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Time Trip to Another World ~東雲~  作者: 蒼穹の使者
第一章 一さんに会いたい・・・
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第36話 本当に予備自衛官になりました②

社長室を出た頃にはもう昼休みに入る時間だった

はぁ、私はいったい何処に向かっているのだろうか

予備自衛官って、元自衛官とかがなるんじゃなかったかな?


「はぁ」


気を取り直して運輸部のドアを開けた


「瑠璃っ、さ、お昼休みですよ。食堂、食堂」

「えっ、ちょっと待って」


妙に陽気なえりと眞子に両腕を捕まれて

そのまま社員食堂に連れられて行った


なんだ、理由はこれか・・・

総司がこっちこっちと手招きをしている


「なんで総司が此処にいるの?」

「瑠璃、そんな言い方はないでしょう。お兄様が心配して来てくれたのに」

「心配!何を?」


聞けば私が社長室に呼ばれたことを知っていた

この人たちは何かのホットラインを持っているな


「凄い!瑠璃、自衛官になったのね!」

「違います、予備自衛官です」

「同じだよ」

「土方家ってどんな血筋なんですか?兄妹そろって自衛官だなんて」

「なんでだろ、でもこれからも変わらずに瑠璃のこと宜しくね」

「勿論ですよ~」

「あ、ねえ、副社長からの電話音変えたんですか?」

「ああ、うん変えたよ。だって歳三さんが変えろって煩いから。なんでバレたんだろうね」


そう言って総司は笑っていた 犯人は総司だったのか

ふと二人を見ると口を半開きで固まっていた


「ねえ、二人ともどうしたの?」

「今、今、何か聞こえた・・・」

「何が聞こえたの?」

「と、としぞうさんって・・・もしかして副社長の」

「そうだけど、僕おかしな事言ったかな」

「新選組の土方歳三と同じ名前!!」

「そうだね、僕たちの長男だけど古臭い名前だよね?名前負けしそうでしょ。ははっ」


ちょっと、総司?

彼女たちには刺激が強すぎたみたいですけど


「長男!?」


やっぱり、副社長=私の兄という式はなかっようです

午後のお仕事、大丈夫だろうか


食堂から戻る途中、総司に呼び止められた

二人はふわふわした感じで気づかずに先に行ってしまった


「瑠璃、それ何?」


総司が指を刺したのは、胸ポケットに入れていた名刺だ


「名刺です。研修で私たちを担当した陸曹の」


言い終わる前に名刺が抜き取られる


「あっ、ちょっと」

「ふうん、甲斐龍二ねぇ。僕の時も居たのかな?随分と熱い男だね」


もちろん総司は名刺の裏も見ちゃったわけで


「私に倒された例の鬼教官ですよ」

「なるほどねぇ、Mなんだね。瑠璃はこの人に相談とかしちゃうの?」

「はぁ!まさか」

「ならいいけど。瑠璃の事そうとう気に入ってると思うよ?」

「え?そんなわけないでしょ」

「じゃなきゃ、3等陸曹が上官と一緒に来るわけないし予備自衛官なんて勝手に認定しないでしょ」

「私、気に入られても困ります」

「ま、彼らも暇じゃないだろうから瑠璃から連絡しなければ忘れるよ」

「うん・・・」


総司は何もなかったように仕事に戻って行った

気に入られる要素が何処にあるのか全く分からい

むしろ恨まれてもおかしくないんだから


それに誰かに特別な想いなんて、持たないよ

私は一人の男性ひとを想うだけで潰されそうなのに


ーーーーーーーー


総司がこの頃まめにメールを寄越してくる

妹が予備自衛官になったのだそうだ

指導をした陸曹が彼女を気に入ったらしい

それがどうしたと言うのか

これに俺は返信すべきなのか悩んでいる


「まったく、何を考えているのか分からん」


それより俺はその妹に会った事がないのだ

総司に似ていなければいいが…

いづれにせよ、何かしら接する事もあるだろう


しかし、妹、妹と連発していて名前が記されていない

土方・・・ 妙に気になるのは気のせいか


やはり返信はやめておこう

総司のトラップにやすやすと掛かってたまるか



斎藤一、本社転勤まであと半年

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