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貸本屋のお姉さんに気に入られるために俺は今日も本を読む  作者: 鈴埜


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172.船に乗り込む

 青髪のお兄さんに本を渡すととてもとても感謝された。俺は届けただけなのに。


「研究もされていると聞きました。どんなことを研究してらっしゃるんですか?」


 俺の質問に、青髪の彼はきょとんとした顔をして、笑う。


「色々な言語の書物について調べているんです」

 返答に、俺は合点がいく。

 持ってきた本の表紙の文字が読めなかったのだ。外国語ってことだね。

 納得だ。


「セツナさんは火魔法と水魔法の複合魔法について……付与について、でしたよね? よい先生に巡り会えましたか?」

 あ……申し訳ない。


「実は結局生活魔法の先生のところでお世話になっています」

「ああ! ブラウン先生ですね。あの方はとても優秀なんですよ。自分の研究はもちろんなさっていますが、あちこちの研究室に顔を出して、研究の手助けをしているんです。学院内でも1、2を争う顔の広さですよ」

 面倒の権化じゃないのか!?


「ふふ。普段の姿を見ているとそうは思えませんよね。わかります。ですが、広く浅くというか、あちこちの研究室に首を突っ込むので知識がとてもあるお方なんですよ。何より、研究者たちがこぞって学ぶのはあの生活魔法です。少し教えてもらうだけで使えるあの魔法は、実際とても便利です。ナンバー03の洗浄は、実験器具をきれいにするのにもってこいですし、01は火を付けるのも一発です。学院長なんかは、裏でよく、生活魔法こそ何より有益な魔法だと常々おっしゃっていますから」


 わかりますわかります。実際リアルにあったらファイアーボールより先に洗浄選ぶからね!! 食器洗いも洗濯も、あの魔法だけで終わる。


「次の本が出ることを、学院の者がなによりも待ち焦がれているんです」


 ブラウン先生大人気だなぁ。


 ひとしきり話し終えたところで立ち去る。そろそろ夕方だ。アランブレに帰って、ミュス狩りかな。その前にアンジェリーナさんに報告だ。


 しっかり感謝されて満足して貸本屋を出る。そのままミュス狩り。

 そういえば、クエスト完了といった通知は一切ない。

 あれ?

 前のときもそうだった気がする。おかしいな。ほんとにお願い??


 まあ、アンジェリーナさんのためになっているのならそれはそれでオッケーだ。

 夜の間はミュス狩りである。

 朝になったらアンジェリーナさんのもとに行こう。




「こっちの準備は整った! お前の準備が出来たらすぐ出発だ!!」

 貸本屋の前で捕まった。

「えっと、まだ日も高いですし……」

 これから本屋入り浸る予定だったんだよ。朝だから。朝の9時からは読書タイムだよ!!


「それがよお、いつものメンバーならそこまでなんだが、城の改修工事もあるってんで、騎士様が張り切ってよお」

 えっ??


「この、属性魔法を打つのは1人がやった方が断然いいんだ。下手に3属性持ちくらいが複数名いると、一斉に打って余計な魔法を当てることになるんだよ。変化した魔法を当てるのは1度きり、2度目を当てると反対に魔法を跳ね返してくる。1人が属性を見抜いて、一発だけ打つのがベストなんだ。属性誰が打つか決めろって言っても決めないし、前回は散々だったぜ」


 つまり、われが打つ、われが打つと複数名の放ったファイアーアローで酷い目にあう。


「我が強いんですね」

「多属性持ちはまたプライドが高い。詠唱速度重視で一番早い、威力なんてなんも関係なくていいのにな。活躍したがるんだよ」


 俺の魔法は全部レベル低いけど、詠唱はその分早いです。



 案山子に断ってがっつりご飯を持って行く。一応触媒も確認。毒が減ってるけどまあなんとかかな。毒の触媒だけ増やしたいときはどうしたらいいんだろう……。


 以前と同じく貴族門をくぐり、あ、足が……門をくぐったあたりから足が強制連行の刑!!


 船着き場には見知った面子。船から顔を覗かせてるのもおぼろげだが覚えているメンバーだ。

「よお、セツナ!」

「久しぶりだな、セツナ!」

 みんなフレンドリー。

 そんな中に、背筋がシャキッとしている、甲冑などは着けていないが、明らかに布地が良さそうな衣服を身につけている一団がいた。

 あちらも気付いて、1人が近寄ってくる。

 黒髪に短髪。顔、いいな。


「ハザック親方。今日はよろしくお願いします」

「こちらこそ、騎士様がついてきてくれるなら百人力よ! ほら、こいつが7属性持ちの来訪者だ」

「セツナです。よろしくお願いします」


 騎士は頷いてよろしくと答えた。お名前はフェリックスさん。さま、か。


「現地での動き方はまた船の上で相談しよう。何せ丸2日は船に乗っているのだから」

「だな。で、セツナはいつ寝るんだ?」

「今日の夜中頃ですね~」

 俺の答えにフェリックスは頷いた。


「タイミングもよさそうだな」

 騎士は全部で6人。親方の弟子は10人、海の男たちは……よくわからないけど前回もストーンゴーレム討伐には参加していなかった。


 親方と俺を入れて、総勢18名での討伐戦だ。


 船が動き出し、海の男たちが忙しく動く中、俺たちは階下のテーブルがある部屋に移動した。甲板が一番広くていいんだが、さすがに出航始まってすぐはバタバタと忙しい。


 そこでマジックストーンゴーレムを狩る手はずを相談している。

 なにやらいろんなスキルがあるらしく、騎士の中には初めてマジックストーンゴーレム狩りに参戦する者もいて、活発な議論を交わしている。


 俺の役目は、【属性看破】により属性の変化が見られたら、攻撃の停止を呼びかけつつ、同じ属性魔法を打つことだ。

「戦闘中は騎士の身分などは気にせず、はっきりと声を掛けてくれ。それによって被害がまったく違う」

「了解しました」


 みんながそれぞれの役割を理解したところで、またもや魚釣りとなる。

 今回は【ビギナーズラック】がなくなって、そこまで釣れなかった。みんなちょっと期待していたみたいだが、申し訳ない。

 その代わりに夕飯には案山子の美味しいご飯を振る舞っておいた。お上品なご飯が多い騎士たちには牛丼カツ丼が衝撃だったようだ。ヴァージルもそんな反応してたな。

ブックマーク、評価、いいねありがとうございます。

誤字脱字報告も助かります。


騎士も交えて素材取りに参ります。

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