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貸本屋のお姉さんに気に入られるために俺は今日も本を読む  作者: 鈴埜


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319/362

319.聖地最後の日

 神殿の中には獅子座の神様が鎮座している。白い彫刻の目の部分だけが青い。

 俺は周囲の人たちと同じようにひざまずいて祈る。


『聖地にミュスが多いように思うのですが、どうしてでしょう? アランブレでもここまで見かけないのに』

『……それは原初の魔物だからだ』

 お、答えてくれた。頭の中で考えていたところにコンタクトしてくれている感覚だ。

 ミュスが原初の魔物というのはよくわかったのだ。原初の魔物がなんで聖地にいるの?


『聖地は聖なる場所だから魔物はあまり寄せ付けないのかと思っていました』

『聖地は ―――――― だ。ゆえに原初の魔物も湧く。これからも原初の魔物を狩り続けるがよい』


「えっ。何ですか獅子座の神様!!」


 個人チャットみたいな風になっていた獅子座の神様との会話。一方的に切られてて、普通に話してしまった。


「えっ、マジで話してたのか」

「電話ガチャ切りされた感じ……ヒドイ」

「えー、俺宝珠まだ1つも持ってないんだよなぁ。獅子座の神様のが一番欲しいのに」


 筋力マシマシだから、筋力押しのダインには垂涎な代物だろう。


「力比べになかなか出会えないんだよなぁ」

「始まりの平原で夜ミュス狩りしてたら会ったよ」

「聞いたけど、夜ソロミュス狩りはなかなか精神にキそうでなぁ」


 そうかな? 楽しいけどね。


「ついつい誰かと行動しちまうからなあ。ソロ狩りを想定していない」

「獅子座の神様はソロ狩りしてないと無理そうですね」

 俺の時とか、誰かいたら出ないような気がする。


「まあ気長にやってみる。他にもパワー系宝珠ないかなあ……ミュス関連クエスト、結構楽しそうだよね」

「ミュス王とか?」

「あれは化け物だ。この間ヘルプ来て行ったけど、とんでもなかったぞ。セツナ君が倒せたのはイベントの一環だったからかな。3人なんてとんでもない、20人近くで倒したからね。素早いし、小ミュスの数ヤベーし、全体攻撃と状態異常系がとんでもなかった」

 そんなに強いのか。


「やっぱり原初の魔物だからですかね」

 俺がそう言うと、ダインが動きを止めた。


「原初? そんな風に言われてるんだ」

「獅子座の神様が言ってましたね」

「原初かぁ……どっかでなんか聞いた言葉だなあ」

「預言とかに関わりそうですけどね」


 そうだなぁとダインは目の前に視線を固定したまま唸っていた。

 たぶんステータスの知識項目とかを見ているんだろう。


「預言書か。メインストーリー、そろそろ進められるのかなと思ってるんだけどな」

「聖地で色々と先の都市の話を聞いたからあるかもしれないねって話してましたよ」

「わかるー! あの獣人クエスト巻き込まれたんだろ? ヴァージルめっちゃすごかったな。いじめだってクランチャットで騒いでた」


 それはもう俺のせいってことにしてくれ。


「まあ、セツナ君はその話広めるのかはよく考えた方がいいよ。考察大好きッ子がスレに常駐してるから、せっかくセツナ君が先行で解いてる謎、取られるかも」

「あー、別にそこら辺は気にしてないんですが……まあ、ソーダに相談します」

「うんうん、それがいいよ」


 ログアウトの時間が近づきつつあるということで、そこでダインとは分かれて第7都市エリアに戻った。ふかふかベッドにダイブしてログアウト。おやすみなさいだ。




 次に起きたらゲーム時間18時だった。

 宿のリビングにだいたいみんな揃っている。


「おはようせっちゃん。聖地土産は買い尽くしたか?」

「図書館について語るのが土産だそうですが、何か物も買っていきたいんですよね~」


 ないのかなー聖地くん人形とか、まあ、ないでしょうね。

 どうせならあまりめったに行けない場所がいいかな。第7都市が真反対、それか獣人エリア……はちょっともうやめておいた方がいいかもしれない。ドワーフの第11都市なんかでドワーフが作った何か的な? あ、そうそう、修復の時に小さなナイフは使ってたんだよね。そんな物でもいいかもしれない。


 イェーメールの塔に朝集合という話だった。聖地から少し離れればポータルは出せるので、それで騎士団のメンバーと一気に帰ろうという計画。

 もちろん行きに、ポータルが出せることは確認済みだ。帰りもまた長々付き合わせるのは悪いからね。


「ちょっと11都市エリア行ってくる!」

「私も行くのじゃ! 最後に酒飲むならあそこじゃ!」

「違う! 買い物だよ!!」


 柚子と部屋を出たと思ったらみんな結局ぞろぞろとついてきた。


「おや、皆さんお出かけですか?」

「ファマルソアンさん、お世話になりました。このまま観光と飲み食い朝までして、アランブレに帰ります」

「そうですか。第7都市に来るときは連絡を。私も合わせて向かうようにしますので話を進めましょう」


 この豪華宿屋は離れがたいが、ずっとここで暮らすわけにも行かないのでお別れだ。

 ベッドふかふかだった。みんなログアウトする時間より早く自室に籠もるの笑うわ。アレ絶対ベッド堪能してたやつだ。


 本宅のベッドもあれくらいのふかふかにしたい……そう思ってネットでベッドを思わず調べたら、ネットで繰り出されるCMのベッド占有率がUPしました。

 本当に俺の検索履歴さぐってんだなこいつら……。


 塔のそばを通って、第11都市エリアへ。

 柚子はいくつか鍛冶屋を覗いて店主が行ってる酒場に行くという。まあせっかくなので合流するという話をしつつ、ナイフを探しにいざ参らん!


『柚子さん……ドワーフの鍛冶屋がなんか軒並み閉店してるんですけど、もしかしてそっち?』

『いるいる。祭りが終わったと連日祝宴らしいのじゃ。ナイフ探してるって言ったらこっちにこいと言われてるぞ』


 結局柚子と合流し、ドワーフの大宴会に巻き込まれてきた。途中用途を説明したら店に取りに行ってくれて、そこで買いました。


 おそろいのナイフをねっ!!!


 ペアだぞーっ!!

 ペアのナイフだぞーっ!!


 ウキウキの俺を誤解したのか、そんなに喜んでもらえて嬉しい、さあ飲め飲めとやたら酒をすすめられた。


 朝まで飲み倒しましたとさ。EP満タンでもご飯食べられる仕様でよかったぁ。

 あ、案山子はなんか野菜料理作って披露してた。秘蔵の樽をもらっていた。

ブックマーク、評価、いいね、感想、ありがとうございます。

誤字脱字報告も助かります。


これにて聖地編は終わりです。

明日から新しいのくる!よ!


色々とクエストの種まいてるから、それを、回収しつつ、せつなくんの野望をすすめていきたい。


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― 新着の感想 ―
更新ありがとうございます。 次も楽しみにしています。 一番大きいクエストフラグはミュスですかね〜 セツナ氏は、奴らと戦う運命にあるんですよ
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