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『終焉を告げる常闇の歌』  作者: Yassie
第13章 荒れ狂う東京
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第340話 氷帝来襲


 ーー 特別(とくべつ)対策本部(たいさくほんぶ) ーー


東京(とうきょう)(わん)にて(あら)たな凶星十三星座(ゾディアック)現出(げんしゅつ)確認(かくにん)! バランです!」


「ミルクに(つづ)いてバラン……! 大至急(だいしきゅう)夜城組(やしろぐみ)連絡(れんらく)を!」


現在(げんざい)ミルクは美羽(みう)さんが! (なぞ)人物(じんぶつ)守行(もりゆき)さんと戦闘中(せんとうちゅう)との(こと)(うご)けません! (なお)! オルカルミアルは守行(もりゆき)さんの式神(しきがみ)(たち)対応(たいおう)(ちゅう)!」


「なん……って……ことだ……!」


 その情報(じょうほう)(やなぎ)絶望(ぜつぼう)する。

 守行(もりゆき)美羽(みう)(うご)けない(いま)、バランを()める(もの)(ほか)にいない。


 ーー 東京(とうきょう)(わん) ーー


<……また(うみ)(うえ)()てしまったか。まぁ()いだろう>


 海面(かいめん)一瞬(いっしゅん)(こお)らせて足場(あしば)(つく)り、バランはゆっくりと(ある)()す。


<ハアァァァ……、全力(ぜんりょく)解放(かいほう)、……100、(パーセント)>


 憲明(のりあき)(はじ)めて()て、(かん)じた(とき)とは(くら)べのもにならない(ほど)魔力量(まりょくりょう)

 それは同時(どうじ)に……。


<ハアァァァルルルルルッ……、氷帝(ひょうてい)(りゅう)、バラン。(まい)る>


 (こお)らせた海面(かいめん)破壊(はかい)し、バランは強力(きょうりょく)脚力(きゃくりょく)空高(そらたか)()()がる。

 (かれ)はあらゆるものを(こお)らせるが、それは(かれ)(まわ)りに存在(そんざい)するあらゆる空気(くうき)例外(れいがい)ではない。

 空気中(くうきちゅう)存在(そんざい)する水蒸気(すいじょうき)(いて)てつき結晶(きっしょう)へと(かたち)()え、酸素(さんそ)窒素(ちっそ)固体(こたい)液体(えきたい)となる。

 絶対零度(ぜったいれど)支配者(しはいしゃ)(たた)えられる氷雪系(ひょうせつけい)最強(さいきょう)存在(そんざい)だからこそ()せる(わざ)


 0:58


 【氷帝(ひょうてい)(りゅう)・バラン 来襲(らいしゅう)


<クハハハハハハハハッ! (ちから)(おさ)()まずに解放(かいほう)するのは気持(きも)ちいいものだ!>


 バランから(はな)たれる強烈(きょうれつ)重圧(じゅうあつ)威圧感(いあつかん)、その(すべ)てにどれだけ(はな)れていようとも、憲明(のりあき)(たち)()づかない(はず)がなく。それを()けて全員(ぜんいん)がその()(くる)しみながら(おび)える。


「ム……クロが……、()や……がった……!」


「この()から()げろ! お(まえ)相手(あいて)じゃ1(びょう)ともたん!」


 守行(もりゆき)言葉(ことば)憲明(のりあき)(たち)本能(ほんのう)(てき)()()す。

 今度(こんど)こそ、(うし)ろを()(かえ)らずに。


<親父(おやじ)殿(どの)おおお!>


(いそが)しい(とき)()やがってこの馬鹿(ばか)が!」


<"婆娑羅(ばさら)"!>


「"明王(みょうおう)()(だん)(しゃく)"!」


 だが()るのが(はや)い。

 2()攻撃(こうげき)(かさ)なり、周囲(しゅうい)(もの)がその衝撃波(しょうげきは)によって破壊(はかい)される。


(なに)しに()た!」


<ミルクの様子(ようす)()るついでに、(あば)れに()たのですよ!>


 その衝撃波(しょうげきは)はノーフェイスも例外(れいがい)じゃない。


「ぐあああぁぁぁぁぁぁ!!」


 2()(はな)衝撃波(しょうげきは)でノーフェイスは()()び、()げていた憲明(のりあき)(たち)(また)悲鳴(ひめい)()げながら()()ばされる。


 ーー 特別(とくべつ)対策本部(たいさくほんぶ) ーー


「バランと守行(もりゆき)さんが会敵(かいてき)! 戦闘(せんとう)(はい)りました!」


(ぜん)支部(しぶ)緊急(きんきゅう)連絡(れんらく)! 遠距離(えんきょり)からありったけのミサイルをバランに()けて()って(くだ)さい!」


「しかし相手(あいて)はあの氷帝(ひょうてい)です! 過去(かこ)自衛隊(じえいたい)との模擬戦(もぎせん)でも()っての(とお)(すべ)(こおり)無効化(むこうか)されます!」


「それでもあの(かた)援護(えんご)をするんです! じゃなければ東京(とうきょう)はバランの()(こおり)世界(せかい)にされてしまいます! (すこ)しでも守行(もりゆき)さんの援護(えんご)を!」


「は! はい!」


 ーー 東京都(とうきょうと)港区(みなとく) ーー


<貴方(あなた)とこうなるのは八岐大蛇(ヤマタノオロチ)目覚(めざ)めた(とき)以来(いらい)ですな!>


(ちから)本格的(ほんかくてき)()(もど)したみてえだな! だからと()って(おれ)がテメーに()けるとでも(おも)ったか!」


<(おも)ってなどいませんよ親父(おやじ)殿(どの)! 正直(しょうじき)(もう)しますと(わたし)貴方(あなた)本気(ほんき)(たたか)ってみたかった! 何故(なぜ)なら貴方(あなた)はあの(かた)父君(ちちぎみ)であらせられるのですから!>


「ならアイツにこの(こと)がバレたらヤバいんじゃねえのか?! バレても(おれ)()らんぞ!」


<承知(しょうち)(うえ)です! 貴方(あなた)(うご)けばあのミルクでも貴方(あなた)(たたか)(こと)()けるでしょうからね!>


「そのミルクがなんで(うご)いてるのか()かってんのか! ここに元凶(げんきょう)のノーフェイスがいたからこうなったんだぞ! テメーがしゃしゃり()()たせいで見失(みうしな)っちまっただろボケ!」


<御安心(ごあんしん)(くだ)さい! そのノーフェイスはいずれ我々(われわれ)(ころ)します(ゆえ)!>


安心(あんしん)出来(でき)るわけねえだろ! このクソボケワニが!」


 そんなやり()りをしつつ、2()(とも)一歩(いっぽ)(ゆず)らない攻防戦(こうぼうせん)()(ひろ)げる。

 バランは(ここ)から(たの)しんでいるのが()かる(ほど)()みを()かべ、守行(もりゆき)(いか)(くる)った表情(ひょうじょう)だがどこか(たの)しそうにも()える。

 一方(いっぽう)美羽(みう)とミルクは。


<うわぁ、あっちはあっちで凄い(こと)になってるなぁ……>


「……どうして、どうして貴女(あなた)は……」


<ん?>


「……いえ、なんでもありません」


<そ? んじゃ(つづ)きをするとしますか。"(ぬえ)">


 (なに)()いたげなミルクだったがそれを(くち)にする(こと)()め、(ふたた)美羽(みう)(はげ)しい攻防(こうぼう)(はじ)まる。


「(簡単(かんたん)に"(ぬえ)"を……、……どこまで貴女(あなた)は!)」


<(わたし)の"(ぬえ)"から()げれると(おも)わないでね>


 アルガドゥクスとなった和也(かずや)(はな)った"(ぬえ)"と、美羽(みう)(りゅう)となった"(ぬえ)"とではその威力(いりょく)(ちが)う。

 ……しかし、彼女(かのじょ)八岐大蛇(ヤマタノオロチ)融合(ゆうごう)し、あの和也(かずや)から"絶竜(ぜつりゅう)(おう)()寵愛(ちょうあい)"と()()えに"竜種(りゅうしゅ)()(たね)"を()()れた(こと)(りゅう)となった存在(そんざい)

 それはつまり、(だれ)もが()づいているようで()づいていない事実(じじつ)(かく)れている。


貴女(あなた)はどこまでデタラメな存在(そんざい)になったのか()づいてるんですか!」


 その言葉(ことば)(すべ)てを物語(ものがた)っていると()えるだろう。

 ミルクは美羽(みう)(たい)して(いか)り、(また)、その存在(そんざい)(あせ)りの(かお)()せながら"(ぬえ)"から()げる。


<(なに)()ってるか()らないけど、()げられないって()ったよね?>


 "(ぬえ)"から()げるがその(はや)さは光速(こうそく)

 "(ぬえ)"だけでは()い。(かみなり)とは光速(こうそく)(はや)さであるが(ため)に、音速(おんそく)よりも(はや)(とど)く。

 だがしかし、美羽(みう)(よう)(かみなり)自在(じざい)(あやつ)(こと)はほぼ不可能(ふかのう)とされ、人間(にんげん)(かみなり)属性(ぞくせい)適正(てきせい)があると()えど、その生涯(しょうがい)に1つか2つ(ほど)しか上手(うま)(あやつ)れないか、まったく(あやつ)(こと)出来(でき)ないとされる大変(たいへん)(むずか)しい属性(ぞくせい)とされている。

 そんな(かみなり)(かたち)(あた)え、自由自在(じゆうじさい)(あやつ)(ほう)正直(しょうじき)、おかしいのだ。

 それも一度(いちど)()ただけでしかない"(ぬえ)"を(つく)りだし、(あやつ)るなんて(こと)本来(ほんらい)ならあり()ない。

 そんな美羽(みう)の"(ぬえ)"が(つい)にミルクを()らえた。


「アアアアアアアアァァァァァァァッ!!」


<"蒼雷(そうらい)曼珠沙華(まんじゅしゃげ)">


 (つづ)(ざま)(あお)彼岸花(ひがんばな)()した雷撃(らいげき)攻撃(こうげき)、"蒼雷(そうらい)曼珠沙華(まんじゅしゃげ)"を(はな)ち、ミルクの(うつく)しい白銀(はくぎん)(かみ)()()(はげ)しく逆立(はかだ)つ。

 この(とき)、ミルクとしてはあり()ないと(おも)っていた。ついこの(あいだ)まで(よわ)かった(はず)美羽(みう)(おび)え、攻撃(こうげき)から()げ、それでも()げられずにダメージを(あた)えられる(こと)に。


「うっ……グ……。(……本当(ほんとう)本物(ほんもの)天才(てんさい)(いや)になる!)」


 だが(たお)れない。

 (あら)たな凶星十三星座(ゾディアック)のナンバーズとなり、(あに)である和也(かずや)失望(しつぼう)させたくないが(ため)にミルクは()()(しば)って()つ。


<……流石(さすが)だね>


(わたし)はにぃにの(いもうと)……、そして凶星十三星座(ゾディアック)のナンバーズです。この程度(ていど)(たお)れたりしませんよ。それにしてもどうして……、(おし)えて(くだ)さい、何故(なぜ)(きゅう)にそこまで(つよ)くなれたのですか?」


<……想い……かな?>


(おも)い?」


<そう、(おも)い。(かなら)ずカズの(まえ)まで()く。そして、カズを(たお)して(わたし)(おも)いを(つた)える。その(ため)なら(わたし)、なんだってする>


「……(おも)いだけで、あの(ひと)()められると(おも)ってる時点(じてん)間違(まちが)ってるんですよ!」


<(おも)いもまた(ちから)だよ、ミルク>


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