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盾持ち令嬢の英雄譚  作者: 雨降波近
第二章 今更戻れと言われても、もう遅いですわ!
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第九話




「……認めるしかないようね。アディ、アンタはたしかに、実力はあるみたい」


 言って、けれど木剣を構えるサフィラ。


「でも、冒険者に相応しいかどうかは別! 本当に、本気で冒険者になりたいなら! アタシを倒してみせなさいッ!」


 そうして、サフィラは再び攻撃を開始した。木剣を受け流しながら、アディは応える。


「わかりましたわッ!!」


 次の瞬間――アディは、深く姿勢を沈み込ませる。弾いた木剣の軌道に潜り込むように。

 タックルが来る――っ! と、サフィラは予測した。だから咄嗟に、木剣を盾にしながら後ろに下がる。


 けれど、それだけでは足りない。アディの攻撃は、ただのタックルでは済まないのだから。


「――シールドアタックッ!!」


 盾を構えながらの、体当たり。これと同時に、シールドバッシュ。

 ぶつかる木剣と盾。この時、シールドバッシュのエネルギーが開放される。


 すると――強い衝撃を受けて、サフィラは耐えきれなくなる。


「ぐっ!?」


 あまりにもの衝撃だったから。サフィラの手から、木剣が弾き飛ばされる。

 そして、まるで風に舞い上がる花びらのように。スキル発動の光を散らしながら、サフィラの身体が吹き飛んでいく。


 慌てて、サフィラは空中で姿勢を整える。なんとか着地には成功。けれど、木剣ははるか遠くへと飛ばされてしまった。

 こうなれば、もはや剣士は戦えない。勝負あり、といったところだろう。


「――いかがですか。サフィラさん?」


 にこり、と問いかけるアディ。観念したように、一つ息を吐いて。サフィラも笑顔を浮かべる。


「……そうね。これは、認めざるを得ないわ。貴女、本当に強いのね。それに、思いも伝わってきたわ。本気で冒険者になりたいんだって」

「それでは?」

「うん。認めてあげるわ。貴女も立派な冒険者の一員よ!」


 こうして、サフィラの難癖から始まった騒動は決着を迎えようとしていた。


「ごめんなさいね、アディ。試すような真似をしちゃって」

「いえいえ。構いませんわ。それに、あれはサフィラさんの優しさだって分かっていましたもの」

「ん? えっ?」


 アディに言われて。サフィラは僅かばかり、狼狽する。


「ああやって、自分が憎まれることになろうとも。危険な冒険者という仕事から、遊び半分の者を遠ざける。――立派なことだと思いますわ」

「い、いやっ! そこまでのことじゃないわよ! ただ単に、気に入らなかっただけよっ!」

「そうですの? わたくしてっきり、そうだと思っていましたのに。自分の栄誉よりも、誰かの為を優先する。お言葉通りの、素敵な行為であったと」

「あー、あーっ! やめやめっ! そういうのナシっ!!」


 ひたすら照れて、慌てるような仕草を見せるサフィラ。そんなサフィラを見て、アディはくすり、と笑う。


「では改めて。わたくしはアディ。本日から、冒険者となるものですわ。今後共、是非ご教授頂けると嬉しく思いますわ」

「あー、うん。何でも聞いてくれたらいいよ。アタシはサフィラ。他の冒険者にはブルースター、なんて呼ばれてるけど。普通に名前で呼んでくれたら嬉しいな」


 言って、サフィラは自己紹介と一緒に、自身の冒険者ギルド登録証を掲げて見せた。


--------


名前:サフィラ(女)

年齢:16歳

職業:上級剣士


生命:B

身体:B

耐久:C

魔力:B

抵抗:C


総合攻撃力評価:B

ダメージ増加:B 命中:B


総合防御力評価:B

ダメージ軽減:B 回避:B


--------


 こうして、二人は友誼を交わすこととなった。

 ――というのに。外野から、邪魔をするような声が響く。


「――おいてめぇ! ブルースタァ!! ふざけんじゃねぇぞォ!!」

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