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貸本屋のお姉さんに気に入られるために俺は今日も本を読む  作者: 鈴埜


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150/362

150.高火力再び

 ソーダがヴァージルのとんでもないスキルを見て微妙な顔をしていた。


ソーダ:

これがあるのが当然になったら危険だ……


ピロリ:

私たちだけだとここら辺が限界よね。殲滅が追いつかなくなってる頃。


半蔵門線:

羽アリ5匹あたりから無理くさいでござるよ。


案山子:

他の先行クランも同じくらいで負けてるみたいだしッ!

このまま行くのッ?


柚子:

とめられないじゃろ……。



 そう、ヴァージルとアランがめちゃくちゃ楽しそうになってきた。

 何そのキラキラ笑顔。

 今日のヴァージルのワンショットいただきですよ!?


 2人はなんと、接敵からのもう少し後衛が安心して対応できるようなスキルを相談までしてる。

『アランは凍る直前に乱射したらいいんじゃないか?』

『うーん、羽アリ落としてからの大技……前衛に当たるのがちょっと怖いんだよなぁ』

『【星のさみだれ】は?』

『空が見えてないから発動しないと思う。星々の力を借りるものだし』

 なんか必殺奥義みたいな話まで。

『【西風の祈り】なら行けるかなぁ』

『ああ、そうだな。次、2集団きたらやってみろよ。サポートする』

 

 これは、火力的に無理だなと思ってもらわないと、とうてい無理な気がします。だがしかし、火力的に無理な時が来るのだろうか? 2人の底力がわからない。わからないというか底なしに思える。


『それじゃあ行こうか』

 ヴァージルの笑顔に俺たちは頷くしかなかった。


 さて、2人が相談していた【西風の祈り】とやら。

 なんぞこれ……。

 柚子の【フロストサークル】に半蔵門線が連れてきたアリが放り込まれた瞬間、アランが指示を出す。


『ピロリ! 下がってくれ』

 漏れたアリに向かおうとしたピロリだが、ヴァージルの言葉に、反射的に後衛のところまで飛び退る。

「【西風の祈り】」

 アランの手元が薄い緑色に光って、引き絞ったその手を離すと、無数の矢が【フロストサークル】の周りをぐるぐる回った後に、散った。


 なんかアニメの兵器で見たようなちょっと現実には有り得ない動きしてるんだけど!? ホーミングミサイルみたいになってる。ホーミングアローか。こわっ!! どこが祈りだよ。もっと穏便なものかと思っていたのに!!


『うーん、魔力効率はイマイチだな。あと、的はやっぱり仲間は外せるから大丈夫そうだ』

『視認優先だろ? パーティーメンバーに目印を付けるか?』

『戦場で使うならその方が安全だな』

 なんの検討会だよ……。


案山子:

魔法使いとしての自信がなくなりましたッ……


柚子:

この動画UPしたら弓師希望者が増えるのじゃぁ


『すまないね、ちょっと数がいたから試してみたくて。なかなかこの強さと数は揃わないから』

『構わないんですけど、やべースキルですね』

『お、セツナ君。弓師目指しちゃう-?』

 弓は無理かなぁ~ミュス狩りの効率悪そうだし。魔弓持たないと矢代すごそう。


 この2人がいるおかげでど安定で先へ進めた。途中強い個体がいたので何かと思ったら、兵隊アリに紛れた兵隊アリ兵長だった。ランクが上がってる。

 ヴァージルの【風塵】で倒せなかったから何かと思った。すかさずピロリが止めを刺していた。

 早く武器作りたいなぁ。今、ダガー、短剣でやってるからスキルが出たとしても短剣用のものでしかない。でもそれよりは長剣、ヴァージルが作ってるくらいのやつで炎の【なぎ払い】をしたい。


 やっぱり鍛冶屋に行こう。先にどのくらいの金額が必要か聞いてこよう! 目標がある方がやる気がでるだろう。




 さて、地下3階へ潜る階段の前までやってきました。

 あの後、おかわりを体験し、最大3集団まで相手をすること数度。

 おかげで俺のレベルが2上がってます。

 あと、気付いた。やっぱり、NPCとパーティー組んでるとプレイヤーの集団と遭遇しない。わざわざ別チャンネル用意されてるなって話になっている。


 ピロリたちももうすぐ上がりそうだという話。


 俺たちは十分堪能というか、俺たちだけだとここまで来るのにボロボロになっていそう。俺は5回は死んでる気がする。


 最先行でも3階にはまだ行ってないらしい。


ソーダ:

分不相応なところには行くべきではないんだが……


ピロリ:

ちょっと欲が出ちゃうわよね~


『今日は2階までという話だったけど、どうする?』

 どうする? がめちゃくちゃいい笑顔で聞いてくるんだよ。全然どうする? じゃないんだよね。ヴァージル。隣のアランも。どうする? 進もうよ! って誘ってる。


『お2人は魔力と体力は……』

『問題なし! 魔力もちょっと休憩したら回復したし』

『回復速度上げるスキルある人とみたのじゃ~』

『あるよー』

 アランがVサインしてる。


『んんー』

 悩むソーダにヴァージルは頷く。

『判断は任せるよ』

『んんーーー、じゃあ、EP回復させてちょっとチラ見して行きましょうか』


 布を広げてみんなで座る。

 立って食べるのもなぁ。【気配察知】で敵の接近はわかるし。


『牛丼、カツ丼、おにぎり、カツサンド、桃のクリームチーズタルト、どれがいいッ!』

 ヴァージルとアランは迷わず牛丼だった。カツ丼もこの間食べてて気に入っていた。俺は新作の桃のクリームチーズタルトとおにぎりをいただく。


『案山子君のご飯本当に美味しいよね~』

『まだまだたくさんレシピ開拓しますッ!!』

『ブルーブル狩りする』

 ミュス狩りは別として、ブルーブル狩り結構くせになるんだよね。あの背中に乗って突撃した後のヘイトの向き方がすごくて。真っ直ぐ来るからわりと避けられるし。避けつつ、最近は風付与で切り裂く。火はね、肉が焼けちゃいました。加工済みになっちゃうからやめた。

 ひとしきりご飯を堪能して、いざ出陣。

 

『無理そうならすぐ2階へ避難か、八海山のポータルに乗ってください。ヴァージルとアランが先ですよ!』


 ヴァージルだけ呼び捨てなんてずるいって、アランがごねて、ソーダたちはアランも呼び捨てになっている。

 地下3階へ行く階段は、土で作られている。階段があるのがおかしいんだけどね。

 まあそこら辺は突っ込まずにGOだ。


 細長い一本道。先頭を行くのは半蔵門線、すぐ後ろはソーダ。いざというときは半蔵門線の前に出て盾で防ぐのだ。

 そういえば、蟻酸を浴びる暇がなかったな。綺麗に氷に入れるし、羽アリは落ちても酸を吐かないし。


 そして、――大きな空洞に出た。


ソーダ:

やっちまった気がする!!



 同意!!


ブックマーク、評価、いいねありがとうございます。

誤字脱字報告も助かります。


NPC2人に追い立てられて先に行ってしまった感じ


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― 新着の感想 ―
いまさら気がついたんだけど子狩り、丑狩りだからもしかして敵側十二支? 他の街の雑魚敵にも王っているのかな? でもこの主人公寅狩りしなさそう。 次の回顔出して様子を見たら帰ろうって思ってたらボス戦開始…
はてさて、モンスターハウスかボス部屋か
更新ありがとうございます。 次も楽しみにしています。 ボス部屋へごあんな〜い
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