コタタマメシ
1.山岳都市ニャンダム-パーティー募集広場
「ラスト! お前とお前とお前とお前! お前は死ね! できるだけ苦しんで死ね! よし、お前だ! 五人! 行け! 行って死ね! 派手に死ね!」
最後のパーティーに声援を送って、俺は長い溜息を吐いた。終わった。既に気力を使い果たした感があるが、ここからだ。俺は風呂上がりのネフィリアとバッタリ遭遇してドキッてなるラッキースケベを妄想して気力を補充すると、顔を上げて選ばれし勇士たちを視界に収めた。
俺の考えた最強パーティーがそこに居た。
一人は熊みたいな大男だ。こんなの絶対に強いわ。
ウチにも熊さんの系譜に連なる子が居るけど、俺を殺して味をしめたくらいしか熊さんとの共通点がねえからな。あんなのパチモンだぜ。
だが、こちらの熊さんは一味違う。背中に担いだ大剣を点検しながら、俺を見てにこりと微笑んだ。
「お疲れ。レオナルドだ。戦士をやってる」
気が優しくて力持ち。まさに熊さんだ。
俺の中で理想のパーティーってのは近接職が二枚。それだけは譲れない。モンスターに最接近する役割だからイレギュラーが起こりやすい。フォローできる味方が必要だ。
そう、近接職は二枚。もう一人の戦士は最高の当たりを引いたと思ってる。正直、わざわざ野良パーティーに参加する理由がよく分からないくらいだ。それほどまでに猛者の雰囲気を放っている。まぁコミュニケーションには難があるかもな。
擦り切れた感じの髭面の男だ。無精髭を生やしていて、目だけがギラギラしている。なんかどっかで見覚えがあるような気がするんだが、
「……サタウだ。戦士」
おぅ、気の所為じゃなかった。
ト号案件の対策会議で暴れた味方殺しじゃねえか。少し見ない間にすっかり人が変わって!?
いや、前向きに考えよう。一見すると完全に闇堕ちしているようだが、それは裏を返せばヤツなりに思うところがあったということでもある。地雷を抱えたと考えるのはよそう。俺はペタタマ。以前の俺とは違う。
残る二人は司祭と魔法使いである。本当は俺のポジションに弓使いが入れば完璧なのだが、俺は鍛冶屋だ。パーティーメンバーの装備を管理しつつ、基本的には遊撃に回る。似たような役割をこなす狩人が居ると俺が怠けているように見える。よって狩人は構想から外した。
また、野郎五人パーティーなんてのはあり得ない。司祭っ子と魔法使いっ子はセクハラ要員としても期待している。
司祭っ子と魔法使いっ子がぺこりとお辞儀をした。
司祭っ子はおしとやかな感じである。どことなくアットムと似てる。
司祭はパーティー戦の要だから、俺もかなり厳選した。容貌がアットムに似た女を選んだのはその所為かもしれない。アットムの野郎がもしも女だったら、俺にとってほぼ理想に近いんだよな。
魔法使いっ子は元気な感じだ。コイツにはパーティーのムードメーカーを期待してる。俺は今回無口キャラで行くから、俺の代わりに喋るやつが必要だ。近接職と司祭が粒揃いなら魔法使いはアホでもこなせる。
「よろしくね、リーダー!」
リーダー? 俺のことか? まぁ確かにメンバーを選出した俺が頭を張るのが自然な流れなんだろうが。
すんっ……。俺は無口キャラのロールに入った。
コクリと頷き、熊さんをじっと見る。
役割上、パーティーリーダーは近接職が向いてる。ついでに言うと男だ。狩りをやってると他のパーティーと衝突することも普通に起こり得る。その時、ゴツい武器を持った大男が前に出るだけで交渉の流れは大分違ったものになる。
……当初はサタウにリーダーを任せようと思っていたが、人格面に不安がある。少し様子を見たい。
野良パーティーなんてやってればリーダーを押し付けられるなんていつものことなのだろう。熊さんは厳かに頷いた。
「分かった。俺が頭を張ろう。この図体だ。役に立てると思う」
よしよし。俺は綾波を意識してか細い声で自己紹介した。
「ペタ。鍛冶師」
魔法使いっ子がじっと俺を見つめている。はぁ? あんだよ。
魔法使いっ子は絶叫した。
「どうしたんですか!? さっきまで死ね死ね言ってたじゃないですか! そんな、急に……」
ちっ。きゃんきゃんうるせえ女だな。
しかし、まぁ確かにいきなり黙りこくるのは不自然かもな。ちょいとばかり無理があったか。
仕方ねえ。俺はぺらぺらと口を回して自分が実は無口キャラであることを強く主張した。
まぁ聞けよ。おっと立ちっぱで身の上話も何だな。話は歩きながらでもできる。ひとまず女神像に向かおう。
さっきは仕方なく俺が仕切ったが、俺は普段あんまり口数が多いほうじゃない。言ってみれば綾波よ。綾波っつーと、同カテゴリーに長門とタバサが挙げられるんだが。ハルヒの長門ってよ、個人的に俺は綾波、タバサとは別カテゴリーだと思ってるんだよな。だって明らかに超人だしよ、ありゃあどう考えても勝ち組だぜ。主人公のキョンは何かと長門の境遇に同情してたが、実のところあの二人は俺らとレ氏の関係に近い。やっぱりキャラクターって大事なんだよな。
その点、俺は別に口下手って訳じゃねえからな。必要とあらば喋るさ。だがな、それは俺の本質じゃねえ。分かるか。綾波だって台本用意されて喋れって命令されたら喋るだろ。人格を改造するのはそう難しいことじゃねえだろうな。ネルフってのは、そういう他人に構ってやれねえ人間が集められた組織だ。ミサトさんにしてもな、元自閉症だろ。明るく振舞ってるから元々の素養っつーかリソースを削ってる。演技ってのは、そういう一面があるんだ。まぁそれはいい。
ところでお前らガムジェム探索クエって何のことか分かるか? ちょっと興味があってな。
魔法使いっ子はぺらぺらと口を回す俺に圧倒されているようだった。
「おお……。あ、いえ。し、知らないんですか? 出撃画面からマーマちゃんの依頼を直接受けれるんですよ」
出撃……画面?
……あっ。おお、うん。あったね、そんなの。人間関係がヤバすぎて忘れてたわ。
出撃画面。マーマがジョゼット爺さんをやっつけた時に追加された新機能のことだ。
各種メニューの中に確かに出撃の項目があった。なるほどな。ソシャゲーっぽいとは思っていたが、クエスト関連もソシャゲーに倣って簡略化されていたのか。
だが、プレイヤーが勝手に依頼を受けてティナン側は混乱しねえのか?
「んー。ガムジェムの力の一端だって言われてますね」
マジか。何でもありだな。いや、しかし無限の力を秘めるって話だからな。当然っちゃ当然なのか。
……プレイヤーとの交信。【NAi】のささやき魔法にかなり近い能力だな。頭に留めておこう。あのチュートリアルナビゲーターは油断ならない。
ティナンの姫さんがガムジェムを手にしたことで出撃画面は解放された。……戦績発表にガムジェムの痕跡を見つけるってのがあったな。見つけてたらどうなった? 仮にその場にティナンが居合わせたなら……おそらくはジョゼット爺さんの耳にガムジェム紛失の報が届いていた筈だ。状況は大きく変わっただろう。
あの戦績発表は……ストーリー分岐を表してたのかもしれねえな。しかもやり直しが利かねえ。
プレイヤー側がある程度まで職種を解放していたから、マーマはプレイヤーの戦力を重く見てガムジェムの探索を任せたと考えるべきだろう。
そうか。これはそういうゲームなのか。俺たちが種族人間の有用性を示していくことで、プレイヤーはストーリーの根幹に関わっていくことになる。信頼を得れば、やれることが増えていく。
つまり、俺たちは条件を満たせなかったぶんだけ国外サーバーの連中に後れを取った訳だ。特にレイド級の討伐がまったくと言っていいほど進んでなかったからな。
しかし逆に、猟兵とウィザード、デサントの解放は大きかったかもな。そう、国内サーバーには先生が居る。セブンがローラー戦術で三ヶ月掛けてやっとの思いで探し出したクラスチェンジ条件を、先生は単独で見つけ出した。先生こそが国内サーバーの至宝だ。
魔法使いっ子の証言によれば、ガムジェム探索クエストというのは基本的にはモンスターの退治がメインになるらしい。
なんでだ? 尋ねてみると、答えはこうだった。ガムジェムは菓子である。甘い匂いがするので、普通にモンスターに食われている可能性が最も高い。最有力候補はレイド級だ。ヤツらの怪獣じみたパワーの源はガムジェムの力なのではないかと目されている。
だが、ガムジェムがモンスターにどのような作用を齎すのかは不明な点も多い。レイド級ではないかもしれない。
いずれにせよ、倒せと言われて倒せるなら苦労はしてないよねっつー話だ。国内サーバーのプレイヤーがレイド級を打倒した実績が少ないから、マーマは人手が要る作業をゴミどもに振っている。やはり年越しイベントでマールマールさんを逃したのは致命的であった。どうやらA級戦犯が判明したようだな?
俺は楽しい気分になってきた。俺は他人の不幸で輝ける男。サトゥ氏が追い詰められていくのは見ていてとても楽しい。
問題点を挙げるとすれば、俺も一緒に追い詰められるケースが多いということだ。ちっ、サトゥ氏め。事あるごとに俺の足を引っ張りやがる。
そして今もまた。サトウシリーズの一角、サタウが俺の耳元でぼそりと呟く。
「話をしたい。後で少しいいか?」
良かぁねえな。俺は即座に断った。
サタウさんよ。お前さんに何があったかは聞かねえよ。あまり愉快な話でもなさそうだ。
だがな、これだけはハッキリと言える。俺を人間関係のゴタゴタに巻き込むな。ただでさえパンク寸前なんだよ。
サタウは笑った。擦り切れた男の笑みだった。
「よく言う。クラン潰しが」
なるほどな。俺は大体の事情を察した。クランマスターが野良パに参加している。不自然だ。コイツの人柄からいって、あの後クランを脱退したんだろう。
風貌を変えて野良パに混ざったのは……復讐か?
サタウはにっこりと笑った。
「ああ。聖騎士を撲滅する」
大きく出たな。言っとくが、俺の身内に手出ししたら殺すぞ。
「関係ないな。聖騎士は全員殺す」
話にならねえな。俺の身内は特別扱いしろって言ってんだよ。それができねえってんなら、お前は俺を敵に回しても構わねえってことだ。そりゃあつまり俺を舐めてるってことだろうよ。
「例外を認めるのは難しい。だが努力してみよう。君とは仲良くやって行きたい」
仲良くねぇ。腹の底では一体何を考えてんのか知れたもんじゃねえな。
だが、コイツは初日組だ。初日組は侮れない。サトゥ氏に迫る実力を持ち、下手をすれば何かしらのアビリティを発現している。
ポチョのオートカウンターはアビリティによるものだ。このゲームに、無敵のアビリティなんてものがあるとは思えない。打ち破る手段が絶対に用意されている。それはアビリティによるものかもしれない。
俺のフレンドリストに新たに復讐の鬼の名前が刻まれた。友達が増えたぞ。やったぁ。
くそっ、人間関係……。一体どこまで俺の前に立ちはだかる?
いや、違う。そうだ。その人間関係をどうにかしたくて、俺は無口キャラを装うことにしたんだった。
今はその前段階だ。俺は、アットム似の司祭っ子に愛想良く笑いかけた。
ガムジェム探索クエってのは難しいのかな? あんたはどう思う? ヒーラーの意見は聞いておきたい。
「はあ……。そうですね」
司祭っ子はおっとりと首を傾げた。
「あの、あなたバンシーちゃんですよね?」
いいや、違うぜ。俺はそんな名前じゃねえ。俺はシラを切った。
司祭っ子はニコッとして嬉しそうに手を叩いた。
「わあ、本当に違うって言うんだ。聞いた通りです」
それさぁ、俺はどうかと思うんだよね。だって実際に違ったとしても否定するでしょ。どんだけザルな判別法なのよ。いや、俺はバンシーじゃないけどね。
そこは本題じゃない。俺の正体なんてどうでもいいんだ。いいから質問に答えてくれよ。ガムジェム探索クエに行きますかー? 行きませんかー?
「凄くよく喋る子だって聞いてたので〜。もしかしてそうじゃないかなって」
天然!? 天然さんなの?
くそっ、やっぱり野良パは闇鍋だぜ。野良パに来るってことはクラン狩りには参加してないってことだ。そこにはそれ相応の理由がある。
ちょっとリーダー! 黙ってないでパーティーをまとめてくださいよ!
そう言って俺が詰め寄ると、熊さんは大きな手をゆっくりと上下した。
「食事にしようか」
もう!? あんたコスパ悪いな!
熊さんは照れ臭そうにはにかんだ。
「そうなんだ。歩幅が大きいから足は速いんだけど的は大きいし腹は減るしでね。あまり良いことがない」
くそっ、ウチの熊さんのほうが可愛いし使えるような気がしてきたぜ。
何にせよ、さすがに空きっ腹を抱えたまま戦えとは言えない。空腹リセットの死に戻りなんて以ての外だ。これから戦いに行こうってのに精度を落とすとか完全に自殺行為だろ。
仕方ねえ。先にメシにしよう。とはいえ、ティナンのメシ屋は店が小さすぎて寛げない。俺たちは人間の里に向かうことにした。
2.ポポロンの森-居酒屋【火の車】
製薬スキルは調理の工程を短縮できる。
つまり人間の里に点在するメシ屋の正体は薬剤師なのだ。
リリララのお陰で懐が暖かくなっている俺は、遠慮なくマスターにいつものメニューを頼んだ。
美味いメシ屋の布教は俺の趣味でもある。パーティーメンバーを【火の車】に連れ込んだ俺は、さっそく贔屓のメシ屋の広告活動を始めた。
ここは居酒屋【火の車】。居酒屋っつーと夜に飲みに来る店っていう印象が強いと思うが、実のところリアルでもランチメニューをやってる居酒屋ってのはちらほら見掛ける。
まぁ昼の定番といえばラーメンだ。ラーメンってのは、どんなに美味くても値段が飛び抜けて高いってことはないんだよな。休日のよ、行動範囲で美味いラーメン屋を探すってのは楽しいもんだぜ。居酒屋も同じよ。大衆食堂なんかとはまた違った趣があるよな。
お、来た来た。へへへっ……。女に借りた金を別の女に増やして貰った俺は上機嫌だ。昼間からビールをぐびぐびと煽っていく。
「麦!?」
魔法使いっ子が素っ頓狂な声を上げた。
あん? なんか文句あるのか?
「これから戦いに行くのにお酒……」
こんなもんソフトドリンクと変わらねえよ。むしろ水だ。
早くも二杯目に手を伸ばしながら俺はけけけと笑った。じっと魔法使いっ子を見る。
「な、なんですか?」
俺はへらっと笑った。いや、お前結構可愛いな。いいセンスしてる。リアルで居そうで居なさそうな絶妙なバランスだ。ウチにも魔法使いの女が居るんだが、やっぱ身内の女ってのは可愛いよな。何かっつーと俺を殺しに掛かるのが玉に瑕だ。イヤ、もうむしろそういうところも好きだな。
「酔ってる!? 酔ってますよ、この人! ちょっとリーダー! ってリーダーも飲んでる!」
「そう、ビールは水だ。しっかし、ンまいんだなぁ、この水が」
おっ、話が分かるじゃねえか、リーダー。この苦みがイイんだよな。ビールってのはそれ単体で飲むもんじゃねえんだよ。つまみあってのビールだ。
おぅ、サタウ。どうした。杯が乾いてるじゃねえか。俺はぐだぐだと復讐の鬼に絡んだ。俺ぁ無口キャラだからよー、黙ってねえで盛り上げろよ。復讐キャラってのは漫画とかじゃやたらと大人しいがよ、復讐の為なら何でもするってんなら、むしろ陽気であるべきじゃねえか? 一丁前に手段を選んでんじゃねえよ。
「うまく笑えなくてね。こうしている間にも聖騎士が増えているのかと思うと、気ばかりが焦る」
重いなー。重いよ。お前、ベルセルク読んでる? あれのガッツもよー、最近は牙がもがれ掛かってるよな。結局それよ。復讐ってのは厄介な動機だが、一番にはなれねえ。復讐を誓うだけの大事なモンがあったってことだからな。しっかし聖騎士ってのは厄介だぜ。お前、知ってるか? 俺が見たトコ、聖騎士ってのは戦士の正規ルートだ。準隊士だけが異質なんだよな。近接職だけが二通りのルートが用意されてる。今、見つかってない二次職は……確かテイマーだったな。あれは多分薬剤師の上位職だろう。薬剤師だけ二次職がないってのはおかしいからな。
サタウの肩に腕を回して酌をしてやる俺に、復讐キャラは難色を示した。
「君……いや、一応男なのか。あまり軽はずみな行動は控えなさい」
クッ。やっぱ人間の根っこはそう簡単には変わらねえってことか。さっきの話、ガッツな。正直な話、過去編を描いた影響がデカいと思うぜ。人間に厚みが出ちまったから復讐一本じゃガッツって人間を表し切れなくなったんだろう。お前も同じさ、サタウ。お前を焼いてるその焦りも時間が経てば風化していく。そんなもんだ。感情なんてもんは当てにならねえ。理屈で考えろよ。お前が本当に復讐とやらを成し遂げるつもりがあるのならな。
俺が頼んでやったモツ煮込みをサタウはもそもそと食べている。ハッとして言った。
「この味は……」
おうよ。懐かしい味だろ。お前んトコのメシ屋のレシピだ。俺がマスターに渡した。
お前は危険人物だ。俺はお前のことを調べた。PKか、PKKか。どっちに転ぶかは分からなかったが、サトゥ氏がお前のこと気にしてたからな。
今になってみれば、お前んトコのメシ屋はお前がクランを出て行くことが分かってたのかもしれねえなー。俺にレシピを渡したのは、そいつなりのお前に宛てたメッセージなんじゃねえか?
「そうか。そうか……」
サタウは頷き、それきり黙り込んだ。黙々とモツ煮込みを口に運び、不意にポロリと涙を零した。俺は見なかったことにした。
3.エッダ水道-【提灯あんこう】秘密基地
つまりそういうことなのさ。
俺はぐいっとテーブルに身を乗り出した。
ネフィリア。料理は心だ。
メシを作るのは人間で、食うのも人間。
人間は心の生き物だ。
ならば俺は……人の心に寄り添ったメシを作る。それが俺の……コタタマメシだ。
ネフィリア。お前はどうなんだ? とっくのとうに分かってるんだろ。どんなに食材に拘ってもよ、どんなに手間暇を掛けても、お前のメシはレストランのメシなんだ。
最後の晩餐なんてものがあったとして、一体どれだけの人間がレストランに出てくるメシを選ぶんだろうな? 選ぶとすれば、そいつは本当に心から満たされたメシを食ったことがあるのかな?
ネフィリア……! 人間は学習する生き物なんだよ……! それが心だ!
人の心を蔑ろにするお前に、人に寄り添うメシは作れねえ!
家に戻るなりアツい料理論を展開した俺に、ネフィリアは席を立った。去り際にぼそりと呟く。
「ふん……。コタタマめが……」
海原雄山!?
これは、とあるVRMMOの物語。
料理メインの話だったの?
GunS Guilds Online




