表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/77

42 久しぶりの学校祭です

 驚くほど平和な学院生活が続き、いよいよ明日から学校祭が始まる。


 今日は授業もなく、朝から準備で皆大忙しだ。

 私も、今日はよそ見しないで、準備に集中する。

「アリス、1組の練習は5時から格技場ね?」

 この学院の学校祭は大きく分けて、クラス展示、クラス発表、各クラブ展示、生徒会出し物となっている。

 クラス展示は各クラスの有力貴族が領地の名産品を展示したり、試食できるように屋台などを出す。

 メインのクラス発表は、魔法学院らしくクラス全員の魔法を合わせ披露される。

 そして各学年1組は他のクラスに威厳を保つようことさら力を入れる。万が一、1組以外の評判の方が良いということはあってはならない。今年はさらに第二王子がいることで緊張も、プレッシャーも例年よりも大きい。


 そんなわけで、最後の格技場での練習は総仕上げということで、全員参加だ。



「生徒会の方とかぶりそう?」

「いいえ大丈夫、最後の練習はクラス優先だから。それにしてもアリスなんだか楽しそうね、はじめは実行委員なんて面倒だって言ってたのに」

 アリシアにからかうように言われて、私はちょっと自分が浮かれていたことに気づく。


「うん、楽しいかも。考えたら私、学校祭とか初めてだし。なんだか普通の高校生のような気がする」

「確かにそうね。私も生徒会の手伝いは初めてではないけれど、以前は悪役令嬢だったからみんなと和気あいあいという感じではなかったしね。今回はアリスもいるし楽しいわ」

 これぞ青春ねと、アリシアに両手をギュッと握られる。


 ああ、この普通の日常が尊いな。




「どうしたの? 急にシュンとして、ずっとここにいたくなった?」

「ううん、違う。アランも学校に通わせてあげたかったな、と思って。他の子は王立の学校に行かせてたけど。アランはうちに来た時からずっと働いてたから、勉強は家でしていたの、まあ、それも前世めっちゃ頭よかったみたいで私ではすぐ教えられなくなったけど」

「うっぐっ!」

 アリシアが急に両頬をガッシっと挟む。

「はに?」


「アランはアリスのそばがいいんだから、別にいいのよ。学校になんか行ったらどれだけの生徒が迷惑を被るか」

 ふふふ、確かにアランと同じクラスになったら大変そうだ。


「あれ? リリィ様じゃない。なんだか暗い顔して、また、第一王子に呼び出されたのかしら?」

 リリィ様も私たちに気づき、こちらに歩いてくる。

 最近ではクラスメイトとして親交を深め、3人で話していても怪しまれないようになってきている。


「おはようございます。アリス様、アリシア様。」

「また、何かあった?」

「何か、と言うか逆に最近何もないんです」

 生徒会室に行っても、しつこく近寄ってこないし、生徒会のお茶会にも呼ばれないそうだ。

 あんなにしつこかったのに、ちょっと気になる。

「ソルトとの練習はどうなの?」

「今は学校祭の準備でしばらくしていません」


「さすがに第一王子も、準備で忙しいんじゃない、それにほら、マリー様に睨まれてるし、ララ様には付きまとわれてるし」

 アリシアが楽しそうに言うと、リリィ様も首をかしげながらも頷く。


「そうですね。でも、アリス様もアリシア様も十分気を付けてください」

 リリィ様は心配そうにしていたが、アリシアが今日は帰ったら三人でお茶会にしましょうと励ますと、ホッとしたよう笑った。



 ************************



 私は二人と別れていったん教室へと戻ると、ララ様から急遽、実行委員会をやるということで、準備室に行くように言われた。


「ララ様は?」

「私はこれから生徒会室に行くからいけないわ。あなた一人で大丈夫でしょ」

 そりゃまあ大丈夫ですけど、あなたも実行委員ですよね。一度しか行ってないけど。


「わかりました、ただ、格技場の練習だけは参加お願いします」

「わかっているわよ、レオン様に私の可憐な魔法を見てもらわなくっちゃ」

 ララ様はそう言って、両手いっぱいのクッキーをもって出て行った。

 

王子たちが、他人の作ったものを口にしないのは周知の事実だというのに、懲りない人だ。

 はぁと、一つため息をついて、私は準備室に向かった。



 この時、私は何度もみんなに気を付けるように言われていたのに、やっぱりどこか浮かれていたことを後悔する。




 準備室に入ると、そこには誰もいなかった。


 あれ? 時間を間違えたか、もう終わってしまったか?

 ララ様の言うことだ部屋が変わったということもある。


 その時、扉が開いて誰かが入ってきた。

 気配がしなかった!


 振り向くとそこには見知った人物がたっていた。


 なんだか嫌な予感がする。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ