表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔界食肉日和  作者: トネリコ
魔界編
18/62

18、嫉妬した

 



「うっぜー、アイツ雑魚雑魚うぜーんだよなー」

「おー、トカゲどいつだー?」

「ワニか、あれあれ」


 ワニが後ろから覗き込んで来るので指差す。


 何が大鷲族のエリートだ

 同期の癖に高給取りになりやがって

 クッソ、あの無駄にばっさばっさした羽毟って布団に詰めてやりてえ


 しかも後輩の女子にモテやがるし

 くっそー


 僻み過ぎてムカつくので弱点見つけて脅すことに決める。

 とりあえず尾行するか


「おい、ワニ行くぞ」

「トカゲどこにだー?」

「アイツの尾行だ。あんなナルシストがモテるなんておかしい、ぜってーヤバイ薬使ってモテてんだ」

「トカゲってバカだよなー」

「あ? 何か言ったか?」


 城下町まで下りるのを追う。

 やはり我が尾行は完璧なのだろう、全く振り返らないし気付いてなさそうだ。

 ふっ、ワニも気付かなかったしな。尾行の才能があるのかもしれん


 いや、どっちもバカなだけか?


 お、珍しくこのケーキ屋並んでねーじゃん

 てかワニどこだ


「ワニいんのか?」

「おーいるぞー」

「うお、居たのか、さっきまで何処居たんだ?」

「ずっといたぞー、気配消してたんだよ」

「はー、気配って消せんのな」


 ワニの巨体ですら分からんくなるとは、気配消しってすごいようである。

 まあ我が尾行の才には及ばんだろうが


 てか大鷲野郎どこいった


 きょろきょろ探すが見当たらない

 くそ、逃げられた、ワニのせいだ


「ワニが気を逸らすから逃げちまったじゃねーか」

「トカゲ怒んなってー」

「けっ、まあいい、ケーキ食って帰ろうぜー。ワニ持ちな」

「おーいいぞー」


 しゃーないので隠れていたケーキ屋に入った。

 奢りなので全制覇してきた。

 うまかった。


 次の日、今日こそ現行犯逮捕してやらあと息巻いていたら大鷲野郎が無断欠勤していた。

 それ以降姿を見ない。

 どうやら我が尾行によって犯行がバレル前に逃げたようである。


「トカゲどうしたー? あくどい顔だぜー? 結婚するか?」

「しねえ。いや、雑魚にビビった大鷲を笑ってやってんのよ」


 口ほどにもねえ

 ふっはっはと高笑いして仕事に戻った。

 今ならワニに昨日ケーキごとあーんされた腕の恨みも忘れてやさしくできそうである。


 ふんふんと去ったその場でワニは呟いた。




「羽多いと食いでないよなー」








トカゲで口直し

「トカゲの視線独占とか許せねーよなー」

マジ周囲に迷惑な奴等である


ちなみにトカゲがワニいんのか?と聞く直前まで大鷲さんを食べに行ってていなかった。

残念ながらトカゲさんに尾行の才も気配察知の才能もない。雑魚なので(おい



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ