表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン協会をクビになってものすごいレベルが上がったけどヒーローにはなりたくないのでなんとかしたいと思います  作者: ほすてふ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/70

005.スキル

本日は2話投稿しています。

「まあ先にスキルかな」


 スキルのことを考えるはずがまた思考がずれていた。

 リュウイチは改めてモンスター餓鬼を探しながらダンジョン端末を見る。


 ダンジョン端末はダンジョン内でのみ見ることができる情報端末だ。

 SFで見るような空間投影式ディスプレイとでもいうのだろうか、ホログラム、あるいはARか。

 空中に浮かぶ半透明なタブレットを想像すれば近いだろう。

 特に許可を出さなければ本人しか見ることはできず、操作はタッチパネルのように、あるいは考えるだけでも可能。

 自身の能力、スキルなどを参照できる。他にパーティの管理なども行える。また、ダンジョンへの意見要望投稿フォームもある。

 このことからダンジョンは人間かあるいはそれ以外の誰かの被造物だと考えられているわけだが。


 リュウイチはスキル画面を開いた。




 サポーターLv4016 残りポイント:4008

 ■取得スキル

 『パーティ取得経験値増加1』

 『パーティ与ダメージ増加1』

 『パーティ被ダメージ減少1』

 『パーティ毒耐性1』

 『パーティ恐怖耐性1』

 『パーティ戦闘後回復1』

 『帰還1』

 『所持量増加1』




 というリストが表示される。

 これらは、ダンジョン協会の業務上役に立つと考えて取得してきたスキルであった。

 取得経験値増加はすでにふれたとおり。与ダメージ、被ダメージは固定値でわずかに改善され、低レベルであれば役に立つと評価されている。

 状態異常の耐性は気持ち程度、戦闘後回復はわずかなもの、帰還もふれたとおりである。

 スキルレベル1は2以降よりもポイントあたりの効果が高い傾向がある。

 またスキルレベルを上げるには次のスキルレベルと同じだけのスキルポイントが必要だ。

 計算上スキルレベルを10まで上げるには55ポイント必要というわけだ。

 つまり、現在人類はスキルレベル10を持っていないということでもある。

 スキルレベルをどこまで上げられるのか、というのは一つの謎のままだった。

 5までではない。10は未確認。レベルが99までであるという仮説が破られた今となってはスキルレベルの上限も今までの仮説はあてにならないだろう。


 とりあえず、リュウイチは『パーティ取得経験値増加』のスキルに手を伸ばす。

 そしてぽちぽちとタップした。

 タップするごとにスキル名の末尾の数字が上がっていく。

 そして数字が10になったところで一度手を止めた。


「まだ上げられるのか」


 スキルの説明欄によると、スキルレベル10で50%上昇らしい。9のとき40%だったので一気に増えた。

 キリのいい10で効果が大きく増える仕組みは他のスキルもそうなのだろうかと思いつつ、リュウイチは別の場所に目をやった。


「取得可能スキルが増えたな。スキルレベルを上げても増えるのか」


 『パーティ取得スキルポイント増加』

 『パーティアイテムドロップ率増加』


 二つのスキルが増えていた。


「これはちょっと世界が変わるんじゃないか」


 アイテムドロップ率増加も有用だが、まだいい。盗賊系統のクラスに似た効果のスキルが存在する。

 だが取得スキルポイント増加。これはちょっと、そう、革新的だった。

 これまでスキルポイントはレベルごとに1ポイント取得できるものと考えられていた。

 現実としてそうだった。

 スキルポイントが倍になったらどうだろう。3倍4倍になったら?

 スキルの価値が大きく変わる。


 リュウイチは『パーティ取得スキルポイント増加』をタップした。


「10で+3か。想像より少ないが、それでも……」


 レベルごとに1加算されるわけではなかった。

 しかし、それでも+3、ということは4倍だ。

 ということは、レベル15でスキルレベルをひとつ10にすることができるようになるわけである。

 リュウイチの手が震えた。

 そしてうっかり『パーティアイテムドロップ率増加』をタップしてしまったのでついでにこれも10まで上げた。

 スキルレベル10でドロップ率+5%という効果だった。前例からすると、10%でドロップするものが10.5%でドロップするようになる効果だろう。餓鬼玉集めの役に立つかもしれないが、まあ誤差だろうか。パーティ内で複数人が所持することで効果が重複するならあるいは高い効果を得ることができるかもしれない。


 そして、さらに取得可能スキルが増えていた。


 『パーティ取得経験値増加2』

 『パーティレアドロップ率増加』


 ツッコミどころがある。

 『パーティ取得経験値増加2』って。

 スキルレベルの表示とかぶっているだろう。

 一回タップしてみる。


 『パーティ取得経験値増加21』


「ほら、21になっちゃってるじゃねえか」


 ややこしい、と思ってから気づく。


 『パーティ取得経験値増加10』が消えていた。

 ついでに残りポイントは21減っていた。


 どうやら11から20をすっ飛ばして21をとる選択肢だったらしい。


「わかりにくい!」



 リュウイチはなんだか疲れてきたのでスキルポイントをざっと使いきって帰ることにした。

 餓鬼玉は11個拾っていた。


 サポーターLv4016 残りポイント:0

 ■取得スキル

 『パーティ取得経験値増加30』

 『パーティ取得スキルポイント増加30』

 『パーティアイテムドロップ率増加10』

 『パーティレアドロップ率増加10』

 『パーティ与ダメージ増加10』

 『パーティ被ダメージ減少10』

 『パーティHP増加10』

 『パーティMP増加10』

 『パーティ筋力増加10』

 『パーティ器用度増加10』

 『パーティ耐久力増加10』

 『パーティ魔力増加10』

 『パーティ精神力増加10』

 『パーティ知覚力増加10』

 『パーティ能力増加10』

 『パーティ毒耐性10』

 『パーティ恐怖耐性10』

 『パーティマヒ耐性10』

 『パーティ病気耐性10』

 『パーティ凍結耐性10』

 『パーティ状態異常耐性10』

 『パーティ戦闘後回復10』

 『パーティ戦闘後MP回復10』

 『パーティ行軍補助10』

 『パーティ環境適応10』

 『パーティ内意思疎通10』

 『パーティ消費MP軽減10』

 『帰還10』

 『所持量増加10』

 『秘密のポケット10』

 『手加減10』

 『かばう10』

 『応援10』

 『応急手当10』

 『予防10』

 『サポータースキル強化55』


 『走る5』

 『健康5』

 『睡眠4』

 『釣り1』


 取得していたスキルを順に10まで上げ、その結果増えたスキルを上げ、スキルポイントと経験値を30まで上げてみて、目についたスキルを上げ、としていると『サポータースキル強化』が現れたのでそれにつぎ込んだ。

 端数をどうしようか考えていた時に、スキル問わず取得できるといわれている汎用スキルが目についたのでちょちょいと取ってみた。

 ちなみに釣りはやったことがない。


 4008という数字を使い切るのはなかなか苦労した。もしかするともっとスキルの数を絞って集中的に上げていくべきだったのかもしれない。

 しかし、スキルレベルを条件として取得可能になるスキルに興味があったので平たくとってしまった。10より上のレベルが条件のものもあるかもしれないのに。

 とはいえ、結果として複数のスキルレベルが関係しそうなスキルも確認できたのでこれはこれでよかったのかもしれない。


 これでひとまずスキルポイントは使い切った。

 改めて、今後のことを考えなければならない、のだが。


 リュウイチは大きく息を吐いた。

面白かった、続きが気になると思ったら、いいねと評価をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 思わず4016SP使ってるかどうか確認してしまった [一言] > どうやら11から20をすっ飛ばして21をとる選択肢だったらしい。 確かに分かりにくいけど、Lv11~21分を21SPですま…
[一言] ドロップ率5%アップなら 10%の確率にプラスで15%では? 10.5%アップになってます
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ