130.かっこいい魔法剣
「か、かっこいいいい!!」
絶対これ、やる! かっこよ!! かっこよすぎるだろ-!!
「俺もこうやって、若者が付与の道へと踏み出すときに居合わせて嬉しいですよ」
へへって笑うアラン。
めっちゃ照れてる。
いや、かっこいいだろ炎の剣って。ドリームじゃんよぉ。
「あ、でも、ヴァージルの剣って傷まないの?」
「ああ、魔法の付与は、剣には影響ない。というか、付与と相性のいい剣を持つことで、付与の効力も増す。セツナのダガーは悪くないが、よくもないなぁ。付与を使うなら、魔鉱石を使って作らないと。まあ、それもそのうち、かな。少し金を貯めないと無理だ」
「ヴァージルの少しがどんな少しなのか怖くて聞けない……」
お貴族様のお金貯める感覚怖い。
「レインボーシータートルを狩りに行ったら結構早く貯まるんじゃないか?」
「あー……出たらそれだけでかなりの金額だった。ヴァージルの腕がいいから、この間のもすごく高く売れた」
「それは良かった。まずは付与を覚え、付与の種類を増やして、付与した剣でのスキルを習得しつつ、金策かなぁ。剣の種類によってもスキルは変わるから、剣は早めに決めたほうがいいな」
長い道のりというか、ずっと付き合わせるのもなんなんだが。
「どうせ、非番の日も、訓練場で俺らの相手するようなヤツだ。外に出ていってくれる方が、俺たちの気も休まるよ。是非、連れ回してくれ」
アランが言うと、ヴァージルは苦笑する。
上が休まないと下は休めないの典型じゃん。
「さ、それじゃあ、付与、覚えてもらおうかな」
そこから、付与の仕方を教えてくれるのだが……すぐ覚えた。スクロールとかないから、こうやってやるんだよ、と言われて覚える感じ。本来はこれを金を払ってやるのだ。ありがたい。
「セツナはもう少し勉強が必要かな? 魔力が足りない感じがする」
「そうですねー、発展途上です。訓練の方向性も悩んでいて、筋力を増やすようトレーニングも必要なのかなぁ」
「かなり動きは素早いようだから、そうだな……その素早さを生かして手数を増やすスタイルなら、筋力はもう少し鍛えるくらいでもいいかもな。今の状態だと付与を3回すると、魔力が切れそうだよね」
付与は結構MP使う。
「まあ、付与は触媒がすべてだから。ヴァージルと触媒も取りに行くんだろ?」
「ああ、そのつもりだよ」
そんなに付き合わせては、とは言えなかった。
どこにとか全然知らないし、ソーダたちもそこまでだろうからな。
「よろしくお願いします」
「非番の日の気晴らし程度だろう。利用してやれ。ついでに俺のを採ってきてくれたらいいさ!」
「やだよ」
「はあぁ!? 俺の付与めちゃくちゃ助かってるだろーに!!」
仲良しさんだ。
「そうだ、セツナ、聖属性の、最初の魔法、【ホーリーライト】を教えておくよ。これで、何属性になる?」
「えーと、この間の虹亀さんのとき、無属性を忘れてて……」
「ああ、そういえばそうだったな。俺も忘れてた」
「無、火、氷、風、雷、地、水の7ですね」
「……7?」
「あー、本読んでたら、【ウォーターボール】の習得のヒントがあって、おかげさまで」
「そうか。だがあまり1人で危ないところに行かないでくれよ」
「はーい」
心配してくれるの、あざっす! まあ、死んでもなぁ……とは言えないからありがたく受け取っておく。
「【ホーリーライト】覚えるならその前にお祈りしておく方がいいよ」
アランに言われて、俺たちは移動する。
神殿の方に行くのかと思いきや、なんでも騎士団内にも祈りの間があるという。ヴァージルと表うろついてると注目集めるから助かる。
というか、聖職者にならなくても派生魔法は覚えられるのか。
祭壇は小さなものだった。小部屋に最低限のお花と祭壇。彫像はなし。
あの彫像あると気が散るから、その方が助かる。
祭壇の前で跪いてお祈りポーズを取ると、隣でヴァージルも一緒に……やめろぉおぉぉ。イェーメールで、双子座の前でこれは何かいかん気がするぞっ!!
と思ったが変化は特になかったので、邪心を払って【ホーリーライト】覚えられますように、ってお祈りしておいた。
またもや屋内訓練場で【ホーリーライト】を教えてもらう。今度はヴァージルだ。
魔法増えるのはちょっと嬉しい。
「今日はありがとうございました。こちら、お酒と甘い物がお好きと伺いまして」
酒各種、お菓子色々をテーブルに並べる。
ヴァージルの執務室です。ちょっとお茶にしようとお誘いいただいた。
ヴァージル親衛隊の皆様!! たくさん、たくさん撮っていきます!! やっぱり潜入24時だなぁ。
「セツナ君っ!! ありがとうっ!」
「おい、こんな時間から飲むつもりか?」
「こんな時間って、もう19時だぞ。夕飯時。食堂行ったらあいつらに酒とられるし、そうだ、ここで食おう。ちょっと持って来させる。セツナ君、それ1回しまっておいて」
アランはそう言って出て行った。
「もうご飯の時間だったんですね、すみません」
「いや、セツナの活動周期は特殊だからそちらに合わせるつもりだったんだよ。お茶をと言ったらあいつまで付いてくるとは思わなかった」
俺もそれならお礼があるって言っちゃったしなあ。
アランは他の騎士にも食事を運ばせ、俺の前にも並べてくれた。
神殿だから粗食かと思いきや、結構バランスがよい、もりもりしたお食事だった。
身体動かす仕事だからかな?
肉と野菜とパンとスープ。もりもり。
味もまあまあだ。塩コショウメインだけど。
アランは再びアイテムポーチから出した酒を飲んでいる。
「これが幻の酒、ニホン酒か。なかなか癖のある良い酒だ」
おい、小人族どもっ!! 幻になってるぞ!!
ヴァージルは甘い物もいけるらしく、餡団子を楽しんでいた。
「しかし、食事は、セツナのところの案山子の物が旨いな」
「ですよねー、案山子さんのご飯美味しくて、つい食べ過ぎます」
EP満タンなのにぱくついちゃう。
「あ、ヴァージルには牛丼持って来たの忘れてた」
「それはっ……」
すでに空の皿を眺めて悔しそうにしてる。
「牛丼とは?」
「えーと、ローレンガの主食、米を使った美味しい肉ご飯です」
「食いてえ……」
恨めしそうに皿を見る。
「よし、それじゃあ身体動かしに行くか」
「あー、今日明日別に何もなかったよな? 俺の付与触媒取りに行くって業務にして行っちゃおうぜ」
そうだそうだと2人が動き出す。
え、ええーっ!?
ヴァージルが執務机で何やら申請書を書き出す。
アランはテーブルの上を人を呼んで片付けさせ、準備してくると部屋に戻った。
ヴァージルも着替えに行った。
寝室が、執務室の隣にあるらしい。
くっ……すまん、男のベッド覗く趣味はないんだ、親衛隊たちよ。
あれよあれよという間に、お出かけの準備が出来た。
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寝室は、覗けなかった……




