144.おつかいクエストのために
おつかいクエストは、
■イエローハイマッシュルームの採集
■イエローブルフロッグの脂汗の採集
この二つだ。
キノコはこの面子がいたら黄色親分出てきてもいけそう。余裕そう。なので心配していないが、脂汗がなぁ。
「とりあえず何も考えずにそのヘビのモンスター連れていってみましょうよ」
「ヘビはどんなヤツなのか見てからかな?」
八海山がポータルを取っているので、クランハウス集合になった。
この短い間にでも本屋にと思ったが、自分からお誘いしておいてそれもなぁということで、現在作戦会議。
「ヘビは、空を飛んでるモンスターを食べてました。俺がぎょろちゃんに乗って飛んでるときに【投擲】で羽根を狙って落としたら、それをぱくついてた」
「弱肉強食じゃのう……カエルさん、食べられないように瓶に入れるか。普通のブルフロッグと同じくらいの大きさ?」
「そうですね。黄色い以外完全にあいつと同じでした」
「ならここらへんかなぁ。そやつ、毒持ってるんじゃろ?」
「らしいですねー。ハイになるキノコ食べてるからかな」
毒を持つ食物を食べて毒を持つことになった生物だ。柚子がいくつも瓶を取り出し眺めていた。
「お待たせ~。準備する」
「ガチの数学の授業しやがったッ!!」
「あれ、なんか新しい事業でも始めるつもりなんじゃね? 大学生向けとか?」
「受験勉強終わってる勢に??」
「大人になってあのころの授業ちゃんと受けておきたかった勢に」
需要は……あるかな? 公開授業とかあるしなぁ。時間がなくて行けない人向けとか、興味のある分野なら楽しいかもしれない。
「テストで落ちたヤツ、ふざけた回答ばっかりしてた面子だけみたいだし」
「数学以外は楽しいかもしれないッ!! 今度は歴史とか狙ってみようかと思うッ」
「あー、歴史はいいかも。国語も……古典とかまあ、今更だけど」
「英語の授業は需要しかないかもしれないわね~」
「大人になって勉強始める人も多いのじゃ」
ただ、受験勉強にはイマイチらしい。定着率が微妙とか。それにやはり、起きている間も寝ている間も勉強は、メンタル面でやられるという。
純粋な知識講座としては良いかもしれない。ゲーム知らない人がウロブルまで来ないといけないのがアレだが、ゲームの斡旋方法としては間違っていない気もする。
このゲームは毎月の定額支払いと、時々発売する特別アイテム課金が直接的な収入のメインだ。
あとは、始まるロードの時に流れるCMかな。ほとんど気にならない。1分もかからないし、エロ広告ないしね。近未来設定とかなら、街中に広告を出せるゲームもあるらしい。さすがにファンタジーなここでは無理だ。世界観がむちゃくちゃになってしまう。
半蔵門線以外が揃いパーティーを組む。出発だ。
うう、まだレベル追いつけない。急がねば。
途中までは騎獣に乗り、俺が言っていた飛ぶモンスターが現れだしたところで降りることとなった。
『敵影、4つ。前方2匹と右手に1、左手に1』
『前方は……言ってたヘビだな。セツナ右側警戒しておいてー』
『りょ』
半蔵門線がいないので、今日は俺がそこをカバーできるように頑張らねば。
『ヘビ視認。属性は、水?』
『カエルに属性的にも優位か。まあ、魔力の差があったりスキル差があれば全然関係ないけどなー』
『一度殲滅してみよう』
水に水は微妙なので、風を付与して準備だ。
1匹2匹なら問題なく倒せることがわかる。が、なんとこのヘビ、沈黙のデバフを投げてくる。
『ほんげー』
『むぐーッ!!』
魔法使い2人、無力化されていた。
『ヘイトとりしっかりしないと危険だな。何分?』
『5分じゃねー』
『あーでもこれ、沈黙をカエルにかけて、カエルが暴れるの防げたらいいのか』
カエルを瓶に詰めるって話していたとき、そこが困るなと思ってたんだよね。
『んーじゃあ、ヘビ持って行って、カエル詰め込んで、お見合いするか』
『先に黄色親分倒してからがいいんじゃないか?』
『順番が決まったなら、その泉まで騎獣で駆け抜けるか』
という話になり、ぎょろちゃん移動。飛んできたら羽根狙って【投擲】だ。
湖がちかくなったところで降りると、さっそくイエローブルフラッグのおでまし。
『てか、セツナよくこれに勝てたな。このカエル結構強そうじゃん』
『強かったよ。ウンディーネが助太刀してくれた』
『あれ、お前契約交わしてないんだろ??』
『アンジェリーナさんを差し置いて伴侶にすると思うか? 運動会3種目全部勝ったからかなぁ??』
前回はカエルをたくさん狩ったら親分が出てきた。
正直、ウンディーネが現れた湖に放り投げるのはちょっとなあと思う。あそこと違って、ここ綺麗なんだよ。
『なら、瓶たくさんあるから閉じ込めるのじゃ。せっちゃんはとりま舌切りコースで。出てこないならヘビ捕まえに行くのじゃー』
結局やることは同じだった。
黄色いキノコに手を伸ばし、西風のダガーを振るう。
「ゴゲエェェ!!」
黄カエルおこ。からの石つぶて。
『あ、痛いっ』
『瓶入れてみる? あんまりこのカエル触りたくないが』
ソーダも触るのをためらう黄色さ。蛍光色なんだよなぁ。
『軍手あるのじゃ、貸しちゃる』
『柚子サンキュー!』
器用さを上げる軍手らしいが、気持ちの問題か?
石つぶてを浴びながら、カエルを掴んで柚子の差し出した瓶に放り込む。蓋を閉めるが、石つぶてで破壊された。
『残念なのじゃ~』
『なら始末かな?』
ピロリが動こうとしたところをソーダが止める。
『セツナ、ちょっとでも経験値稼いどけ』
付与を水に変えて、ソーダが掴んでいるカエルをスパッとやった。
おー、1%増える。
まさかのこんなところでレベル上げになると思わなかったが、余裕があるクランメンバーのおかげで、カエル20匹くらいすぱっとやりました。
そして、俺の【気配察知】が働く。
『あ、来る。湖から』
やっぱり放り投げてよかったのかもしれない。
今までにない大きな気配。現れたのはビッグイエローブルフロッグだ。俺が名前を知ってるせいか、???でなく、ちゃんと名前表記がある。
『おおー、黄色親分!!』
『ノーマル親分よりは強いかもしれないから十分気をつけて』
八海山のバフが配られる。
『ピロリさん、剣に付与いる?』
『あ、もらおうかな。やっぱり土系?』
『ですねー【水付与】』
『【MP譲渡】』
付与あと1回分だけということで柚子がMPをくれた。ありがたい。
魔法使い組は、回復力が上がるスキルと、もともとMPが多いのが相まって、MPが切れることはそこまでないらしい。回復とバフに忙しい八海山がたまに息切れするので、【MP譲渡】はなかなかいいスキルだと褒められた。
『ヴァージル様々なのじゃ』
いやー、ホントにね。
さあ、黄色親分と対決だ。
ブックマーク、評価、いいねありがとうございます。
誤字脱字報告も助かります。
睡眠学習は色々やばそーなので触れるのはあんまりしたくないw
そんな話もありました程度で。
そちらに話を広げる気はない!




