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短編・その他(ハイファン、童話、推理、詩、純文学、その他)

誰も知らない【嫁tueee】なルヴェリア王国史

作者: 二角ゆう

数ある中から作品を選んでいただきありがとうございます!

「俺tueee」を読んで『嫁tueee』があってもいいのかなと書いてみました。

懺悔室に残された記録(一)


 私は職場でそれなりの地位に就いていますが、妻の前では頭が上がりません。

 実は職場では威厳を保つのに見栄を張っています。

 この前も周りに合わせて自分も得ようとしたものがバレたところ、『それをしたら、実家に帰ります』と倹約家の妻に凄まれたので、怖くなってやめました。

 また、ご機嫌を取ろうと買ったものがバレてしまい『こんなもので機嫌が取れると思っているのか』と返品させられ、不機嫌にさせてしまいました。反省しています。

 家に穏便に帰る方法はありますか?

       by恐妻家だけど、嫁ラブさん


【懺悔室からの回答】


 あなたが職場で板挟みの状態、奥様を大事にされていることを強く感じました。

 奥様に誤解されたままではもったいなく感じます。

 物で機嫌を取るのに失敗していますから、違う方法を試してはいかがでしょうか?

 ただし、奥様はもう状況を把握されているようです。

 言葉を選ばず、誠実さだけを持って帰宅なさるのが、最短の道でしょう。



懺悔室に残る記録(二)


 この前、仕事中に失敗から上司を激怒させてしまいました。

 物でご機嫌を取ろうと考えましたが、思い直し妻にそのことを打ち明けました。

 すると『正面切って謝ってきなさい』との答え。“正面切ってとは?”と妻に問いかけると、『丸腰で死ぬ覚悟で謝りなさい。私がついていってあげる』と言われました。

 正直、上司に会うのが怖いです。

               by嫁命さん


【懺悔室からの回答】


 とても真摯で情熱のある奥様だと感じます。あなたには謝罪の念がおありですので、長引かせると悪化させてしまいます。

 奥様にあなたの気概を見せるには、できるだけ早く上司に覚悟を見せることです。

 奥様には先にお礼を言われてはいかがでしょうか。

 奥様が同行されるとのこと、これほど心強いことはありません。

 どうか覚悟だけは忘れずに。

 帰り道が一人でないことを、感謝なさってください。



───────────────────



 ルヴェリア王国史(一部抜粋)──。



 一七世紀前半にルヴェリア王国を統治したエドガル王は隣国を侵略せず、他国と同盟を結ぶことで平和な時代を築いた。


 内戦で王国を統治したエドガル王の右腕とされた宰相ハロルド・ケインは統治の折、自らの失敗を認め謝罪することによって、王権が武力以外の統治手段を選択する契機となった。


 また、ハロルド・ケインの謝罪は武力統治時代に武器も持たずに行われた。


 この出来事は後世において「ケインの謝罪」と呼ばれ、

 現在では「最大限の誠意を表した謝罪」を指す慣用表現として定着している。


 力による領土拡張が一般的であったセレスタ帝国時代において、

 自国の領土拡大を行わず、統治後の内政方針を国民に示した点は、当時としては異例の統治姿勢であった。


 さらに不作の年には、王室の贅沢を一切やめ、国民のために国庫を開いた。

 それによって国民からの支持を得たとされる。


 私生活においても一人の王妃のみを伴侶とし、その姿勢は後世の評価に影響を与えている。


※なお、この時代の為政者たちが家庭でどのような助言を受けていたかは、記録に残っていない。

お読みいただきありがとうございました!

作者は何を考えているんでしょうねぇ?

少しでもくすりとしていただけると嬉しいです。

誤字脱字がありましたら、ぜひご連絡お願いします!

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― 新着の感想 ―
前半と後半のギャップにびっくりしました。 。Σ(-∀-;)色々スケールが 桁違いです。 家じゃなく、国家レベルでしたか。 奥さん一人で、解決したのね。
実際でも嫁Tueeeeeの家庭の方が多数派では? (´・ω・`) にしても懺悔の内容が平和で良かったw (*´ω`*)
お仕事、大変だなぁ、とか思っていたらまさかの宰相(≧∇≦) 家庭では地位低かったんですね(笑)
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