第20話 新入社員研修!?
朝、会社のパソコンを立ち上げると
総務部からメールが来ていた
タイトルは新入社員研修についてのお知らせ
「新入社員研修!?」
開くと、この秋に新入社員研修を行う内容が書かれてあった
驚いたのは自衛隊の訓練研修との記載が
「自衛隊!?」
えりと眞子が出社して来て、フリーズした私を見る
「どうしたの?おーい、瑠璃?」
「あっ、はっ。おはよう」
「パソコン見て何フリーズしてるの?問題でも起きた?」
「これ!新入社員研修のお知らせが」
「げっ!?復活したの?」
「可哀想に、がんばるのよ」
「え?二人は受けてないの?」
「うん、ラッキーな事に忙しい年だったみたいで」
ここ2年ほど止まっていた自衛隊入隊体験
なんで自衛隊なんだろう
昼休みに食堂で総司に会った
新入社員研修の事を話したら、笑われた
「瑠璃、ツイてないねっ。あれ本当に自衛官と同じ訓練させらせるから覚悟しといたほうがいいよ。勇さんも趣味悪いよね」
「ねえ、なんで自衛隊体験なの?」
「なんだろう、大和魂を鍛えるとかなんとか」
「え・・・何それ」
もの凄く憂鬱になってきた
暑い夏は始まったばかりだけど、終わったら研修だなんて
しかも心身共に鍛え上げられるらしい
「えりも行こうよ〜」
「いやいや、もう新人じゃないし」
「はぁ」
「それより瑠璃、いつの間に土方くんと仲良くなったの?」
「そうよ、彼って凄くイケメンなのにあまり女子と話してくれないんだからねっ。どうやって取り込んだの!」
「え?前に言ったでしょ、兄妹だって」
「・・・えっ!?土方さんだけじゃなくて??」
「嘘・・・一番組、組長も?」
「嘘じゃないし。それに一応言っておくけど、この会社にいる土方姓はみんな血が繋がってるからねっ!」
「ええ!!」
そんなに仰け反らなくてもいいと思うんだけど
二人共、左之兄だけと思っていたのかな
口開けたままフリーズしている
眞子に至っては「副長も・・・」などと怪しい呟きをしていた
ついでに言うなら二番組組長もいるからねっ
まあ、そのうち慣れてくれるでしょう
そう祈りながら、先に席に戻った
夕飯時、新入社員研修の話を歳三兄さんにしたら
「初日に総務で説明されなかったのか?」
「されたのかな?もう、覚えていません」
「おまえ、普通はそれ聞いたら皆びっくりして喰い付くぞ」
「あ、あはは」
その時はそれどころでは無かったんです
目の前に山南さんもとい、山南さんが現れたから
頭、吹っ飛んでいたんですよ
「女性社員だからって、贔屓は無いみたいだぞ」
「ですかぁ・・・、その日までに体力つけておかないといけませんね。もう、筋肉痛になりたくないから」
「ははっ、そんな事があったな。なら時間がある時に道場に行ったらとうだ。そこそこ鍛えるられるぞ」
「なるほど!そうします」
という流れで、週末に時間が許される限りは道場で
鍛錬しようと決めたのでした
なんか乗り切れそうな気がして来た
よしっ、洗い物しよっと
「あそこの道場はたまに勇さんや、他の部署のヤツも来てって。もう居ねえじゃねえかっ。せっかちなやつだな」
そんな歳三もまた、かなりのせっかちだ
「勇さんに一言言っておくか」
その頃、えりは眞子と外で夕飯を一緒に取っていた
「ねえ、眞子!って事はさぁ、歓迎会した日の夜に瑠璃を迎えに来たお兄さんって・・・」
「副社長!?」
「やばいって、凄くない?うちの部署の4大イケメンメンバーの殆どが瑠璃のお兄さんだよぉぉ。なんか感動してる自分がいる」
「土方副社長、土方左之助、土方総司、斎藤一。この4人のうち3人が・・・恐ろしいっ。ああ、新選組」
「新選組はいいから、けど通関課の斎藤さんいつ戻って来るんだろうね。もうかれこれ2年は経つよね?」
「そろそろかなあ、滅茶苦茶厳しい事で有名だよ?1グラムも誤差を許さないって!日本語表記と英語表記の違いとか、一目で分かるらしいよ。どうしよー、私書類出す自信がない」
「まあ、まあ、そういう人がいるから税関からのペナルティがなきんだから。お陰で優良企業のハンコ押されたしね」
まだ私は知らなかった
一さんは株式会社誠の社員で出向中
近くこの本社営業部に戻って来るという事を
しかも同じ部署でパーテーションの向こうにある通関課に




