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野球のユニフォーム
教室に戻ると、普段は話さないクラスメイトたちが声を掛けてきた。
僕はそれに応えつつ、田中君のところに向かった。
「田中君。お願いがあるんだけど、、、」
「なんだよ」
「野球部のユニフォーム貸してもらえないかな」
「何に使うんだよ」
「実は、女装コンテストの審査のために着たいんだ」
田中君はよく分からないというような顔で
「女装って女の服を着るんじゃないのかよ」と言った。
「普通はそうなんだけど、ちょっと作戦があって」
「ふーん。別に貸してもいいけど」
「ありがとう!恩に着るよ」
やっぱり田中君は良い奴だ。
これで必要なアイテムは揃うな。
僕はその日、一日、放課後が待ち遠しくて授業が入ってこなかった。
「




