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再びの女児服

綾音の部屋に入ると服を手渡された。


デフォルメされた動物のイラストがプリントされた桜色(淡いピンク)のシャツとフリルがあしらわれた空色(淡いブルー)のミニスカート、シャツと同系色の靴下、ツインテールのウィッグまである。


「これは?」


「ガチの女児服、用意してみた」


僕が衝撃を受けて何も言えずにいると綾音が説明を始めた。


「ガチの女児服とは言ったけど、今の女子小学生はこういう服をあんまり着ないと思う。もっとおしゃれな、それこそ中高生が着ていてもおかしくないような服を着てるよ。だからこれは、女児服を着たい大人の人向けの服とも言えるかな」


「そうなんだ」


「私は女児服を着るのも、女児服を着てる大人の人を見るのも好きなんだ!」


「うんうん」


「そもそも、女児服の良さってなんだと思う?」


「う~ん、なんだろう」


「それはね、子どもっぽくて垢抜けないところなんだよ!」


「というと?」


「ダサ可愛いと言えばいいのかな?オタクがスク水好きなのと一緒だよ。スク水ってデザイン的には可愛くないし野暮ったいでしょ?でもオタク人気は高い」


「あんまりぴんとこないな」


「そう?お兄ちゃんだって結花先輩のこと好きなら分かると思うんだけど。結花先輩は真面目だから、制服を着崩すことはないしスカート丈も短くはない。髪色を染めたりもしない。眼鏡もおしゃれアイテムというよりは実用性重視のやつだし。あんなに可愛い顔なのに垢抜けない格好をしてるのってグッとくるでしょ?」


「そうなの?」


「そうなの!!とにかくお兄ちゃんにはこの服を着て『かなちゃん』になってもらうから!」


そんなわけで僕はまた女児服を着て妹の妹になることになった。

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