覚悟
僕らは体育館裏にいた。
走ったことで緊張も解けていた。
「それで、佐々木さん」
「私達結婚するんでしょ。そんな、よそよそしい呼び方しないで!下の名前で呼んで!」
「ごめんね。結花ちゃん」
「いいよ。叶太君」
「一応、確認して起きたいんだけど。結婚するとは言っても、僕たちまだ高校生なわけじゃない?だから籍を入れるのは卒業してからってことで大丈夫?」
「うん。もちろん、そのつもりだよ。だから今は結婚を前提にお付き合いしてる婚約者同士ってことね」
「そういうこと。それでさ田中君のことなんだけど」
「叶太君からのプロポーズのこと話したよ。もしかしたら、、」
「うん。分かってる。報復があるかもね」
「ごめんね。もし、女装のことをバラされたら、、、」
「大丈夫。覚悟は出来てる。それにコンテストに出るなら学校からの協力も不可欠だから、田中君がバラさなくても自分から打ち明けるつもりだよ」
結花ちゃんは目を見開いて言った。
「コンテスト、出てくれるの?」
「うん。それも含めて覚悟しているよ。だって、結花ちゃんと結婚できるなら、一番大切な人とともに居られるなら、他の人からどう思われたって気にならないからね。」
「ありがとう」
そう言って笑うと、結花ちゃんは僕を見上げ静かに目を閉じた。
僕はそっとキスをした。




