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憂鬱な姉妹関係
その日は胸の違和感で目が覚めた。
妙な圧迫感。
ブラは外して寝た筈なのだが?
数秒後に事態を把握。
背中越しに伝わる他人の体温。背後から伸びる掌が、俺の乳房を鷲掴み。
「春佳、何をしている?」
「そこは、春佳お姉ちゃんと言ってくれなきゃ、やだ」
妹の胸をまさぐる姉など、聞いた記憶がないぞ。
「春佳姉さん。なぜ、同じ布団で寝ているの?」
「トイレで起きたんだけど、ちょっと寒かったから」
それで俺の布団に入って来たと。
「姉さんは今年で幾つだっけ?」
「二十一歳のお子様でしゅ」
我が国の成人年齢って、何歳からだよ。
「ねぇ、由喜ちゃん。思った事を言って良いかなぁ?」
「何でございますか、お姉様」
「胸のサイズ、ちょっと成長したような」
「お前もそう思うか?」
数ヶ月前に買ったブラジャーが、最近少しキツく感じる。
「もしかして、わたしと同じくらい?」
「マジ?」
「多分」
良く考えたら、比べようにも娘のサイズを俺は知らない。
「春佳姉さん。私も触っていい?」
「お父さん、それセクハラ」
これほど酷いダブル・スタンダートは早々ないと思う。




