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『終焉を告げる常闇の歌』  作者: Yassie
第12章 悪魔の仮面
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第332話 かおなし


(わる)い、またせた」


「……おせえよ」


 ようやく到着(とうちゃく)すると、カズは展望台(てんぼうだい)(われ)れた(まど)腰掛(こしか)けながら美羽(みう)大切(たいせつ)そうに()(かか)えていた。


「いろんな場所(ばしょ)水没(すいぼつ)しちまってたからバイクで(とお)れなくなっちまっててさ。だから途中(とちゅう)から(はし)ったり()んだりしてようやく()れた」


「まっ、しかたねえか。んじゃ、美羽(みう)(たの)む」


「おう」


「……美羽(みう)(ねが)いで()()ってた(とき)記憶(きおく)(ふう)じさせてあるから、上手(うま)(はなし)()わせてくれ」


「……は? なにしてんだよお(まえ)ら、なんでそんな大事(だいじ)記憶(きおく)(ふう)じてんだよ。()わせる俺達(おれたち)(こと)(かんが)えろよなぁ……」


 なんとな~く2()気持(きも)ちが()からなくもないから、それ以上(いじょう)(こと)()うつもりは()い。

 美羽(みう)としては最後(さいご)に、()()くかもって(おも)うからそうしたんだろうし。カズはそれで(つら)(おも)いをさせたくねえからなんだろ。

 でも2()とも馬鹿(ばか)だ。


「んじゃ、(おれ)はそろそろ」


「まてよ。……お(まえ)にひとつ、()わなきゃならねえ(こと)があるんだ」


 ()()けてゲートを(ひら)こうとしたカズを()め、(おれ)はダリアの(こと)(つた)えた。

 ……()いたカズは左手(ひだりて)窓枠(まどわく)(にぎ)ると、凶悪(きょうあく)握力(あくりょく)簡単(かんたん)破壊(はかい)する。


「……すまん、まだ、(だれ)がダリアを(ころ)したのか(わか)ってない」


「……いや、お(まえ)(あやま)必要(ひつよう)はねえよ。ましてや、(おれ)(たち)(いま)敵対(てきたい)してるんだ。……だからそれでダリアが()んだなら、それはそれでまだ、納得(なっとく)出来(でき)る。だが……!」


 そう、カズの()(とお)り「だが」だ。


(ほか)(やつ)らが介入(かいにゅう)してダリアを(ころ)したとするならそれはけっして(ゆる)すわけにはいかねえよ!」


「……(おれ)もそう(おも)う。エルピスが(ひき)いる天界軍(てんかいぐん)冥獣軍(めいじゅうぐん)冥王軍(めいおうぐん)自衛隊(じえいたい)、アメリカ(ぐん)(おれ)なりに調(しら)べたけど、どこもダリアを(ころ)してない。……つまり」


「あぁ、(あら)たな勢力(せいりょく)介入(かいにゅう)してきたと(かんが)えるべきだ。……まぁ、(おれ)(てき)(おお)いから仕方(しかた)ねえのかもな」


「いや、仕方(しかた)なくなんかねえよ。だったら堂々(どうどう)(おれ)(たち)みてえにお(まえ)らと(たたか)うって()えば()いんだ。それなのに(なに)()わないでコソコソしてるのが(わる)い。味方(みかた)()えるのは(うれ)しいぜ? でも、お(まえ)じゃなくてもそれは(おれ)()()らねえよ」


「……そうか、そうだな……」


「……お(はなし)のところ(もう)(わけ)ありません、そろそろお時間(じかん)となります」


 そこへゼストがスッと(あらわ)れるとゲートを(ひら)く。


「……ありがとな憲明(のりあき)。んじゃ、またな」


「……おう! またな!」


 カズを見送(みおく)ってから(かえ)ろうとまつと。


「……ダリアの(けん)(おし)えてくて感謝(かんしゃ)する」


 ゼストが(おれ)(あたま)()げた。


「ダリアを(ころ)した(もの)(わか)次第(しだい)対処(たいしょ)させてもらう」


俺達(おれたち)もそのつもりだ。だってダリアは……、だって……、親父(おやじ)さんと(わか)()えてこっちに()てくれそうだったんだ……。お(まえ)らには(わる)いけど、だからよ……」


(みな)まで()うな、大丈夫(だいじょうぶ)、お(まえ)(たち)気持(きも)ちは(われ)らにも(とど)いている。(ゆえ)にそうなれば(わら)らは(ゆる)せただろう……。ではな……」


「あぁ……、またなゼスト」


 ゲートに(はい)って()えていく。

 すると、ゼストが(きゅう)にこっちへ()(なお)り、右手(みぎて)(むね)()てて(あたま)()げるとゲートは()じた。


(べつ)にお(まえ)感謝(かんしゃ)されるような(こと)なんて……」


 そこで(おれ)(そと)視線(しせん)()けた。


「なんか今日(きょう)(あめ)何時(いつ)もより(やさ)しいな……」


 美羽(みう)(かか)え、(もど)ろうとしたら(かべ)()こう(がわ)一樹(かずき)(たち)(しず)かに()っていた。


「お(まえ)らなんでいるんだよ」


「は? なんで? なんでじゃねえだろ。(おれ)(たち)だって美羽(みう)(むか)えに()たんじゃねえか」


「いやそれはなんとなく(わか)るけどよ。……んじゃさっきの会話(かいわ)


全部(ぜんぶ)()いてたよ。……ったくこの馬鹿(ばか)、なに勝手(かって)記憶(きおく)(ふう)じてんだよ。カズもカズだ。2()してなんでそんな馬鹿(ばか)(こと)すんだよ」


 だよな……。


「ちっ、(いま)()ってもしゃーねーから、全部(ぜんぶ)()わってから文句(もんく)()ってやる。ほら、()こうぜ」


「……あぁ、そうだな」


 つくづく()友達(ダチ)()てたって(おも)う。

 一樹(かずき)、ヤッさん、サーちゃんにシーちゃん、それに(ほか)連中(れんちゅう)(みんな)

 (うれ)しくてついつい目頭(めがしら)(あつ)くなっちまうのをこらえ、(おれ)(たち)(した)に降りた。


「さ~て、……とりあえずどうやって(かえ)ろう?」


 下手(へた)(うご)いて美羽(みう)()こしたくねえし、かと()って(かさ)()って()てないから(あめ)(なか)ずぶ()れになって(かえ)りたくもない。


 ……うん、(こま)った。


(だれ)(かさ)ねえか?」


 ()くと(だれ)()っていない。


 うん、これじゃ風邪(かぜ)をひいちまう。


「はぁ……、お(まえ)(おれ)(みず)(あやつ)れるの(わす)れてねえか?」


 ……あ。


「ほら、こうすりゃ(だれ)()れねえで()む」


(たす)かる」


 一樹(かずき)()ってる(あめ)(あやつ)って()れないようにしてくれると。


「おや?」


「「?!!」」


(かさ)必要(ひつよう)だと(おも)って用意(ようい)したんだけど、いらなかったかな?」


 ……コイツ、いつの()に。


 (おと)()くそいつは突然(とつぜん)俺達(おれたち)(こえ)をかけた。


「そう警戒(けいかい)しなくとも、()()()()()()()()()(いま)は、ね?」


 (くろ)いハット(ぼう)(かぶ)り、不気味(ぶきみな)仮面(かめん)()けた(やつ)にんなこと()われて警戒(けいかい)()馬鹿(ばか)はいねーよ。


 それにまったく気配(けはい)(かん)じないし、(おれ)はそいつが明確(めいかく)(てき)だって(こと)(わか)っていた。


「てめぇ、"()()()"だな?」


 "邪竜教(じゃりゅうきょう)"。俺達(おれたち)(てき)であり、カズ(たち)にとっても(てき)になる(なぞ)めいた第三(だいさん)勢力(せいりょく)

 (まえ)にロゼリアがいた組織(そしき)だ。

 しかもそこのリーダーがカズの(たましい)を2つに()け、カズがおかしくなった元凶(げんきょう)でもある。

 そんな(やつ)がリーダーをしてる組織(そしき)(てき)以外(いがい)のなにもんでもねえよ。


「どうして(わたし)が"邪竜教(じゃりゅうきょう)"だと?」


「そんな不気味(ぶきみ)仮面(かめん)()けてりゃ(だれ)だってそう(おも)うだろうが」


「だけど、()()()()()()()()()()()?」


 なんで……。


「なんでテメェ知ってんだよ? あ? (こた)えろ!」


何故(なぜ)? 何故(なぜ)(わたし)()くかい? ふふっ、ふははははははははっ! それは()たり(まえ)だからだよ憲明(のりあき)(くん)!」


 そういやロゼリアが(おれ)(たち)()ってたみてえに、きっとコイツも(おれ)(たち)()ってるんだな。


()ろしてノリちゃん」


 美羽(みう)?!


「……(わる)い、()こしちまったな」


大丈夫(だいじょうぶ)。でもなんでだろ……、カズと()って、(なに)か、(はなし)をしてたらいつの()にか()ちゃってた。カズは()ったの?」


「……お(まえ)(よろ)しくって()って(もど)っていった」


「そっか……、ちゃんとカズに()()()()()()()()()()()()


「「……」」


 告白(こくはく)したかったって(こと)は、冗談抜(じょうだんぬ)きで記憶(きおく)封印(ふういん)さちまったのか。


「それで? なんでアンタがいんの? "()()()()()()"」


「ノーフェイス……、って! コイツがノーフェイスなのかよ!」


「おや? (きみ)(わたし)がノーフェイスだと()づいていなかったのかな?」


「……ぶっ(ころ)す。元凶(げんきょう)(ほう)からわざわざ()てくれたならここで、テメェをぶっ殺す」


「おやおや(おだ)やかじゃないねまったく。(わたし)がここへ()たのは挨拶(あいさつ)がしたかっただけなんだけどね」


(だま)れ、(しゃべ)んな。テメェのせいでカズはおかしくなっちまったんだぞ? テメェがいなけりゃ(いま)この(とき)だってカズはカズのままだったかも()れねえんだぞ? (たの)むからここで()んでくれねえか?」


「ははははは! (きみ)(わたし)(ころ)せやしないよ! (きみ)(おも)ってたより面白(おもしろ)いようだ。どうだい? 今度(こんど)()(とき)はゆっくりとお(しゃべ)りしようじゃないか憲明(のりあき)(くん)


 冗談(じょうだん)じゃねぇ、なんでコイツとお(しゃべ)りしなきゃなんねえんだよ。

 とりあえずここでコイツを(ころ)さねえと。


 ノーフェイスだって()った(おれ)はここで(ころ)すって(かんが)えしか(あたま)になかった。


()てよ憲明(のりあき)


「あ?」


「テメェだけがぶちギレてるんじゃねえんだぞ?」


「……そうだな」


 (おれ)だけじゃない。一樹(かずき)、ヤッさん、サーちゃん、シーちゃん、美羽(みう)、イリス、(みんな)このノーフェイスってクソヤロウを(ころ)したい気持(きも)ちでいた。


「やれやれ、では(すこ)(あそ)んであげるとしよう」


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