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終末世界の開拓記  作者: なづきち
章間六

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光神の神力講座

時系列は『火神の鍛冶と神力』のちょい後です。

「しかし……神力かぁ……」


 初めて火神の鍛冶を見せてもらった日に教えてもらったこと。

 『加護を得ると神力が使えるようになる』

 つまりわたしも神力が使えると言うことで。しかし火神曰く『思ったよりずっと少ない』とのことで。

 ……今まであれこれと褒められてはきたけど、やっぱりわたしは神子として足りない部分が多いんだなぁと溜息が出る。皆わたしを甘やかしすぎでは? これからももっともっと精進しなければ。


 と言うことで、わたしは一番親切に教えてくれそうなアイティに尋ねてみることにした。なお今日のお供はフリッカだ。


「……戦うことならともかく、モノ作りに関してのアドバイスは期待しないでくれ……」

「ありゃ」


 火神は武闘派でありながら鍛冶の神だ。先日も見事としか言いようがない逸品を作り上げた。

 光神アイティも似たようなものかと思えば、そうではないらしい。

 あー、でも直接的なモノ作りをした神様は火神が初めてだな? 地神の力は土地を、水神は水を、風神は風ではないけど生物を、それぞれアイテムを作るのではなく、モノ作りのための質を上げるようなタイプだった。……地神も自分でお酒を作れば良いのでは? 鍛冶をする火神を見習おう?


 光神の場合は確か【光神の燈明】だったか。決して消えることのない灯火。地の底であっても明るく照らし、命を導く。

 これは地上においては土、水、火と風も含む全ての要素に対しわずかなボーナスを得る、汎用的なものだ。疑似太陽のような性質を持つからだろう。またその効果は地下であっても減衰するものの及ぶが、冥界は不可である。冥界でも大丈夫な性質だったらアイティは縮む必要はなかっただろうね。

 そしてアイティの加護に地理せかいを含むからか、道しるべアイテムを作ることも出来る。迷路型ダンジョンでは重宝する。……冥界でも力が発揮出来たならすぐにトランスポーターを発見出来ただろうに――ないものねだりをしてはダメだよね。だからそんな申し訳なさそうな顔をしないでゴメンナサイ。

 ちなみに、一番モノ作りをしているのもやはり火神らしい。そして一番器用なのも火神らしい。意外にも一番不器用なのが地神らしい……マジすか。だから地神は自分でお酒を作らないのかしらん……?

 しかしあの火神に聞きに行くのは……うん、まだ調子が悪そうだから、と言うことにしておこう。


「モノ作りはさて置き、神力の使い方講座、みたいな?」

「……そうだな。後ろを向け」

「ん?」


 なんのこっちゃ? と思いながら素直にアイティに背を向ける。

 アイティはわたしの背に手を添え。

 じわじわとその手が熱を帯び……わたしへと伝わってきた。


「これが神力だ。リオンならわかるだろう?」

「お、おぉ……」


 妙な感動に打ち震えながら、ズズっと力を動かしてみる。

 しかし『わかるだろう?』って……あ、この感覚、なんか経験あると思えば加護をもらった時のか。加護を得ることで神力が使えるようになる、つまり神力が譲渡されている、ってことか。納得出来る話だ。


「……私も神様方の加護をいただいていますが、私にも神力は使えるのでしょうか?」

「使い方を教えるのは構わないが……神力が使えるようになったとしても、フリッカはここ以外での使用はやめておいた方がよい」

「……何故でしょうか?」

「神子以外は極僅かしか使えないのだが、それでも……神の解放が、知られてしまうかもしれない」

「「――」」


 知られる。

 誰に。

 ……もちろん、神様たちを封印した誰か、だ。

 創造神の場合は加護イコール神子なので、神子以外が神力を使用していたら『どの神からもらったのか?』と言う話になってしまう。


「ひょっとして、加護をもらうのも危険だったり……?」

「いや、体内にあるだけならまずわからない。使用するとバレる……かもしれない」


 微量なのであくまで『かもしれない』だけれども、危険な橋は渡るものではない。神力について他の神の誰も言ってなかったのは、きっとそれが理由なのだろう。火神が漏らしてしまったけど。

フリッカは他所では使わないことを約束してから同じことをやってもらっていた。

 しかしフリッカは少しずつ難しそうな顔へと変化していく。


「……申し訳ありません。よくわかりません……」

「身体能力として無意識に僅かに使用してはいても、意図的な使用には相応の修練が必要となる。リオンは……神造人間ドールであるし、一般人よりも、更には通常の神子よりも馴染みやすいと言うのもあるだろう。比較してはいけない」


 あー、そっか。この体自体が創造神の神力で出来たようなモノだしねぇ。

 ……その割りには火神に少ないと言われてるし……そもそも神力と魔力の違いは……?


「エネルギー、と言う点では違いはない。神力は神から発生し、魔力は様々なモノから発生する。そしてその二つの間は……そうだな、濃度が違うとでも言えばいいだろうか」

「ほぉん……?」


 濃縮ジュース的な……? 魔力が十あれば十のことが出来るとして、神力が十あれば魔力換算で百のことも出来る、みたいな。


「基本的に魔力で行えることは神力でも行えるが、神力があって初めて行えることもある」

「例えば?」

「リオンが使っている作成メイキングスキル。付け加えると、これは創造神の神力のみで行えることであり、他の神の加護では行えない」

「……あぁ」


 だから作成メイキングスキルが使用出来るのは創造神の神子だけなのか。って言うかこれ神力なのか。減るのはMPだし、まっっったくそんな感覚なかったけど……。


「神子は神とは違うゆえに魔力で補っていることも事実であるが……本当に無自覚に使っていたのか?」

「えっ」


 ……まさか。

 MPメンタルポイントって……イコール魔力じゃない……?

 え? そこから認識が違う……!?


「そもそも『メンタルポイント』と言う呼称を、他の誰も使っていないと思うのだが……」

「特に気にしていませんでしたが、私もリオン様以外から聞いたことはありませんね……」

「……え、ええぇ……?」


 まさかまさかのゲーム脳の弊害がこんなところにも……!?

 えぇとえぇと……わたしのステータスに表示されているこのMPバー、これは魔力プラス神力の値ってことなのか……? だとしたらごっちゃに認識しているな……。

 はっ。カミルさんも神力を使っていたの……!? えぇ、マジで違いがわかってないよ……。


「……まさか無自覚どころか認識がズレているとは……私も、他の神も、誰も指摘出来なかったのは申し訳ない。てっきり意識してその量に抑えているのかと……」


 わたしの問題なのに、アイティに頭を下げられてしまった。こちらこそ申し訳ない……。


「今後はもっと神力を意識した方がよい。訓練すれば引き出せる量が増えるし、使用出来るエネルギー量が段違いに増えることになる。……逆に言えば始めのうちは意識して、使う感覚を覚えないと増えないのだが」

「……えぇと、つまり今のわたしって……神子のくせに神力のひっくいへっぽこだったりする……?」

「……何でもいいから作ってみろ。決して意識するな、無意識にだ」


 いつかの火神と似たようなことをアイティは言う。

 だから同じように、ただの石で手のひらサイズの創造神の像を作成した。

 ただ、火神とは違い、更に質問が付け足される。


「……これをいくつ作ることが出来る?」

「えぇと――」


 MPバーから換算して、大体どれくらい作成出来るか口にすると……アイティは目頭を抑えた。


「……うん。魔力量はとても多いが……割合からして神力は……その、頑張れ」

「ええええぇ……」


 アイティ曰く、わたしのMP(エネルギー総量)の大半が魔力で構成されていて、なおかつ加護の数からしても神力の未使用領域がかなりありそうとのことで。


「ほら、その……なんだ。伸びしろがあるのだと、前向きに考えるのだ」


 ふふふふふふ……もっとパワーアップ出来るんだね、やったね……。

 ……うぅ、やはりわたしの努力が足りなかったのか……コンチクショー。

リオン以外は皆『魔力』と言ってるはずです。……記載ミスがあったらスミマセン_(:3」 ∠)_

MPポーションはイコール魔力回復薬です。

なお、この影響(おかげ?)でリオンは誰かさんから雑魚と思われてます。

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