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ダンジョン協会をクビになってものすごいレベルが上がったけどヒーローにはなりたくないのでなんとかしたいと思います  作者: ほすてふ


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046.会議2

 ・ダンジョン氾濫対策

 ・サポーター育成

 ・他のダンジョンへの派遣

 ・『健康』取得

 ・『疫病のダンジョン』混雑

 ・新人探索者研修マニュアル作成

 ・幹部希望者がこない

 ・新人従業員育成

 ・内勤従事者雇用育成

 ・ダンジョン協会への対応

 ・web対応

 ・自衛軍への対応

 ・国への対応

 ・サポータークラス取得、うち所属でもできるんじゃないか問題


「検証は終わった。どう使うかは考えておくとしていったん棚上げ、課題を頭から確認していこう」


 20分ほどダンジョン滞在からもどり、料理の一部を警備員に差し入れしたリュウイチたちは事務所で会議兼お食事会を再開した。


「まずダンジョン氾濫対策は、自衛軍が動いた時点でひと区切り。トップ探索者も攻略に動き出しているし、我々は次のサポーター育成を進めつつ、状況を見守る方向で考えている。どう思う、トップ探索者代表?」

「先行争いに絡むと余計なヘイトを買うでしょう。加速させたいなら、1年の制限をダンジョン制覇もしくは100階攻略までと緩和してみるのはどうでしょう」


 リュウイチが話を振ると、リンゴが見解を述べる。

 『疫病のダンジョン』が混雑している状況で、ライバルも多く、1年間活動を強いられるのは面白くないだろうというのはリュウイチも理解できる。

 いや、場所の制限だけでもだ。

 よそのダンジョン協会からも嫌がられる行為でもある。


「それでやる気が出るならやってみるか」

「100階攻略後に残ってもらってもどちらも得しませんしね」


 リュウイチの意思が傾いたことを受けてミイナも賛同する。

 他の者たちからも反対意見は出なかった。


「次、サポーター育成業は想定以上の成果が出ている。従業員が予想以上に増えたのは誤算だが、それも利用して加速したい。その一環として、他のダンジョンへの派遣を行う。支部長に打診済みで先方も前向きだ」

「氾濫対策としての頭数が減るのはどう考えていますか?」

「全員『帰還』が使えるから距離に意味はないと思うんだ。それに“鬼を数多狩る”ってのも、浅い階の雑魚狩りは飽和してるからな」


 氾濫抑止としてのモンスター狩りと考えた場合、深層のモンスターを狩るほうが効果が高そうだとリュウイチは感じていた。

 根拠のない勘でしかないが、そもそも浅層のモンスターはすでに狩りまくっている。

 深層に向かうにはリスク回避のためにスキルだけでなくレベルも上げておきたい。そうすると毎回クラスチェンジでレベルリセットが必要なサポーター育成の手が止まるので、現状は選択肢の外にある。


「トップパーティの支援や資源回収を目的に最深層の手前で活動するパーティを用意するのはどうでしょうか。混雑回避の一環としても、モンスター狩りとしても」

「うーん、希望者がいるかな? そういうことやるならうちに所属する必要はないんだよな。採取物を取り上げられたくないだろうし」


 会社の活動としてダンジョンの資源を回収するならその資源は会社のものになり、担当者は会社から報酬を受け取る形になる。

 そうなると独自にダンジョン協会で換金した場合と比べて減るだろう。

 担当者にメリットがない。何らかの支援で補填するか。

 逆に会社にとっての利点は多い。

 深層のモンスターとの交戦経験は万一氾濫を許してしまった場合誰かの命を救うかもしれない。

 ダンジョン資源、特に装備品の回収は、間接的に攻略中のトップ探索者を後押しするかもしれない。

 それらは氾濫対策という第一目標に寄与するのだ。


「ユウキくんなんかどうですか? 彼、一度は自分でやってみたいと言っていましたよね」


 マリカが縁がある少年の名を挙げた。


「高校生じゃなかったら、だなあ。土日なら?」


 本格的に探索するにはまとまった時間が必要で、会社として動くにはアルバイトの彼には厳しいところがある。

 とはいえやる気がある要員に違いはないので検討の余地はあった。


「一度社内研修の一環として希望者を募ってやってみるか。リンゴとしては案内を頼んでも大丈夫だろうか? スキルの補助だけでどこまで行けると思う?」

「業務時間内であれば。そうですね、6人サポーターパーティなら31階から5階ごとに1戦ずつ経験して、51階から探索してみるのはどうでしょう。ボスは自信がつくまでやめておくべきかと」


 これまでの最深層をこえる51階をあっさり提案するリンゴは、すでに60階を攻略済みらしい。

 ピーチガールズはR・ダンジョン支援合同会社の業務の後、夜に探索を進めているのである。働きすぎではないだろうかとリュウイチは思う。


「じゃあその方向で、マリカ、中心になって企画立ててみるか? ここにいる者になら頼っていい」

「ええっ!? 私でいいんですか!?」

「あら、マリカちゃん結構乗り気じゃない。応援しますよ」


 私がやるのか、ではなく、私でいいのか、と言うマリカにリュウイチは頷いた。

 カミエが気を配ってくれるなら予算面の見落としは大丈夫だろう。

 リュウイチはリンゴとミイナにも視線で頼んでから、マリカにこの件を任せることを決めた。


「じゃあよろしくな。で、話を戻すが、他のダンジョンへの派遣、まず希望者を募って派遣チームの代表を決めるところからだな。これはやる。それと、ほかのダンジョンをつなぐ『帰還』ネットワークを社内で構築しようと思う。とりあえず国内だけだが」

「いきなりですね。わたしも初耳なんですけど。今度は輸送業者と張り合うんです?」


 リュウイチの宣言に、驚く皆を代表してミイナが突っ込む。

 リュウイチは軽く首を振ってこたえた。


「国が前から『帰還』の移動を活用してたみたいなんだな。レベル10までは1か所だけど今はもっと帰還先設定できるだろう?」


 もっと便利に構築できるよね、とリュウイチは言う。


「使えるものは使うべきだし使える環境を構築しておこうと。ダンジョン間をつなげれば探索者は利用するだろうし応援や避難にも役に立つ」

「増殖する従業員の活用先ということですか」

「増殖はしてないよね? 形としてはダンジョン協会に提案して業務委託してもらおうと考えている。断られたら勝手にやるけどな」


 パスポートが必要な国外は外すとして、探索者、ダンジョンのみと制限することで既存の輸送業界と話をつけようとリュウイチは考えていた。

 必要な人員がサポーターであること、そして信用の観点からダンジョン協会でやるのがよさそうなもの、いや、やろうと思えば今まででもできたはずだ。

 なぜ今までやっていなかったか。

 確認は必要かもしれない。


「先ほどの検証の結果を利用する手もありますね」


 『帰還』だけあればできるので、ダンジョンで荒事を生業とするのに抵抗がある人にも任せられるのもいい点だ。もちろん最初のスキルをとる際は我慢してもらわなければならないが。

 荒事に適性があるなら探索者になっているだろうと考えると、今までダンジョンにかかわってこなかった非探索者にも参入機会を提供できる。


「あとは、誰かに各ダンジョンに行ってもらって、帰還ポイントを確保してきてもらおう」

「一人でも現地に行けば体育館のときの要領でいいですもんね」

「では、出張費用意しておきますね。泊まりでいいですよね」

「とんぼ返りはさみしいもんな」


 何かあったときのため二人一組、一晩旅館に泊まっておいしいもの食べられるくらいの額を出すようにしておいた。それくらいの金はある。

 このように帰還ネットワークを作るだけなら難しくないのだ。運用時に諸所の問題があるだけで。


「ダンジョン協会への提案はやっておく。規模が決まったら必要に応じて募集をかける、それまでは準備、ということで」

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