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『終焉を告げる常闇の歌』  作者: Yassie
第11章 荒れ狂う海
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第307話 VSルーク


 サーちゃんが志穂ちゃんと大喧嘩してから数日後。

 気まずい雰囲気を残しつつ取りあえずタカさんが連れ戻してくれたけど……、全然仲直りが出来ていない。

 そんな2人を残し、俺は"埼玉エリア"で戦闘していた。


「今日こそテメェをぶっ殺してやる!」


<キキキッ>


 11月19日 12:05


 ーー 埼玉エリア ーー


 その日、埼玉エリアの調査に行くとそこのボス、"デスタニア"のルークが襲来し、かれこれ30分以上も激しい戦闘をしている。


「親父さんがどれだけ悲しいかテメェには分からねえのかよルーク!!」


 相手は元々親父さんがテイムしていたけど、その親父さんを裏切ったモンスター。

 ランクはS。

 俺はルークに親父さんが悲しんでることを伝えると、その表情が一気に憎悪に染まって殺気立つ。


 ……もしかして、親父さんと何かあったのか? けど。


「お前と親父さんとの間に何があったか知らねえけど、テメェは親父さんを裏切ったんだ、って事は覚悟が出来てるって事だよなルーク!!」


 メンバーは俺の他に一樹、ヤッさん、佐渡と自衛隊の人達が5人。

 まず自衛隊の人達でじゃSランクのルークと戦えるのは無理だから、自衛隊の人達には周りの警戒をしてもらう為に離れてもらうことにして、俺達だけでルークの相手をする。


「相手がSランクだからって弱気になってたんじゃカズになんて到底追い付けねえからな! ここでテメェを倒して少しでもカズに追い付けるような経験をさせてもらう!」


 殺れるもんなら殺ってみろ。

 ルークはそんな事を言いたそうに不気味な笑みを見せると、羽音をたてずに高速で飛び回り、四方八方からの攻撃を始める。

 "超音波(エコーロケーション)"を使っての強力な衝撃波や、羽を使って(かま)みたいにした斬撃。その羽に1本ずつ生えている鉤爪(かぎづめ)(くさり)みたいに伸ばし、(むち)のようにして周囲に連続攻撃を繰り出す。

 その一撃一撃はどれも強力で、流石Sランクなだけある。

 そんな攻撃をヤッさんは大盾で防ぎ、隙を見て佐渡がルークに攻撃を仕掛ける。


 あのゴジュラスと引き分けただけあって連携が上手い。


 でも相手は空を自由に飛び回るモンスター。そう簡単に佐渡の攻撃は届かず、避けられると逆に攻撃される。けどそうされるんじゃないかと気づいていた一樹が槍を投げ、佐渡の援護をするとダークスが追撃に入る。


<キキィ>


 やりずらい。そう言いたそうに顔を歪めるルークは狙いやすそうだったのか、俺を睨むと高速で向かって来た。


「そう来ると思ってたぜ!!」


 何もしないでただ見ていればきっと俺を狙ってくる。

 そう思っていた俺はノワールに"忍者"スキルで気配を殺させつつ姿も隠させ、ルークに奇襲させることに成功した。


「そのまま地面に叩きつけろノワール!!」


 "凶爪"で強化された触腕(しょくわん)でルークを捕まえ、そのまま地面に叩きつけさせると右手に"砂粒操作"を(まと)わせて作った大剣を突き刺そうとするけど、ルークは"超音波(エコーロケーション)"で攻撃してその場から脱出。後一歩でようやくダメージらしいダメージを与えられたのに、逃げられたんじゃ意味が無い。

 そう思った時、逃げたルークの背後にブチが大口を開けて待ち受けていて、そのままルークの羽になった右足に噛みつくとまた地面に叩きつける。


「今度こそ逃がさねえ!!」


 ー "炎の弾丸(ファイヤーブレット)" ー


 何十発って"炎の弾丸(ファイヤーブレット)"をルークにぶちこみ、俺の攻撃がやんだのと同時に佐渡が細剣(レイピア)で追撃する。


「やったか?!」


 って思わず一樹がフラグを立てたからか、案の定ルークは煙りの中から勢いよく出てくると俺達全員を睨んだ。


「フラグ立てるからぁ……」


「……スイマセン」


 佐渡に冷たい目を向けられた一樹は思わず目をそらし、小声で謝るけどきっと届いてない。


<キキィ……>


「でも流石Sランクってだけあって全然ダメージを与えられてないかぁ……」


「って言ってもお前とルークとのレベルが違うから全然ダメージが通ってないんだろ」


「う~わ、ここにきて早瀬君が私の事イジメルんですけど~、どうしよ~玲司く~ん」


「彼女をイジメたら僕が許さないぞ憲明!!」


 こっ、この2人はこんな時でもイチャイチャしやがってコノヤロー……。


 でもこの場にイリスがいたらきっと周りから俺もそんな風に思われてんのかなぁって思うと、なんにも言えなくなる。

 それにそれだけの余裕があるって事だし、このまま続けていればルークを倒せるのも時間の問題って事だ。


<キイイイィィィィィッ!!>


「っぐ! ここにきて今までより強力な"超音波(エコーロケーション)"だな!」


<キイイッ!>


 まだ原型を留めているビルの壁に両足でしっかりと掴まり、ルークは鉤爪(かぎづめ)を伸ばして何度も槍のようにして攻撃を始める。


「やけくそにでもなったかよルーク!! それで俺達に勝てると思われてるなら馬鹿にしすぎだぜ?!」


「ノワール! 僕に合わせて砂で壁を作って!」


<ギエッ!>


 ノワールに砂で壁を作らせたヤッさんは、その壁に"不動"スキルを発動させてルークの攻撃をガードする。


「恵梨佳!」


「まかせて! 止まってくれてるなら狙いやすい今が狙い目だからね!」


 連続攻撃が続く中、佐渡がヤッさんの後ろから勢いよく走って行くと"不動"をあえて解除し、ヤッさんの肩に足を乗せると高くジャンプした。


「とっておきなんだから!」


 (ふところ)から何かを取り出してルークに投げる。

 よく見ればそれはカズがヤッさん用に開発した特性の爆弾。

 "凶弾爆"。

 たった一つだけでゴジュラスの頑丈な体に傷を付け、ダメージを与えたやつだ。


「吹っ飛んじゃえ! 早瀬君!」


「了解!」


 佐渡に頼まれて俺は"炎の弾丸(ファイヤーブレット)"を放った後、直ぐその場から離れた。

 それがどれだけの威力なのか俺達は知ってる。だからそれが目に入った瞬間、出来るだけ離れて自然とその場に伏せ奴もいる。

 それがどれだけの威力か知らないルークは俺の"炎の弾丸(ファイヤーブレット)"が"凶弾爆"に当たった瞬間。


<キイイイィィィィィッ?!!>


 至近距離で爆発に巻き込まれ、ビルの外壁もろとも吹っ飛び、近くにいた佐渡は投げた瞬間にブチが尻尾で巻き付いて引っ張った事で爆発から逃げることが出来た。

 でもその代わり、爆発に巻き込まれたビルが倒壊しそうな状態になったから、俺達は急いでその場から退避。

 すると(しばら)くして案の定、ビルは俺達がいた道路に音をたてながら崩れた。


「ヤバかったな……」


「でも流石のルークでも、あのゴジュラスを傷つける事が出来た"凶弾爆"をくらったんじゃひとたまりも無いでしょ」


 ……だと良いんだけどよ。


<キイイイィィィィィッ!!>


「えぇ……」


「やっぱそう簡単には倒れねえか」


 生きていたルークは瓦礫(ガレキ)の中から勢いよく飛び出してきたは良いけど、その体から大量の血が流れている。

 左顔と左半身は大火傷状態になり、鉤爪(かぎづめ)が根元から折れている。それに左脇腹は爆発でなのか、深く(えぐ)れている。


「よくそんな状態でまだ生きてるなお前」


<キィィ……>


「ケリを付けようぜルーク」


<キイイイィィィィィッ!!>


「"紅蓮爆炎斬(ぐれんばくえんざん)"!!」


 爆発のダメージで動きが鈍ってる今がチャンスだと感じた俺は、俺にとって必殺の攻撃を放った。


<キッ……!>


 ようやくまともな攻撃が入ったは良いものの、これで終わりかと思うとなんだか呆気(あっけ)ない。

 Sランクとは言え、防御力よりもほとんど俊敏(しゅんびん)の方が高いから攻撃さえ当たればなんとか勝てたのかもしれない。

 でも何故か違和感を感じた俺は、ノワールに追撃するように指示を出し。ノワールは"触腕(しょくわん)"でルークを鷲掴(わしづか)みにすると、別のビルに向けておもいっきり投げる。

 投げられたルークはまるで手裏剣みたいに回転しながらビルの外壁を破壊し、ビル内の柱か壁を何度も破壊してようやく静かになった。

 それでもまだ違和感が(ぬぐ)えない。


「ダークス! "超電磁砲(レールガン)"を頼む!」


 違和感を払拭(ふっしょく)したい俺はダークスに頼み、それならと一樹は何度も"超電磁砲(レールガン)"を撃たせた事でビルがまた一つ、倒壊する。

 これで勝ったとは思えない。そこまでしてもルークはSランクのモンスターなんだから、きっとまだ力を温存してるんじゃないかと思うと警戒を解くことが出来ない。


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