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貸本屋のお姉さんに気に入られるために俺は今日も本を読む  作者: 鈴埜


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176.錬金術師誕生

 その後しばらくは本屋に通う日々。資金集めで行けなかった分を満喫していた。しすぎて、100冊追加で読んでいた。

 400冊、案外いける?


 そして、とうとうそのときが来た。


ソーダ:

錬金術師発見されたぞーっ!!


ピロリ:

掲示板今私も見てる。つまり、カクさんを助けたくてってことだったのね~

泣かせるわね、ミトさん。


八海山:

やはり新職がローレンガ、ウロブルに潜んでるみたいだな。


セツナ:

おっ!! 誰かもう取ったの?


ソーダ:

取れるやつと取れないやつがいて、今その検討会始まってる。クエスト比べだな。

関連クエストに見えないクエスト踏んでるヤツがいるんだよ。


セツナ:

へー。


ソーダ:

ってかお前、なんか反応が……て、お前隠してたの錬金術師かっ!!


セツナ:

錬金術師見つけたって知らせた人は錬金術師になったからOKなのかなぁ??

カクさんのところに弟子入りした?


 あえてうんともすんとも言わない方向で。


ソーダ:

カクさんところに弟子入りしたらしい。

あーでもほんと、セツナが内緒と言われてたならどうなるんだろうな。

ちょっと様子見ようか。


 その後、薬師のうち半分くらいは錬金術師だということ。それを確認するには、ポーションを強化する方法を知らないか聞いてみること。その薬師が錬金術師の場合、そのまま教えてくれる。違う場合は近場の強化できる、つまり、薬師の皮を被った錬金術師を紹介してくれた。

 しかし、それを教えてもらえる人ともらえない人がいるという。


「違いがわかっていないんですよね」

 しょぼんとした黒豆が、クランハウスにいた。

「おお……何か踏まないといけないクエストがあるのかもしれないな」

 俺は相変わらず明言せずにいる。

 内緒だからね。いつ解禁されるのかわからない。というか、カクさんのところにはちょっと行きたいんだ。錬金術師によって秤と釜タイプが分かれていたから、また違った触媒作ってくれるかもという期待がある。


「スレでも色々検討されてるけど、こー、みんなクエスト山ほどこなしてんだよなぁ~。半年経ってるからさ」

 多すぎてわからないし、その多い中の回数かもしれないと言われている。


「セツナさんは思い当たるクエストはありませんか?」

 思い当たるねえ。

 明言してないけど、当たり前のように話が進められていた。

 

 俺は受注クエスト一覧を眺める。確かに言うほどないんだよねー。全部公開したらわかるんだろうけど。


「セツナはヴァージルからだろ。だから参考にならないかも」

「ところがどっこい俺はその前から」

「えっ!? そうなのか」

「みんなだって使ってるじゃん。『ネタクナイノダ』」

「あっ!」


 ヴァージルの方の錬金術師は後からです。

「傾向として初期組が錬金術師になれている人が多いです」

「初期かぁ……あ」


 もろ、そのままのがあった。


「ヤーラ婆だ」

「ヤーラ?」

「あれだよ、コーララ山脈に採りに行く咳止め薬」

「あー、あの、派生が何も……ない……」

「ウロブルであったし。薬師って言ったらここからだなぁ」

 てか、俺の少ないクエスト内容見るとそこしか考えられない。ヤーラ婆も錬金術師の可能性が出てきた。


「このクエストですね……季節物と見せかけて結構年中無休で受けられるらしいのでやってきます」

 クリアしていないと依頼掲示板に張り出されているそうだ。


「頑張ってください」

「たぶん、知った者同士ならやりとりも問題ないと思うので、色々情報交換してください」

 黒豆はぺこりと頭を下げて出て行った。

 お姉さんたちついてなければ普通に接することができるんだが、後ろの軍団の圧が怖いんだよ、蒼炎。


 その後しばらく錬金術フィーバー。さらに、ようやく半蔵門線の仲間が忍者になり終わったということで、忍者になる方法が公開されると、皆躍起になって新しい職を求め出した。


『ソーダは何かなりたいものないの?』

『盾を使いながらさらに片手で攻撃出来るものがいい。盾で反らして横から攻撃。だから銃がいいなぁ……』

『銃はまったく欠片も見つかってないな』

『ピロリさんは?』

『私は……今のままかなぁ~。スキルをもっと覚えられたらとは思うけど。アタッカーとして動きたい感じ。ぼっこぼこにしたいじゃない? 生産やってないから錬金術師は面白そうだけど~』

 錬金術師は生産系だそうだ。戦闘職の退魔師や忍者とはまた系統が違う。


『錬金術師は新しい生産職じゃな』

『錬金術は生半可な覚悟じゃ~みたいなこと言われてたから、生産職と戦闘職両方とかは難しいかもしれないよ』

『生産メインじゃないと難しいのね。性に合うならいいんじゃない?』


 俺もアンジェリーナさんとなら貸本屋出来るのに。


 まあこんなことを話しながら今日はクラン狩り。

 一生懸命アリを撃退しています。

 女王アリはまだこの火力じゃ無理だろうということで、Lv上げ目的なので、羽アリを見逃してお代わり持って来てもらう方針だ。

 付与は何気に金がかかるので、封印中。数が多くなったらポイズンボムを炸裂させている。

『セツナも結構位置取り上手くなってきたし、安定したな』

 女王アリじゃなければかなり効率よく倒せるようになってきた。八海山の仕事が軽減されてきた。


『メインクエストの学者のソールが見つかってないと思ったら、運営に封印されてるらしいわね』

『メインクエストは一時凍結ってことじゃな』

『俺はッ! 料理人としてこのウロブルでもどこか寄生先を探すッ!!』

『寄生って言っちゃだめでござるよwww』

 半蔵門線は積極的に遁術を使って行くらしい。

 遁術、逃げる用の術って聞いたけど、忍者風魔法みたいになってて面白い。妖術みたいな感じだなぁ。炎がうねるうねる。


『しかしこれは、カクさんにちょっと会いに行かねば』

『そうだなー、セツナはまたルートが特殊だから違った反応あるかも』

『それも楽しみ』


 新しい職が続々公開され、ワールド全体が賑わってきた。

 俺の本屋さんの夢も、夢じゃなくなってきた、はず。

ブックマーク、評価、いいねありがとうございます。

誤字脱字報告も助かります。


ようやく錬金術師が解禁されました。

基本共通認識になったらプレイヤー内で話すのはオッケーな感じ。

NPC間ではデリケートな話。

セツナくんか錬金術師にならなかったから、言えなかった感じ。

最初の一人が出たらオッケー。


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― 新着の感想 ―
>『盾を使いながらさらに片手で攻撃出来るものがいい。盾で反らして横から攻撃。だから銃がいいなぁ……』 威力求めるならソードオフショットガンがいいね ただリロードが問題ではあるけど 時代的な世界観で言う…
更新ありがとうございます。 次も楽しみにしています。 本当にセツナ氏は何になるんだろうか
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