表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/36

再びの作戦会議

正気に戻った僕は、自分の醜態を晒してしまった恥ずかしさを誤魔化すために、普段よりきつめに綾音を叱った。


「そ、それはそれとして、明日はどうするの?」


綾音は話題を反らそうと急な話題転換をする。僕も僕で気まずく思っていたので全力でそれに乗っかる。


「まず大前提として、明日登校したらみんなが僕の女装のことを知ってる、なんてことにはならないと思う」


「どうして?」


「僕が女装してるって情報は僕を女装コンテストに参加させるための唯一の脅迫のネタなんだ。もしそれをバラしたら僕を参加させることは絶対に出来なくなるだろ?取引の材料はなくなるし、そんなことをするようなやつの言いなりになるわけないからね。だから迂闊(うかつ)にはバラせないんだよ」


「なるほど、だからお兄ちゃんは落ち着いてたのね」


「まあね。多分、佐々木さんは情報を小出しにしてくるんじゃないかな。僕が女装してるってことは隠して、例えば一緒に映画を観に行ったこととか僕らが佐々木さんちに行ったこととか。これまで接点のなかった男女が急接近してるとなれば、クラスメイトたちは気になるだろうし話題の的になるからね」


「それで、みんなの注目を集めた段階で改めてお兄ちゃんと交渉しようってこと?」


「おそらくね」


「それって結構厄介なんじゃ」


「そうかな。僕はわりとどうとでもなると思ってるけど」


「お兄ちゃんがそう言うんならいいけど。私も力になれることがあったら言ってね」


「ありがとう、その時は頼らせてもらうよ」


それだけ言って僕は自分の部屋に戻った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ