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Time Trip to Another World ~東雲~  作者: 蒼穹の使者
第一章 一さんに会いたい・・・
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第10話 初出社

あっという間に初出勤の日が来た

山崎さんも仕事をするのはいい事だと賛成してくれた

でも月に一度は顔を出す約束をした


「歳三兄さん、電車の時間があるから先に出ますね」

「ああ、何かあったら俺んとこに来い」

「仕事で何かあっても行きませんよっ。いち平社員が副社長訪ねて行ったりしないですよ」

「分かったよ。けど、無理するんじゃねえぞ」

「はい、行ってきます」

「おう、行ってこい」


もう24歳だって言うのに夕べは大変だった

会社に着いたら総務に行って、運輸部の部長を訪ねて

女子が多いが、男子も多いから気をつけろとか

何に気をつけるんだと言いたい


最寄りの駅まで徒歩5分、電車に揺られ15分、会社まで徒歩5分

マンションが都心部にあるお陰で通勤に苦労はなさそうです

いつでも会社に行けるように近くにしてるんだろうな

総司は仕事の鬼だと言っていたけど

社員の為に身を粉にしている事は分かっている

歳三兄さんはそういう人だ


受付で総務を教えてもらった

この人たち早いな、もう仕事をしている


「失礼します。おはようございます、今日から出社しました土方と申します」

「おはようございます。えっと、土方さん?」

「はい!土方瑠璃と申します」

「では、入社手続と説明がありますので、あちらに掛けてお待ち下さい。もう暫くしたら部長が参りますので」


総務部長が説明してくださるのか

それにしても総務だけで何人いるんだろう

総務、人事、管理、経理がこのフロアに入っている

会社の中枢ですね


「お待たせしました」

「はっ、おはようございます。土方瑠璃です」

「はい伺っておりますよ」


一礼をして、顔を上げた

目の前で穏やかに微笑む人、それは


「あっ!? さ、さん」

山南(やまなみ)と申します」


目の前にいるのは曾て総長を務め

大阪で別れた山南さんだった

え?やまなみ?


「確か、土方くんの妹さんでしたか」

「は、はい」

「こんな可愛らしい妹さんが居たなんて知りませんでした」

「宜しくお願い致します」


山南(やまなみ)さんから一通り説明を受けた

とてもじゃないけれど、頭に入って来ない


「では、近日中にこの書類を提出してください」

「はい、分かりました」

「それから配属は運輸部と聞いています。7階になりますから、部長の佐々木を訪ねて下さい」

「はい」


山南(やまなみ)さんは山南(さんなん)さんなのだろうか

兄さん達も記憶がないのだから、きっと無いんだろう

頑張って下さいね、と見送られた


続々と社員が出社して来る 何人いるんだろう

ここ自社ビルだったから、まさか千単位なんじゃ…


「すみません、降ります」


運輸部に着いた


「おはようございます。今日からお世話になります土方です」

「あっ、あなたが今日からの?」

「はい。土方瑠璃です」

「初めまして、私たち運営部の女子でーす。宜しくね」

「あ、宜しくお願い致します」


明るいし、軽いな・・・それぐらいがいいのかな


「部長でしよ?まだ来てないから、こっち座ってたら?ここが瑠璃さんの席だから」

「ありがとうございます。あの、お名前は」

「私は結城えり、隣だから何でも聞いて」

「はい」

「ところで土方って苗字珍しいよね。珍しい割にはこの会社で瑠璃さんが4人目」

「そうなんですか?」

「えっと、此処と旅行部の営業してる土方左之助さんと同じく土方総司くん。あとは、あっ!副社長だ。副社長って名前なんて言うのかな」


あれ、兄弟って知らないのかな もしかして伏せてるの?


「副社長の名前誰か知ってる?」

「・・・」

「知ってる人少ないみたい」

「歳三だってりしてっ、ほら土方歳三!新選組の」

「!?」

「何言ってるの、今時そんな名前付けないよ。名前負けしそうじゃない。ってか、新選組とか知らないし。あ、彼女歴女なの。気にしないで」


凄いことを言っていますよ?名前負けって

歳三兄さん聞いたら怒るよね


佐々木部長が来たので挨拶に言った


運輸部には営業課、運営課、通関課、海外事業課がある

ワンフロアに有るんだけれども、広すぎて

何処に何課があるのか分からない程だ

通関課に関してはフロアがパーテーションで区切られている


これなら、兄たちとそんなに顔を合わせることはないと思う


朝の総務での事は驚いたけれど、気を取り直してっ


今日から此処が私の職場だ!頑張ろう


脱字修正しました

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