。もしほかを誘う場合は一応合意のもとですね。大規模レイドになりそうです。まあ基本お祭りなんで現場で組み込むのはアリかなという話しにもなってます』
『クリスマスイベのことを考えると、アイテム揃えてないと特別なドロップ手に入りそうにないですもんね。それでまた自分たちだけ手に入らなかったで揉めるのは嫌なんで、アライアンスに加える際は相手にそこら辺は了承してもらいましょうか』
『俺の方でロジックさんと深淵さんには伝えておきます』
『いつもまとめ役すみません。助かります』
トップランカー揃いの大型レイドに乗っかってみたものの、手順を踏んでなくてアイテム、貢献ポイントを得られなかったと言う輩の多いこと多いこと。
イベント用掲示板を運営が作ってくれるのに、そこすら見てないやつを相手にするのも面倒だ。
見ないなら見ないでセツナくらい割り切ればいいのに。
ちなみに今回はセツナは参加しないそうだ。
『アンジェリーナさんに豆をぶつけることはできないから』とか、キリッみたいな顔して言ってた。そんなイベントじゃないと言ったら、今度は、『アンジェリーナさんが関わらないならいいや』だそうだ。
ぶつけられるならちょっと考えるとも言ってたので置いてきた。
掲示板見ないなら、あそこまで突き抜けろ。
『とりま4クラン、現在参加予定人数は37人です』
『深淵さんはクラン人数も多いし、少し余裕見て取ってはおきますね』
『うーん、情報の共有はしてますし、こうやってアイテム相談がこなければ放置でいいと思いますけどね。基本はクラン単位でアイテム集めですから。特に深淵さんはメンバーも多いから氷系もたくさんいます』
『了解です。まあ、うちとマスターさんのところの分だけは確実に確保しておきます。6人でいいですよね?』
『はい。ヒイラギは任せてください』
「ソーダ殿?」
「すまん、黒豆さんとフレチャしてた。アイテムわかったって。ヒイラギとイワシ」
「ああ、節分の定番のやつね」
「そそ。第3のとこにある、黄金畑ダンジョンの奥で、ヒイラギが取れるらしい」
「あー、なんか木のモンスターいたわね」
「蒼炎さん、氷魔法使いいないから、俺らがヒイラギ、あっちがイワシ取ってきてくれるって」
「なら、柚子来たら行こうか。準備しておく」
このメンバーのいいところは、狩りとなったらそれぞれが自分の役目のためにすぐ動けるところだ。長年付き合ってるからというのもあるが、狩場相談などのストレスが少ない。
前ゲームのときは最初学生だったが、今はみんな社会人。時間が合わないときは多いが、合えばこうやって楽しめる。いい友人に出会えたと思う。
柚子∶
かわいい柚子ちゃんの登場なのじゃ!
ピロリ∶
今どこ?
柚子∶
第3都市で納品終わったとこでログアウトしたのじゃ!
八海山∶
ならそのまま黄金畑行くから待機しててくれ。食べ物回復は持ってく。
柚子∶
よくわからないが、了解なのじゃ〜!
さらに良いタイミングで案山子も来た。
「俺、参上ッ!」
「はいはい〜黄金畑に狩りだよ。案山子も準備よろ」
その間に俺はロジックと深淵のクランリーダーに連絡だ。
アライアンスにパーティーを加えるのはいいが、基本自分たちで。現場でアライアンス便乗がいると思うが、まあお祭りだから許可していいけど、イベントきちんと踏んでなくても責任は取れないこと。23時30分、始まりの平原集合。来られなくても待たないこと。
さらにロジックには、ナデシコが来るなら、八海山に近づかないように。次ハラスメントがあったら容赦なく通報するのでクランメンバーの方でも見張っていてくれ、と添えておいた。
「ソーダ、準備できた。ポータル開くよ」
うちの紳士ワンコ、怒らせたら怖いからマジで自重して欲しい。
あちらもランカーなので、ヒーラーを削って対抗クランを無力化させたなんて話になったら面倒だ。
ブックマーク、評価、いいねありがとうございます。
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〜その頃のセツナくん〜
アンジェリーナの貸本屋で本を3冊読む。




