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貸本屋のお姉さんに気に入られるために俺は今日も本を読む  作者: 鈴埜


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368/390

368.【番外編】聖夜の夜にゲームする3

 さて、じゃあ行きますかと動き始めたところで、アナウンスが聞こえる。


『クリスマスツリー星団は世界中の子どもたちにクリスマスプレゼントを配るために作られた非営利目的の団体です。もうすぐクリスマスの夜。世界の子どもたちにおもちゃを持っていかねばなりません。サンタクロースは至急発着場へ。サンタクロースは至急発着場へ。出動準備願います』


《ミッション! 赤サンタの目を盗んで侵入した黒サンタを始末しろ。黒サンタが赤サンタに触れると赤サンタが浸食されて黒サンタになってしまいます。子どもたちにプレゼントが届けられるよう、赤サンタを守り切ってください》

 クリスマスイベントのコンセプトがわかりません。


『混乱してきた……』

『昔からここの運営、クリスマスイベントはちゃめちゃだから……』

 猫じゃらし曰く、クリスマスに闇落ちする、らしい。


 パーティーチャットで話しながらとりあえず上を目指していると、いた! ブラックサンタ。わかりやすく洋服が黒と白だ。

 ブラックサンタは確か、悪い子にプレゼントでなく石炭をくれたはず。なまはげ的なお仕置きの役割を持っていた。そういや、袋に子どもを詰め込んでしまうなんて話もあったな。俺たちはさっき赤サンタに袋に詰め込まれたけどね。


 上に行くには幹まで行くか、時々落ちているはしごを掛けるしかない。はしごが落ちてるのも謎なんだけど。

 で、一段上がったところで発見! ブラックサンタだ。赤いサンタさんを追いかけ回してる。あれを防がねばならないんだろうな。

 よし、頑張っちゃうぞ。


「【氷付与】【投擲】」

 火はツリーが燃えたら困るからやめておいた。星団って言ってるから星なんだろうけどさ。質感や踏みしめた感じは木でした。


 いつも持ち歩いている石をぶんなげてヘイトを取る。赤サンタさんに触ったら赤が黒になってしまうらしいのでなるべく早く。


 するとこちらへ向かって走ってきたので手のひらに氷のダイスを出現させる。


「おらっ!」

 2×3で6秒だ!


「【突き刺し】」

 心の臓を狙いました。すると、頭を引っ張られる。何事かと思ったら緑のリボンが伸びてブラックサンタに巻き付いた。バリバリッと音がして包装紙が剥がれる。そして、俺の胴体が嵌まっていたプレゼントボックスがボンッと音を立ててブラックサンタを襲い、あっというまにブラックサンタ入りプレゼントボックスが出来上がり。大きさは普通に抱えられる程度になっている。物理の法則は消え失せていた。


『ブラックサンタがプレゼントになった!』

『こっちもだぜーっ! オレンジ色の可愛いプレゼントに変身してしまった!』

『攻撃系なら何でも効くんだな。【悪鬼退散】で消えた』


 と、先ほど逃げ回っていたサンタさんがやってくる。


「おやおや、こんなところにネズミが紛れ込んでいるとは」

「なっ!? ネズミとは失礼なっ!!」

 赤サンタはブラックサンタのなれの果て、赤い包装紙に緑色のプレゼントボックスを拾った。


「さてはこのプレゼントを狙っておったな。ダメだダメだ。これは世界中の子どもたちへのプレゼントなのだから」

「え、ちょ、いやそのプレゼントは……」

 中身よろしくないかも?


「ダメだよ、もう十八才以上だろう? 大人にはあげられないよ。どうやってこんなところに来たのかわからないが、もうおうちへ帰りなさい」


 ぶんっと音がして、サンタが腕を振るうと俺は風に飛ばされ宇宙空間を真っ逆さまだ。


『あーれーっ!!』

 と、猫じゃらし。

 同じシーン喰らってるようだ。


 そして気づけばおもちゃ工場の外にいた。

 ソーダたちもいる。


「え、サンタのプレゼントやべーもん紛れちゃったんだけど!?」

 石炭入りプレゼントにならない? あれ。


 みんなが情報を集めたところ、これが一通りの流れ、らしい。

 ブラックサンタはとても弱くて、とりあえず【投擲】以外でダメージを与えられればOKらしい。【投擲】もナイフなんかを投げればその武器の攻撃力が乗るのでいいそうだ。


 そして赤サンタに戻されるまでが手順となる。


「まだ俺たちがほぼ最初の組だから、他に特に情報はないな」

「このまま入り口近くに行くとまた、工場を助けてって言われてプレゼントになる作業が始まるらしい。ダインお前、色選り好みしてるなよ。ほら、【持ち物】見てみろよ、プレゼントボックス入ってるだろうがよ。時間のロスになる」


 つまりクリスマスイベントでこのプレゼントボックスを増やしていこうというやつらしい。

「はっ!! これはっ! アンジェリーナさんにプレゼントできるっ!!」

「アンジェリーナって、セツナ君、第6都市の門のところで叫んだって噂の?」

「はぁっ!! 内緒です。黙秘します」

 ヤバイ。漏らしてしまった。とんだお漏らしをっ!!

 口を押さえてふるふる首を振ると、ソーダと八海山が笑う。


「セツナのお気に入りNPCだからそっとしておいてあげてくれ」

「ヴァージルじゃないんだな」

「あれは単なる絆ですよ」

「単なる絆が100万回再生してくれるの羨ましいわ……。まあ、了解。ライブ配信してないから安心してくれ。カットしておくよ」


 猫じゃらしのサムズアップ。


「だから今度会わせて」

「絶対ヤダ」

 ダメ。誰にもあの楽園を知られるわけにはいかない!!


「【鑑定】したところ、クリスマスケーキ入りって書いてあるねっ! 俺たちが食べるとステータスプラス10、ゲーム時間内30分持続だって」

「10はでかいな」

「俺の【フロストダイス】ももう少し出せそうだ……」

「それじゃあまあ、周回行くかぁ」


 おーっ!! ってことでまたプレゼントになりに行く。そして気づいた。これ、自分がなったプレゼントの包装紙とリボンの色の箱がもらえる! そうなるとアンジェリーナさんに似合う色を模索したくなるのであった。女の子はピンクが好きっていうし!!


 ブラックサンタを見つける前に赤サンタに見つかるとまた弾き飛ばされた。反対に、ブラックサンタを秘密裏に始末すると、プレゼントボックスが地面に落ちる。同時に【持ち物】にプレゼントボックスが増える。そのまま放置し次のブラックサンタをやりにいけば、最初からやりなおしにならないことに気づいた。【隠密】持ちが歓喜だ! 包装紙とかボックスは謎に空中から出現します。


 ある程度楽しんで、二日目、二十五日にとりあえずアンジェリーナさんの元に向かう。

「こんにちは、メリークリスマス、アンジェリーナさん」

 俺の言葉にきょとんとした顔を見せるアンジェリーナさんが可愛い。


 あ、クリスマスの習慣ないやつか!!


「実はゲートが開いてまして」

「ああ、聞いてるわ。脅威はほぼないって話だったわね」

「そこで手に入るケーキがありまして。プレゼントです」


 そう言って薄紫の包装紙にピンクのリボンの、俺的に一番可愛いヤツを差し出すと、笑顔を見せてくれる。

 頑張って、包装紙とリボンえり好みした甲斐があったぁあああ!!


 ついでにヴァージルというよりイェーメールの騎士団にケーキの差し入れをしにいった。いつも、動画に貢献してくれてありがとう。これも使わせていただきます。





「やっほーっ! 動画見たわよ~めちゃくちゃ楽しそうだったじゃない!」

「私も参加したかったのじゃ~」


 旅行から帰ってきたピロリと柚子に言われたが、なんというか、運営の闇を見た。

ブックマーク、評価、いいね、感想、ありがとうございます。

誤字脱字報告も助かります。


クリスマスに闇落ちする運営の話でした。

それでは次からの更新は基本日曜夜8時!!

全員集合だよ〜!!


メリークリスマス!!


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― 新着の感想 ―
クリスマスを仲のいい人同士でプレゼントを贈り合う来訪者の風習だって説明したらNPCって乗ってくれたと思うんだ。 由来を聞かれたら元々は昔の異国の聖人の誕生を祝うお祭りだったけど、うちの国の商人が便乗し…
運営もこんな日も仕事だよって、闇落ちしながら運営してるのか…
更新ありがとうございます 次も楽しみにしています。 そこまで難易度は高くなかったのか
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