359.メインクランハウス決定
本日は我が家でゆっくりくつろいでくださいと、ファマルソアンさんの自宅に招かれた。
あー、忘れてたそんなこと言われたよオークションの時。
ファマルソアンさん、お貴族様でした……。
「お屋敷すごいっ! お金持ちっ!」
「いえいえ、エルフは確かにヒューマンたちと同じように貴族制度がありますが、どちらかというと金が物言う世界でして。第7都市にどれだけ商売を引き込めるか。それで立場が違ってくるんですよ」
はっはっはーって笑ってるけど、自然いっぱいみたいな街並みだったのにここはとてつもなくきらびやかなお貴族様のお屋敷だった。
女性と男性で分かれたが、とりあえず1つの部屋に集まって相談が始まる。
「ジラフのところも今ようやくクランハウス見学ができるよう、つなぎ作ったって言ってるし、その上であそこの資金がどのくらいあるかだな……」
手が凄く動いているからどうやらメモを取っているらしい八海山。自分のステータスにメモ欄があるのだ。めっちゃ計算してそう。
「クランハウスにクラン資金ぶっ込むのは別にいいんだけどそれでも足りないのがなあ。くっそぉ……金額倍がガチでいてぇ……」
悔しそうなソーダ。
「まあ、クランハウスはみんなが持てた方がいいという運営の心遣いでござろう……2億くらいなら中堅が溜め込んでいたら払いそうでござるね」
納得はできても半蔵門線もなにやら調べている。他の財政状況わかるの?
「いやよぉーここがぁーここがほしいぃぃぃ。私の全財産5000万シェル渡すからぁ……」
「それでも足りないのじゃ……5億9200万なのじゃ……」
「俺はッ! からっけつッ!! 3000万シェルしかないッ!!」
「全財産出したら修理費とか消耗品買えなくなるだろう。俺は1億あるが、全然足りないな」
「俺も修理と盾買ったりしたからなぁ。出せて5000かな。消耗品がなあ」
ソーダはタンクとしていざというときはポーションを景気よく使う。ソーダが崩れたら終わりだからだ。常に揃えているし装備品の状態も気に掛けているという。狩り場によって装備もガンガン変えるタイプだ。
「拙者も遁術スキル覚えるのにかなりお金を使ってしまって、今、ゲーム人生史上1番金がない時期でござる。2000が限界。忍者たちがあんなに金にがめついとは思いもよらず……」
うううん。俺はアランブレがメインがいいけど、いや、わかるんだ。わかるんだよ……、ここのクランハウスめちゃくちゃ素敵。正直リアルじゃ絶対こんな場所に別荘なんて持てないってわかってるんだ。施設を充実させていったらさ、どんだけ素敵かってわかっちゃうんだよおおお!!
「あのクランハウスが5億9200万。クラン資金が3億。残り2億9200万。八海山がちょっと多く出して5000万、ソーダが5000万、残り1億9200万。残りのピロリさん、柚子さん、案山子さんと半蔵門線さんが2500万ずつだけど、金欠の半蔵門線さんは置いといて、3人が2500万ずつで7500万。残りが1億1700万。半蔵門線さんが1700万出して……俺が1億、……買える、ね?」
「……」
「……」
「いやまてまて、なんかすごい、俺の知らない算数が来たぞ」
「せっちゃん、お金持ち??」
「セツナくん……」
突っ込むソーダよりも、女子2人(見かけだけ)の目のキラキラがすごい。
「王様が貢献度だけくれるはずがない!」
「はあああ……1億シェルくれたの!? やばっ!!」
「たぶん貢献度も山分けするって言ってたから、お金も人数割りだと思う。まあ持っててもずっと持ってるだけだしいいよ、使っても……くっ、俺はアランブレがメインがよかったけど、ここ良すぎる!!」
「いやーっ!! うれしーっ!!」
「せっちゃん大好きなのじゃぁ~空のポーション瓶ならいくらでもあげるのじゃっ!!」
「まてまてっ! セツナ、本当にいいのか?」
「触媒取りに付き合ってもらってるし?」
「そんなもんお互い様だろうよ……いや、うーん、あのクランハウス逃すの惜しいし、空の国と王様で貢献度は多分セツナが1番だろうけどさ。くっっそ……おらっ、座れお前ら! いいか、これは借金だからな。セツナへの借金だ。ちゃんと資金は分割するぞ!! 1人5000万シェルにする。クラン資金へと、セツナに分割返還してくぞ。ちゃんと返済帳簿つけるからな」
「了解よ~しばらく新しいお洋服我慢する!」
「NPC売りの高いものをせっせと集めるでござるよ。それでセツナ殿と一緒に調剤用の施設買うでござる」
それは大切だ! 毒瓶作らないとね。
「節約するのじゃ」
「節約するッ!」
ここ2人がちょっと怪しいなと思いました。
1週間の入札期間を終え、無事俺たちは島を手に入れた。そこから1週間の間に荷物の移動ができる。移動の仕方はクランハウスのストレージに入れて、運営に申請する。ストレージに入れるために札のようなものを家具に貼り付ける。そうするとコンパクトな大きさになった。
「ミニチュア家具みたいで可愛いわね」
「差し押さえのようでござる……」
俺もロフトベッド、ソファ、タンスなどをごっそり移動。
メインはミラノエランの方にした。アランブレは移動用だ。個人部屋はまだ同じ大きさ。俺のソファがリビングに取られた。
「せっちゃん贅沢者なのじゃ……」
「今だけですからねっ!」
お金貯めて部屋拡張しよう。
「クラン資金貯めまくらないと、この家に合った家具を取り入れられないっ!!」
「稼ぎまくるわよ~!」
「この間のグリズリーの毛皮は結構いい値段したぞ」
「盾の破壊率たけぇんだよぉ。修繕費がかかる!」
「消耗品よりソーダ殿の修繕費の方がかかるでござる」
3人はバランスを考えた効率的な資金調達狩り場を審議中だ。
買うことを決めてから、既存の金効率マップにはみんなで出向いている。
案山子は、広々としたアイランドキッチンでウキウキ料理をしている。
「気分だけどッ! めちゃくちゃ気分がいいッ! リアルで欲しいキッチンだーッ!」
生産施設を入れると、アイランドキッチンにコンロが出現した。
「順当に行くなら第7都市付きのダンジョンが金回りがいいものになるはずなんだがな」
「第6すっとばしちゃったわねー」
「あそこは不穏だから近づかぬが吉でござるよ」
「ファマルソアンさんに聞いてみようか」
そうしようと話しながら出来上がった案山子のスープカレーでクランハウスのお祝いをした。
『さすが先行NO1クランっ!! まさか7億4000万シェルをお持ちだとはっ!』
後日猫じゃらしからフレンドチャットが来た。
『2番目に大きいところ、漆黒さんになったんですね』
『だって2倍だよ? 2番目5億4000万だよ? 貢献度あっても無理無理無理。3番目のところと悩んでうちはログハウスですよ。丸太のおうち。セツナ君、今度おうちに遊びに行かせて! 俺も呼ぶから!』
『クランメンバーがOKなら』
『ちゃんと手土産持ってくからさ!』
『ガワに金かかってまだ中何にも無いですよ』
『それはどこのクランも同じ!!』
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お金が入ってきたらお金を使わせろって、猫ちゃんのところで学びました。




