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返事
朝、目覚めると綾音の顔がすぐ近くにあった。
僕はすべてを察し、こっそりと綾音のベッドから抜け出した。
「うぅん」
綾音はぐっすり眠っており起きる気配はない。
ほっと安堵のため息を吐くと僕は、忍び足で部屋を出た。
自分の部屋に戻った僕は時間を確認するため机の上に置いてあったスマホを見た。
スマホにはメッセージの着信通知が届いており、メッセージを確認すると佐々木さんから「いいよ」とだけ送られていた。
直前のやりとりは映画館に行く前のものでそれとは無関係のものだ。つまり、プロポーズへの返事と考えて間違いないだろう。
僕は嬉しさを噛みしめながら朝の準備を始めたのだった。




