194.15人のオリオン
15人の巨人オリオンが、各地で悪さという名の破壊活動をするので、街を守れというのがミッション。15拠点あり、各拠点半壊までは許容。町の防衛が50%を切ると失敗になる。つまり、半壊するまでにその拠点のオリオンを倒さねばならない。
15人中10人を倒すと、その後の合体オリオンが弱体化二段階入って楽なんだそうだ。
『ロジック・ロジカルの猫じゃらしです。不満があるかもしれませんが指揮とりまーす!! よろしく。スレに戦力カキコありがとうございます。マスターがチェックしてくれております。今後戦闘が始まると見るのも大変でしょうから、俺の方から連絡事項は流しますのでスレチェックはしなくても大丈夫です。発言の前に拠点ナンバーを入れてもらえると助かります。さらに追加の戦力もオリオンチャットでお願いします。まず、1拠点は1人なので捨てます』
ロジックの人2人目がいる。
『俺はやれるぞ!?』
『発言前に番号書けっつってんだろおおお!?』
ダインだ。
『とにかくダインは2へ走れ。10分切ってる』
『俺は指示終わるまでは書かないね~。次、3拠点3人、ヒーラー1人2へ。残りのヒーラー1人は4。行けるならもう1人は5に走って欲しいが無理そうなら4で一緒に』
『3速度上げられるので5へ頑張ります』
そうやって、猫じゃらしさんの指示が開始1分まで続いた。
『まあ、スレ民わかってるだろうけど、オリオン弱点が火と毒。倒した後の合流先は指示通りで。10拠点頑張ろう! ご新規さんには優しくしてあげて説明を。第2フェーズの指示はまた出します。ご静聴ありがとうございました』
拠点8はなんとか頑張ってって言われた……6、7、10、9は無理そうだから捨てらしい。つまり救援もなし。だいたい円形に拠点が散らばっており、どこの拠点からも次の拠点へは5分ほど掛かるという。足の速さは敏捷にかかってるから、ステ振りしていないと最大8分掛かる。
町はそこまで大きくないが、2階建てのアパートくらいの高さの壁でぐるりと囲まれている。NPCがうろちょろしていた。
「避難勧告とかしなくていいんですか?」
「戦闘始まると自主避難するから大丈夫よ~」
「さあ、始まるぞ」
カウントがゼロになる。
と、町の壁の一部がドオンと音を立てて崩れた。現れる場所は一定で、町の門からだそうだ。わかりやすい。
「火付与」
火力もそれなりにある方がいいと判断し、火にする。
「【一身集中】」
「【バーストトルネード】」
「【ひと突き】」
お、結構効くな。
「付与強いね~! というか、ダガーじゃなかったっけ?」
「ふふっ、付与剣作りました!! おかげで付与師になりました!」
「ちょっとまってwww 新情報www」
あれ、まだ動画上げてないのか。
というか、ふと、単体なことに気付く。
「ぎょろちゃん、出ておいで」
赤水晶を出すと、べろんと持っていかれる。
「あ、騎獣出ますね」
「ふぁっ!? そうか、騎獣手に入れてから初めてだし。連絡連絡」
『8、騎獣出せまーす!!』
『4、ガチ失念してたっ! これは、早く倒せたら移動早いね。倒せそうな5、11、13は頑張ってくれ! 8も2拠点移動無理だと思ってたからすまん!! どこか移動するか……』
『8、いえ、ここで頑張りまーす!』
「【フロストダイス】」
覚えたばかりの、俺のダイスだよ、ぎょろちゃーん!!
5×5のゾロ目。絶好調だ。うちの可愛いぎょろちゃん。
「わっ!? あれ、セツナくん【フロストダイス】柚子さんからもらってなかった!?」
「ふっ……昨日覚えたてほやほやです」
「うわー、戦況変わる!! えーと私最大火力の【エアーカッター】するから、同時攻撃で。セツナくんは【ひと突き】する前に、ぎょろちゃんに【フロストダイス】って、あーこれ解けたら1度また凍らせて! タンクさんも攻撃しよう! 【フロストダイス】からの私詠唱、さらに【フロストダイス】渡して、溶ける間近で一斉攻撃。攻撃入ったらすぐぎょろちゃんが【フロストダイス】。ぎょろちゃん早すぎると私の【エアーカッター】で氷割っちゃうから、制御できる?」
「うーん、ぎょろちゃん頭いいから【フロストダイス】」
溶けそうだったのでもう一度固まってもらって作戦会議。4×4。
「ぎょろちゃんは大丈夫だと思います。一応撫でてタイミング教えようかな」
「まあ、1度やってみようよ。オリオン町壊すことしか考えてないから」
破壊活動のがれきによるダメージがすごいので避けられる俺は平気だった。がれきがホントに危ない。それを盾で防いでいる感じだ。
最大火力【ウィンドカッター】の詠唱が始まる。
「【フロストダイス】。ぎょろちゃん、投げるのちょっと待っててね」
舌の熱で溶けないのかなぁ?
ぴしりと氷にひびが入ったところで総攻撃。やはり凍ってからの無防備状態への攻撃はダメージの入り方がでかくていい。あと、風魔法めちゃくちゃ強かった。初期魔法は熟練度が上がるとレベル10まで行くのだが、この魔法使いさん、風を極めし者らしい。
「風魔法ならワールド5位以内には入るんだよ」
「装備が風の値伸ばすものばっかりだな」
「作るの大変だったけど作ってよかった~」
ルーティーンを5回繰り返したところで終了。オリオン討伐。
《オリオン残り 14/15》
『8、オリオン撃破。どこへ向かう?』
『4、えっはやっ!! うそ。……同じペース行ける?』
『8、ほとんど無傷』
『4、えーと、9へ!! もしかしたら10も間に合うかも!!』
『8、了解』
『4、基本倒したら時計回り。2と4は反時計回り』
聞きながら騎獣を準備していたので移動を開始する。
「わああー、ぎょろちゃんの飛び方すごい。動画で見てはいたけど、間近でみるとほんと、特殊」
魔法使いさんは……馬に乗ってる!! 羨ましくなんてないやい。
足での移動が早くて5分。騎獣はだいたいその1/2だ。
「あ、見えましたね。【フロストダイス】」
MP譲渡して欲しい……。付与があまりできなさそうだ。案山子と合流したい。MP回復剤持っておけよーと言われてたのに忘れてる。失敗。ミュス狩りのつもりだったからなぁ。
ぎょろちゃんにちょっと急いでもらって射程距離になったらとりあえず足止めする。町の破壊率は20%だ。
ブックマーク、評価、いいねありがとうございます。
誤字脱字報告も助かります。
単体相手には定評のあるぎょろちゃんでした。




