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とんでもない誤算

唐突だが、告白が成功しやすい時間帯をご存知だろうか?


それは、社会人なら仕事終わり、学生なら放課後にあたる夕方だ。


理由は二つある。


一つは、一日の疲れで思考力が鈍っているから。同じ理由で一週間のうちなら金曜日が良い。 翌日から休日という解放感も相まってポジティブな返事がもらいやすい。


夕方が良いもう一つの理由は夕空が醸す哀切なムードだ。なんだか、もの悲しいあの感じ、そこから生まれる、人恋しい気分。つまりはそう言うことだ。


なぜこんな話をしているかと言えば、もちろん、これから佐々木さんに告白するからだ。


実の事を言えば、僕はコンテストに出ること自体が嫌なわけではない。僕の意思を無視して話を進めようとするのが気に入らなかっただけだ。二人を置いてショッピングモールを出た時には冷静になり、二人に対する態度が悪かったことを反省していたくらいだ。


だけど、佐々木さんはよりにもよって田中くんを使ってきた。あれで僕は頭に血がのぼったのだ。


僕は佐々木さんのことが好きだ!愛してると言っても過言ではない。


それは僕が女装を始めるよりも前からだ。佐々木さんも僕のことを(女装が似合うだろうと思ってだが)見てくれていた。


妹同伴とはいえ、休みの日に映画を見に行けた。少しは関係が近づいているのかななんて思ってたのに、、、


だから僕は、佐々木さんに告白することにした。


嫌でも意識させてやる。


「男としては見れない」そんなことを言われたらどうしようと考えてしまう。でももう決めたことだ。後のことなんて知るか!


そう決意し僕は言った。


「佐々木結花さん、僕は君が好きだ。だから結婚して下さい」


ハハハ、言ってやったぞコノヤロウ。佐々木さんもポカーンとしてる。ほんのり頬が赤いのは少しは脈があるからなのかなとか考えているうちに僕は自分の言葉に違和感を覚えた。


って、あれ?僕今なんて言った?


告白のつもりがプロポーズになっているのに気づいた僕は佐々木さんの顔も見れずその場から逃げ出したのだった。





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