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『終焉を告げる常闇の歌』  作者: Yassie
第12章 悪魔の仮面
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第338話 尊敬出来る援軍<ミランダSide>


「では大佐(たいさ)(はなし)()かせてもらえるかね? どうして(きみ)()きている?」


 (いま)から10(ねん)(ほど)(まえ)(なつ)


 ーー アメリカ ーー


 (わたし)和也(かずや)(ちから)()()びる(こと)出来(でき)たが、ほとんどの肉体(にくたい)機械(きかい)となってしまった。

 その(ころ)上層部(じょうそうぶ)半数(はんすう)腐敗(ふはい)していたわ。……いや、(むかし)から腐敗(ふはい)していてそれが(いま)だに(つづ)いていると()ったほうが(ただ)しいわね。

 連中(れんちゅう)はどのようにして(わたし)がサイボーグとなったのかを()き、それが和也(かずや)によるものだと()っていて根掘(ねほ)葉掘(はほ)()く。


 ()っているのに何故(なぜ)わざわざ()必要(ひつよう)がある。


 その理由(りゆう)連中(れんちゅう)生身(なまみ)兵士(へいし)より機械(きかい)兵士(へいし)(ほっ)していたと(おも)()し、瞬時(しゅんじ)(さと)ったのは簡単(かんたん)だった。

 だがそこで連中(れんちゅう)はとんでもない(こと)(わたし)要求(ようきゅう)してきた。


「では(かれ)(ちから)()して(もら)(ため)にも、(きみ)から(たの)んで()れてきてはくれないかね?」


「……は?」


日本(にほん)政府(せいふ)()っても(かれ)(わた)してくれないだろうからね」


秘密裏(ひみつり)(たの)むよ? 秘密裏(ひみつり)に」


「……おっしゃってる意味(いみ)がよく、……(わか)りません」


「だから、(かれ)秘密裏(ひみつり)にこちらへ()れて()いと()ってるんだよ」


 それはつまり……。


「ここまで()ってまだ(わか)らんのかね(きみ)は。我々(われわれ)拉致(らち)しろと()っとるんだよ」


 なにを……、(なに)()()すんだこの連中(れんちゅう)は?!

 あの()拉致(らち)するなんてそんな……、出来(でき)(はず)()い!


失礼(しつれい)ながらそれは日本(にほん)はおろか夜城(やしろ)一族(いちぞく)(てき)(まわ)発言(はつげん)()()れます! どうか発言(はつげん)撤回(てっかい)を!」


(だれ)発言(はつげん)して()いとは()っとらんぞ大佐(たいさ)!」


「しかし……!」


 まさかここまで腐敗(ふはい)してるとは()らない(わたし)は、その(おろ)かな発言(はつげん)恐怖(きょうふ)した。

 夜城(やしろ)一族(いちぞく)(てき)(まわ)すとなると、それは全世界(ぜんせかい)勿論(もちろん)(うら)組織(そしき)すら(てき)(まわ)すと()ってるようなものだ。


「……閣下(かっか)はなんと」


二度(にど)()わすな! (きみ)発言権(はつげんけん)()い! ()された発言(はつげん)はイエスかノーだけだ!」


「……ざけるな」


「なに?」


「ふざけるな!! あの()貴様(きさま)らが利用(りよう)して()いような存在(そんざい)じゃ()い!!」


貴様(きさま)!!」

 「(わか)っていての発言(はつげん)か?!」

(だま)って命令(めいれい)(したが)え!」


(だま)ってなどいられるものか!! 貴様(きさま)らみたいなゴミ(むし)なんぞにあの()()いようにされてたまるか!!」


 この(こと)があり、(わたし)降格(こうかく)処分(しょぶん)となったがそれだけで()んで()かったわ。

 それも和也(かずや)のお(かげ)ね。あの()(わたし)()かす(ため)にサイボーグにしてしまったんですもの。(あば)れる(わたし)()()さえる(こと)なんて、簡単(かんたん)出来(でき)やしなかったわ。

 それから(わたし)空軍(くうぐん)(まわ)された(こと)で、そこで(わたし)部隊(ぶたい)(つく)()げる(こと)にした。


「お(つか)(さま)です大尉(たいい)!」


「「お(つか)(さま)です!!」」


「ご苦労(くろう)


 腐敗(ふはい)した組織(そしき)(わたし)はこの(ちから)で、(かなら)改革(かいかく)してやる。


 それから(わたし)はたてつく(もの)(すべ)てを()()せた。

 それが(だれ)であれ、あの()(まも)れるならなんだってしたわ。 

 ……この()()()めてでもね。

 でも、まさかあの()がアルガドゥクスの()まれ()わりと()った(とき)は、(わる)(ゆめ)でも()させられてるじゃないかと(うたが)ったわ。

 いったい(わたし)はなんの(ため)にこの()()()めていたんだと、(あたま)(なか)()(しろ)になりそうになった。

 それなのに(かなら)ずあの()()(もど)すと、憲明(のりあき)美羽(みう)(たち)(まえ)()姿勢(しせい)(わたし)は、自分(じぶん)がいかに(おろ)かな(かんが)えをしてしまおうとしていたのか痛感(つうかん)し。(たと)(さだ)められた運命(うんめい)だとしても、(とも)(まえ)()いていればそんな運命(うんめい)()えられると(しん)じる(こと)にした。

 (わたし)(よわ)い。

 カズの(ちから)(つよく)くなったと(おも)っていたのはただの(おも)()みでしかない。

 そして、憲明(のりあき)(たち)(つよ)い。

 物理(ぶつり)(てき)(つよ)いのではなく、その精神(せいしん)(つよ)いと()える。

 どれだけカズに()()かされても、絶望(ぜつぼう)(かん)じても、()(まえ)強大(きょうだい)(かべ)()(ふさ)がろうとも、(かれ)らは(まえ)()いてその(あゆ)みを()めないのだから、その姿(すがた)(まぶ)しい。

 しかし、そんな(かれ)らでも()げる(こと)をこの(とき)(えら)んだ。


「……まだ、()きていやがったのか……」


 "メルヒス"と名付(なづ)けられたSSS(トリプルエス)ランクのモンスター、オルカルミアルが復活(ふっかつ)し、そこには警戒(けいかい)しなければならないミルクまでいる。

 (はじ)めて()った(とき)(かん)じた異常(いじょう)気配(けはい)に、本能(ほんのう)がずっと警鐘(けいしょう)()らしていた。

 そんな相手(あいて)とオルカルミアルが(そろ)えば(だれ)だって()()したくなっても不思議(ふしぎ)じゃない。

 だと()うのに……。


「このままお(まえ)はガキ(ども)()れて()がれ」


 どうして貴方(あなた)はそれでも(おく)すること()()(むか)かえるのかしら。


「アイツらの相手(あいて)(おれ)がするが、お(まえ)(たち)はサポートを(たの)むぞ」


「「はっ!!」」


 カズの(ちち)守行(もりゆき)大勢(おおぜい)部下(ぶか)()()れ、()げていた(さき)()っていた。


守行(もりゆき)……」


()がってろ」


 (わたし)()っている……。

 (かれ)もまた、その本当(ほんとう)(ちから)(かく)している(こと)を。


()てこいテメェら、あそこで(あば)れてる馬鹿共(ばかども)(だま)らせるぞ」


 守行(もりゆき)背後(はいご)に様々(さまざま)な"妖怪(ようかい)"、(また)は"もののけ"とも()ばれる(いく)つもの()(えが)かれた(ふすま)(あらわ)れると、(かれ)らはゆっくりと()てくる。


「お、親父(おやじ)さん……」


美羽(みう)はどうした」


「み、美羽(みう)なら(いま)、イリスと一緒(いっしょ)に"アフティオアメス"の(ところ)に」


「なら()(もど)せ」


「(()(もど)せって()われても……)」


 美羽(みう)(たち)()(もど)せと()われ、憲明(のりあき)(こま)ったような(かお)をするから(わたし)はそこで、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)(たの)んだら()いんじゃないかと(つた)えた。


「あっ、ああそっか、(おれ)(かげ)分身(ぶんしん)がいるんだっけ。頼む、(いま)すぐ(もど)ってきてくれって(つた)えてくれないか?」


 すると(かれ)(かげ)から八岐大蛇(ヤマタノオロチ)分身(ぶんしん)(かお)()し。()かったと()うとまた(かげ)(もぐ)る。


親父(おやじ)さん、これで美羽(みう)(たち)(もど)って()ると(おも)います」


()かった。ならここにいられたんじゃ邪魔(じゃま)だ、とっとと()がれ」


 何時(いつ)もなら邪魔(じゃま)だと()われてもその()()させろとうるさい憲明(のりあき)でも、この(とき)ばかりは素直(すなお)()うことを()いて(うし)ろへと()がった。

 憲明(のりあき)気付(きづ)いたのでしょ。

 ()(まま)を言って守行(もりゆき)(こま)らせるのは()くない(こと)に。


()け。これ以上(いじょう)被害(ひがい)拡大(かくだい)する(まえ)に、オルカルミアルだけでも仕留(しと)めてこい」


 守行(もりゆき)命令(めいれい)に、"猫又(ねこまた)"、"(さとり)"、"牛鬼(ぎゅうき)"、"雪女(ゆきおんな)"、"鎌鼬(かまいたち)"と、妖怪(ようかい)()ばれる存在(そんざい)一斉(いっせい)()んでいく。


「お(まえ)もだ"がしゃ"」


<……御意(ぎょい)>


 最後(さいご)に、ガイコツが(えが)かれた巨大(きょうだい)(ふすま)から禍々(まがまが)しい姿(すがた)巨大(きょだい)なガイコツがゆっくり()てくると、それは地響(じひび)きをたてながら(ある)きだす。



「アレが……、"餓舎髑髏(がしゃどくろ)"……、っすか……」


 ……なんて禍々(まがまが)しさだ。


 憲明(のりあき)(ほか)子達(こたち)がその姿(すがた)(おどろ)いて(かた)まってしまう。

 それは(わたし)例外(れいがい)じゃ()い。

 その()()巨大(きょだい)なガイコツ。されど、そのガイコツは(やみ)(まと)い、その(まわ)りには数多(かずおお)くの怨霊(おんりょう)(たち)()()れている。


<……それでどっちが(てき)なんでしょう?>


「……おい憲明(のりあき)、ミルクとオルカルミアルがやり()ってるあのヤローはなんだ?」


「……アレがノーフェイスっす」


「……()(ほど)。がしゃ、お(まえ)()()えずあのオルカルミアルを()めろ」


<……御意(ぎょい)>


「……憲明(のりあき)


 "餓舎髑髏(がしゃどくろ)"に指示(しじ)()した守行(もりゆき)憲明(のりあき)(かお)()け。


「よく()げてきた」


 (あたま)()()き、力強(ちからづよ)()でた。


「その判断(はんだん)間違(まちが)っちゃいねえ。(かな)わない(てき)だと判断(はんだん)し、()げるのもそれは(ただ)しい(こと)だ」


「……でも、(くや)しいです!」


「だが()きてる。()きてるならどれだけでもやり(なお)(こと)出来(でき)る。それが(わか)らねえままだとただ無意味(むいみ)()きるだけだ。まっ、()()えず(いま)(やす)め」


 力強(ちからづよ)く、そして(やさ)しく守行(もりゆき)微笑(ほほえ)んだ。


「そうだ……、親父(おやじ)さんにその……、(ほう)……(こく)がぁ……」


 憲明(のりあき)はそこで美羽(みう)がカズに(たの)み、()()っていた記憶(きおく)封印(ふういん)してもらった(こと)(つた)えると。


「はあぁぁ……、(なに)(かんが)えてんだあの馬鹿(ばか)(むすめ)はったく……」


 (おお)きな()(いき)()いてから(おこ)って()いのかどうしたら()いのか、(こま)った(かお)になると(だま)ってしまった。

 そんな守行(もりゆき)(わたし)は、心底(しんそこ)尊敬(そんけい)出来(でき)(とも)出来(でき)(うれ)しく(おも)う。


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