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『終焉を告げる常闇の歌』  作者: Yassie
第13章 荒れ狂う東京
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第342話 3体の竜


 (とき)(おな)じくして美羽(みう)とミルクは。


「あ゛あ゛あ゛ッ!!」


<どうしたのミルク? カズが(ひき)いる凶星十三星座(ゾディアック)(なか)でも最強(さいきょう)なんじゃないの? そろそろ本気(ほんき)()したら? (わたし)本気(ほんき)だよ? ねぇ、なんで? ノーフェイスと(たた)ってた(とき)みたいに(ちから)解放(かいほう)したら?>


「す……、()きなこと……を……」


<だってそうでしょ? (ちが)うの? それに(わたし)はこれまで全然(ぜんぜん)()(あし)()なかったのに、(いま)はこうしてアンタを()()めてる。……おかしくない? (わたし)がアンタをだよ? (わたし)(りゅう)として本格的(ほんかくてき)目覚(めざ)めたから? (ちが)うよね? 全然(ぜんぜん)(ちが)うよ。……なんで()()いてるの?>


 美羽(みう)疑問(ぎもん)、そしてその(こた)えは間違(まちが)っていない。

 だが、ミルクにはどうしてもそれを()ってはいけない理由(りゆう)があるのも事実(じじつ)

 しかし。


「(本物(ほんもの)天才(てんさい)に! (わたし)気持(きも)ちなんて()からないでしょうね!)」


 そんな(こと)(くち)()して怒鳴(どな)りたいが怒鳴(どな)れない。

 (たし)かに美羽(みう)天才(てんさい)()っても過言(かごん)じゃない。

 だがその(じつ)美羽(みう)はずっと和也(かずや)背中(せなか)()てきた。

 (うた)(きょく)格闘術(かくとうじゅつ)と、幅広(はばひろ)分野(ぶんや)において圧倒的(あっとうてき)能力(のうりゃく)をその()()()け、()いかけ(つづ)けた。


「どうして貴女(あなた)はいつもいつも……っ!」


 そんなミルクにとって和也(かずや)美羽(みう)の2()特別(とくべつ)であり、(また)美羽(みう)(おな)じく2()背中(せなか)()いかけ(つづ)けていた。


(わたし)だって……、(わたし)だって本当(ほんとう)は……っ!」


 獣人(じゅうじん)、それも和也(かずや)()によって進化(しんか)し、膨大(ぼうだい)(ちから)()にした存在(そんざい)


「……貴女(あなた)背中(せなか)()いかけてたからこそ……! ここまで(つよ)くなれたんです!」


 (ゆえ)に、美羽(みう)言葉(ことば)はミルクの(こころ)(ふか)(きず)()ける(こと)になる。


後悔(こうかい)しないでくださいねお(ねえ)(さま)!!」


<……後悔(こうかい)しないよ、だって……、()づいてたもん>


 (ちい)さくボソッと(くち)にするがその言葉(ことば)はミルクの(みみ)には(とど)かない。


(もう)(わけ)ありません、にぃに……!」


<(そっか、これがミルクの本気(ほんき)なんだ)>


 膨大(ぼうだい)魔力(まりょく)解放(かいほう)し、ミルクの姿(すがた)徐々(じょじょ)(りゅう)へと変貌(へんぼう)する。

 その姿(すがた)(りゅう)(おおかみ)()わせたような姿(すがた)


<……"魔狼竜(まろうりゅう)・ミルク"……。いざ尋常(じんじょう)にお相手(あいて)(ねが)います。()()()>


 銀月(ぎんげつ)(おな)(よう)白銀(はくぎん)(しょく)魔狼竜(まろうりゅう)

 その姿(すがた)もそうだが白銀(はくぎん)のたてがみなども()えている。

 (つばさ)()い。だがミルクはその姿(すがた)になり、(あに)和也(かずや)(おな)じく足下(あしもと)不思議(ふしぎ)波紋(はもん)(つく)ると空中(くうちゅう)(ある)く。


<母上(ははうえ)、ここは(わたし)も>


<うん、そうだね、(みんな)協力(きょうりょく)しないとあのミルクには()てないかもね>


 銀月(ぎんげつ)、アクア、ステラ、バウ、4(たい)美羽(みう)(とも)に"魔狼竜(まろうりゅう)"となったミルクと対峙(たいじ)する。


<……()きます>


<おいで、……ミルク>


 一瞬(いっしゅん)美羽(みう)間合(まあ)いに(はい)ったミルクの(きば)(ねら)う。

 しかし、そこには(すで)美羽(みう)はいない。


<?!>


<こっちだよミルク>


<!!>


 その(うご)きはまるで(りゅう)となった和也(かずや)(ごと)く。その()にいた(はず)だが(すで)にミルクの真後(まうし)ろに移動(いどう)していた。

 だがそれにはカラクリが存在(そんざい)する。


<この!>

<(おそ)い!>


<な……ッ?!>


 真後(まうし)ろにいる美羽(みう)()けて攻撃(こうげき)しようとするが美羽(みう)(うご)きが(はや)く、(ぎゃく)強烈(きょうれつ)一撃(いちげき)(はら)()()む。


<どうしたの? それが本気(ほんき)なの?!>


<(はっ、(はや)……い!)>


<これじゃ銀月(ぎんげつ)(たち)(たす)けはいらないかぁな!>


 長大(ちょうだい)()でミルクを(たた)き、空中(くうちゅう)から地面(じめん)へと()とされたミルクは愕然(がくぜん)としながら美羽(みう)見上(みあ)げる(こと)しか出来(でき)ない。


<(どうして……) どうして(わたし)が!!>


<それは(たん)にミルクが(おそ)いからだよ>


<ガッ!!>


 落下(らっか)(ともな)い、(いきお)いよく美羽(みう)はミルクを()みつける追撃(ついげき)()()すとミルクは(さら)地面(じめん)にめり()む。


<まさかその程度(ていど)だったなんて……。ガッカリだよミルク!!>


<いっ! ()わせておけばあああ!!>


 その(いか)りは彼女(かのじょ)に、(あら)たな(ちから)(さず)ける()(がね)となる。


 ー "神速(しんそく)" ー


 "瞬足(しゅんそく)"や"韋駄天(いだてん)"よりも、より(たか)みの境地(きょうち)(かみ)()能力(のうりょく)(かず)(すく)ない。

 (ゆえ)に。

 その能力(のうりょく)美羽(みう)のスピードと互角(ごかく)となる。


<()()きましたよねぇね!!>


<(すご)(すご)い、んじゃあの()にも手伝(てつだ)ってもらわないと>


<(あの()?)>


「よう、ミル(ねえ)ぇ」


<!! イリス!>


 ミルクにとってこの状況(じょうきょう)非常(ひじょう)にマズい。

 美羽(みう)(かみなり)自在(じざい)(あやつ)(こと)出来(でき)(ため)に、まるで和也(かずや)(よう)(うご)きをする(こと)出来(でき)る。

 では何故(なぜ)、イリスが()(こと)でマズくなってしまうのか。

 その(こた)えはイリスが()能力(のうりょく)厄介(やっかい)だからだ。


(おれ)か……、じゃなかった、(わたし)から()げられると(おも)ってんのかよ?」


<クッ!>


 不気味(ぶきみ)微笑(ほほえ)むイリスから距離(きょり)()ろうとするが()()がせない。


 ー "監視者(かんししゃ)" ー


 それはどんなものであろうと、その監視(かんし)()からはなかなか(のが)れられない。

 それにイリスには"執行者(しっこうしゃ)"の能力(のうりょく)をも()っている(こと)から彼女(かのじょ)凶星十三星座(ゾディアック)(たち)からはこう()ばれている。


 ー 「()番人(ばんにん)」 ー


「あっはははははははは! (りゅう)になったのにそんなもんかよミル(ねえ)!」


<()められたものですね!>


 (うご)きは(おそ)い。されど、彼女(かのじょ)にはまた(べつ)能力(のうりょく)もあるからこそ、ミルクはそれを警戒(けいかい)しなくてはならない。

 イリスは(たし)かに爬虫類(はちゅうるい)であるが(ため)変温動物(へんおんどうぶつ)(ゆえ)にバランとは相性(あいしょう)最悪(さいあく)関係(かんけい)にあるのだが、それでもそのバランですら警戒(けいかい)するレベルの能力(のうりょく)だ。


「んじゃ、(わたし)もいくぜ?」


 イリスもまた、(りゅう)へと姿(すがた)()える。

 アクアの(よう)なモササウルスと、(しゃち)()わせた(よう)(あたま)(へび)(よう)(なが)身体(からだ)(なが)()()ち、(あたま)から()(さき)まで(くろ)(あお)体色(たいしょく)だが(あお)(いろ)模様(もよう)(あわ)(かがや)いている。その身体(からだ)には(しゃち)(よう)()ビレが(じゅう)二十(にじゅう)(いく)つも()え、両手(りょうて)のヒレには4(ほん)(なが)(つめ)

 どちらかと()えば"シーサーペント"と()大海蛇(おおうみへび)(ちか)い、かなり巨大(きょだい)姿(さがた)をしてるがそれとはまた(べつ)


<はぁ……、この姿(すがた)になるのは久々(ひさびさ)だぜ>


<……"魔天竜(まてんりゅう)"、形態(けいたい)ですか……>


 "魔天竜(まてんりゅう)"。その姿(すがた)こそ、ミルクを(ふく)めた凶星十三星座(ゾディアック)(たち)警戒(けいかい)する能力(のうりょく)(つな)がる。


<スッゴい姿(すがた)だねイリス、それにおっきい>


<いやいやいや、美羽(みう)(ねえ)(ほど)じゃねえよ…… (どっちかっつうとアンタは邪悪(じゃあく)だなんて、(くち)()けても()えねえぇ……)>


<ん?>


 美羽(みう)はどちらかと()うと、(りゅう)になった和也(かずや)姿(すがた)(ちか)く。両肩(りょうかた)両腰(りょうこし)から2(ほん)ずつ、背中(せなか)から1(ぽん)八岐大蛇(ヤマタノオロチ)(あたま)()え、(むね)には巨大(きょだい)(くち)()うより、こちらにも(あたま)存在(そんざい)する。

 その姿(すがた)から美羽(みう)意外(いがい)(もの)(たち)からは、(くろ)い"九頭竜(くずりゅう)"と()ばれてる(こと)はまだ()らない。

 (ゆえ)にイリスとしてはそんな美羽(みう)(ほう)邪悪(じゃあく)だと(おも)ってしまった。


<まっ、まあいいからそろそろ(はじ)めようぜ>


<そうだね。んじゃ、2回戦(かいせん)といきますか>


 ミルクとしては非常(ひじょう)面白(おもしろ)くない展開(てんかい)だ。

 だがそんなミルクには心強(こころづよ)味方(みかた)はいる。


御待(おま)たせしてすいやせん! 不肖(ふしょう)この月光(げっこう)! (あね)さんを(たす)けに()(さん)じました!」


<月光(げっこう)?! どうして()たのです!>


「どうして? どうしてと()いますかい? ……あっしは(あね)さんの下僕(げぼく)! その下僕(げぼく)が! どうして(あね)さんを(たす)けに()かない選択(せんたく)をしなきゃならんのです!! (すこ)しでもあっしを(たよ)って(くだ)さい!!」


<……月光(げっこう)>


<あらら、月光(げっこう)()ちまったぜ? 美羽(みう)(ねえ)。どうする?>


<どうする? そんなの()まってるでしょ?>


<ッハッハッ! そうだよな! おい月光(げっこう)! ()たからには覚悟(かくご)しろよ?!>


「イリス……(さま)……」


 イリスの強烈(きょうれつ)(にら)みと眼光(がんこう)に、月光(げっこう)(おび)えるがそれでもミルクの(ため)にと(けん)()く。

 その瞬間(しゅんかん)


<()いたな?>


「なっ……あっ……ああっ!」


 イリスの(かお)月光(げっこう)()(まえ)(せま)っていた。


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